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↑ヒロインの父親役のウィリアム・ハート(右)が演じるアクション・シーンにも注目!
←口がきけないヒロイン、メリッサの犯人のさらに上をいく頭の回転の早さに感服。ハードなアクションに思わず声援を送りたくなる!


声を持たない少女が事件を目撃
手に汗握るサスペンス・アクション
声を持たない10歳の少女が殺人事件を目撃。執拗に口封じを狙う犯人を向こうに回し、「ダイ・ハード」ばりのアクションを披露するサスペンス。主人公の少女を演じるのは、これが映画デビューとなるフランチェスカ・ブラウン。セリフなし、アクション全開の難役を表情の豊かさと持ち前の度胸で見事にこなした。監督のディック・マースは舞台となるアムステルダム出身。街の地形を知り尽くして撮ったカーチェイスなどは、手に汗握る出来栄えだ。
両親に連れられて訪れたアムステルダムで、殺人事件を目撃してしまったメリッサ(F・ブラウン)。口のきけない彼女は殺し屋に襲われても助けを呼べず、街中を独力で逃げ回るハメに。一度はホテルに辿りついたメリッサだったが、殺人依頼者が父・ウォルター(ウィリアム・ハート)の商談相手だと判明。ホテルに刺客を送り込まれてしまう。
監督・製作・脚本・音楽:ディック・マース 製作総指揮:ハインツ・ティム ハインツ・リーマン 出演:ウィリアム・ハート ジェニファー・ティリー フランチェスカ・ブラウン デニス・リアリー マイケル・チクリス
('99オランダ.米/コムストック)98分
●丸の内ピカデリー2ほか全国松竹東急系にて公開

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“娯楽映画の達人”が描き出す
いい意味でB級タッチの味わい深い1作
 本作の監督、ディック・マースをご存知だろうか。「悪魔の密室」('83)と「アムステルダム無情」('88)で、娯楽映画の祭典だった(今では開催されていない)アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭のグランプリを2度も受賞しているオランダの鬼才だ。とにかくアイデアが豊富な人で、あの手この手の趣向を駆使して楽しませてくれる。まさしく“娯楽映画の達人”なのだ。

 主人公は10歳の少女。殺人事件を目撃して殺し屋に命を狙われるが、彼女は口がきけないので、助けを求めて叫び声も上げられない。執ように襲いかかる犯人から、ひたすら逃げて隠れるのみだ。一方の殺し屋は、ちょっとしたミスや邪魔者、アクシデントなどによって、どうにも少女を仕留めることができない。スリリングに幕を開けた物語が、しだいにブラック・ユーモアの味わいを深めていく。いい意味でB級タッチ、お金をかけたハリウッド映画とは異なる不思議な感覚を体験できる。

 さらに舞台がアムステルダムであるから、運河や迷路のような街並みを利用した見せ場を要所に盛り込み、怒とうのクライマックスではウィリアム・ハートに派手なアクションを演じさせる。肉体派のイメージとは無縁な彼が、激走する車に死に物狂いでしがみつく姿といったら! いやはや、これぞ“達人”の成せる技であろう。

杉森直行●ライター&エディター。媒体は問わず、幅広く映画記事を執筆。仕事募集中




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