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2005.7.16(土)更新
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(1)
追悼・林由美香/急逝した“銀幕のスター”
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(1)
追悼・林由美香/急逝した“銀幕のスター”
2005年4月23日、第17回ピンク大賞授賞式で、「熟女・発情 タマしゃぶり(ユーロスペース公開時とDVD発売タイトル『たまもの』)」で、2度目の女優賞に輝いた林由美香さん。当日は、プレゼンターも務めた。
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(1)
追悼・林由美香/急逝した“銀幕のスター”
「熟女・発情 タマしゃぶり(ユーロスペース公開時とDVD発売タイトル『たまもの』)」で、第17回ピンク大賞4部門を制覇した、監督賞受賞のいまおかしんじ監督と、林由美香さん。オリジナル・ポスターの前で。
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(1)
追悼・林由美香/急逝した“銀幕のスター”
表彰式後、池袋・新文芸坐の劇場ロビーで、DVD即売サイン会でファンと握手する林由美香さん
【NIPPON EROTICS plus(R18映画最前線)】(1)
追悼・林由美香/急逝した“銀幕のスター”
「たまもの」DVDジャケット(発売元:アップリンク)。[監][脚]いまおかしんじ [出]林由美香 吉岡睦雄 華沢レモン [制作データ] 2004 [上映時間] 65分・R-18●ピンク映画界の異才、いまおかしんじ監督の最新作。プロボーラーを夢見る孤独な女性の若い男へのいちずな愛が、狂気に至るさまを追うせつないラブ・ストーリー。プロボーラーを目指し、ボーリング場で働く無口で孤独な愛子は、年下の郵便局員・良男と恋に落ちる。だが、愛子の献身的な愛情がしだいにうっとうしくなった良男は、同僚の郁美と関係をもってしまう。
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追悼・林由美香/急逝した“銀幕のスター”
「由美香」ビデオ・ジャケット(発売元:V&Rプランニング)。[監][撮][編]平野勝之 [出]林由美香 ひらのハニー 由美香ママ [制作データ]1997 [上映時間] 135分・R-18●平野勝之監督が林由美香と不倫の末に、自転車で本州・東京から北海道・礼文まで41日間、1,052kmを旅した長編ドキュメンタリー。97年、AV作品「わくわく不倫旅行」として発売された後、同年好評のため劇場公開された。撮影過程を描いた二人の共著『自転車不倫野宿ツアー「由美香」撮影日記』(太田出版)も97年発売。[c]V&R Planning Co.ltd.ビデオのみ。
【林由美香プロフィール】
1970年東京都生まれ。1988年にAVデビュー、美少女女優として人気を博し、89年「貝如花 獲物」(笠井雅裕監督)で映画初出演。93年より本格的に映画出演をスタートし、「ペッティング・レズ 性感帯」(サトウトシキ監督)、「痴漢電車 いやらしい行為」(佐藤寿保監督)などで同年のピンク大賞女優賞を受賞。97年、平野勝之監督「由美香」が話題を集め、99年に製作され準主役で出演したNHKハイビジョンドラマ「日曜日は終わらない」(高橋陽一郎監督)はカンヌ映画祭に出品された。 04年に出演した「熟女・発情 タマしゃぶり」(一般公開・DVDタイトル「たまもの」 いまおかしんじ監督)での演技が高く評価され、同年のピンク大賞で2度目の女優賞を受賞。過去に比のない圧倒的な得票数であった。(写真は05年4月23日 ピンク大賞表彰式にて)約200本に及ぶ映画のほか、多数のAV、OVの出演作がある。
>> 林由美香さん 映画出演作リスト
>> 林由美香さん 追悼上映情報(1)
>> 林由美香さん 追悼上映情報(2)
>> 【MovieWalkerレポート】
林由美香さんが主演女優賞を受賞した
2004年度ピンク大賞授賞式レポート
>> 直井卓俊(SPOTTED PRODUCTIONS)ブログ
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ジャンルもキャラクターも変幻自在。
進化し続けた天才女優・林由美香の軌跡。


