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2006.3.24(金)更新
【東京シネマのぞき見隊】(76)
新作の舞台は“立ち食いソバ屋”!?
4月8日(土)公開「立喰師列伝」の押井守監督に突撃インタビュー!
【東京シネマのぞき見隊】(76)
新作の舞台は“立ち食いソバ屋”!?
4月8日(土)公開「立喰師列伝」の押井守監督に突撃インタビュー!
インタビューした場所は「立喰師列伝」のアニメーションを製作した、プロダクションI.Gの会議室。押井監督にとって、映画「イノセンス」('04/監督)や、テレビアニメ「BLOOD+」('05/企画協力)など幾多の仕事を共にしてきた間柄ということもあり、どことなくリラックスした雰囲気の中で行なわれた
【東京シネマのぞき見隊】(76)
新作の舞台は“立ち食いソバ屋”!?
4月8日(土)公開「立喰師列伝」の押井守監督に突撃インタビュー!
この作品は“スーパーライヴメーション”という方法で作られたアニメーション作品。登場人物の写真を3万枚以上も撮影し、コンピュータ処理した画像を組み合わせて作られている。スクリーンの中で、実写の人物がパタパタアニメの要領で動く姿は斬新で面白い!
【東京シネマのぞき見隊】(76)
新作の舞台は“立ち食いソバ屋”!?
4月8日(土)公開「立喰師列伝」の押井守監督に突撃インタビュー!
写真は季節限定の立喰師“冷やしタヌキの政”。実はこの人物、(株)スタジオジブリの代表取締役社長を務める鈴木敏夫その人なのだ。あのジブリを束ねているだけあって(?)、現場では役者顔負けの体当たりな写真撮影をやってのけた。社長の“あんな姿”が観られるのは、多分この映画だけだろう
【東京シネマのぞき見隊】(76)
新作の舞台は“立ち食いソバ屋”!?
4月8日(土)公開「立喰師列