 新聞などの見出しではやはりトップアイドルとして一世を風靡した「AV女優」という肩書きで紹介されることがほとんどの林由美香だが、ピンク映画に親しんで来たファンにとっては「映画女優」という印象も非常に強いものがある。それもそのはず、オーピー映画(旧・大蔵映画)、国映、新東宝、エクセスという現存する4つの製作会社全てに出演、組んだ監督も大多数。総本数は190本近くにも上る。つまり、3本立てを観に行けば、1本は必ず出演作に出会うことができる、最後の「銀幕のスター」であったのである。その功績は計り知れないもので、この他にも、AVから一般公開まで果たした平野勝之との自転車不倫ドキュメンタリー「由美香」(1997/平野勝之)、ピンク映画として製作ながら、海外の映画祭を経て一般公開された近年の代表作「たまもの」(2004/いまおかしんじ/国映=新東宝)。そして、NHK大阪製作の「日曜日は終わらない」(1999/高橋陽一郎)ではカンヌ映画祭にも行っている。そして、感嘆するのは、そのフットワークの軽さだけでなく、たった1シーンの出演でも強い印象を残す、天性の資質と高いプロ意識を持った女優であったということにある。いわゆる傑出した主演作というのは少ないものの、15年以上にもわたり、映画のあちらこちらに現れては映画を支え、次々入れ替わる主演の新人よりもむしろ観る側の心に留まる、稀な存在であった。

 初期の代表作は、国映・新東宝系のピンク四天王の作品であろうか。「痴漢電車 いやらしい行為(誕生日)」(1994/佐藤寿保(幡寿一名義)/国映=新東宝)での海辺にテントで一人暮らしをする少女や、「ペッティング・レズ 性感帯(ナオミ)」(1993/サトウトシキ/国映=新東宝)でのファム・ファタールな役柄における存在感はただならぬものがある。また、荒木太郎監督のピンク版「男はつらいよシリーズ」こと「キャラバン野郎シリーズ」(オーピー)では毎回、花枝という母性溢れるマドンナ役で幾度も登場。かと思えば吉行由実監督の作品では乙女チックな吉行ワールドの住人としてガーリーな印象を見せ、更にはコメディエンヌとしての才能も発揮。渡辺元嗣監督の一連のコメディでは唇をとんがらせて「教えて」を「おせーて。」と発音しても許される役や、そのものズバリ「天使」役まで「コケティッシュ」という言葉を絵に描いたような名演を多数残している。その他、ピンク版「恋しくて」こと「スチュワーデス 腰振り逆噴射」(2000/加藤義一/オーピー)での片思いの整備工役やピンク版少林サッカー「痴漢電車 快感!桃尻タッチ」における痴漢道の達人役(2001/加藤義一/オーピー)なども忘れがたい。

 2004年は久々の主演作「熟女・発情 タマしゃぶり」(いまおかしんじ/国映=新東宝)が「たまもの」と題名を変え一般公開され、異例のヒットを記録。見事、12年ぶりのピンク大賞・女優賞も受賞し、「たまもの」もベスト1作品に選ばれた。更にこの他にも「濃厚不倫 とられた女」(女池充/国映=新東宝)で子持ちの主婦役を好演、更には「義母の寝室 淫熟のよろめき」(加藤義一/オーピー)での処女のクリスチャン役までくるくると姿を変えて銀幕に登場し、まさに集大成と呼べる年となったが、これは1つの通過点に過ぎないはずであった。

 そして迎えた2005年。急逝により、まさかの遺作となってしまった吉行由実監督作品「ミス・ピーチ 巨乳は桃の甘み」(オーピー映画)が、9月23日より上野オークラにて公開される(その前にプレミア上映などの企画も準備中とのこと)。ライトコメディタッチの本作には、等身大の林由美香がいる。長年の親友でもある吉行由実監督の元、水を得た魚のように生き生きとした姿で泣いたり笑ったりする姿を堪能できる素晴らしい映画だ。しかし、ハッピーエンドを迎えるラストでみんなに祝福されて送り出される姿が、まさかこんな形で現実と重なってしまうなんて、未だに信じがたい。

 ピンク映画にとって、その存在の喪失は、とてつもなく大きいものである。しかし、ピンク映画館に行けば、190パターンちかい林由美香が今も躍動して いる。くるくると表情を変える、天使のような彼女を確認する事は、これからもずっと可能なのである。

 自分は、素晴らしい女優であることを生前から分かっていながら、非力さゆえ、今までにその一部しか伝えることができなかった。こうなってしまった以 上、改めて声を大にして言おう。本作を始め、1本でも多く彼女の残した出演作品を観てほしい。悲しんでいるだけではなく、「女優・林由美香」を映画館で体験してほしい。亡くなってしまったから、ではなく、ただ単純に素晴らしい女優だったことを再認識できるはずだから。

 今はただひたすらに、そのことを願って止まない。

(文/直井卓俊(SPOTTED PRODUCTIONS))



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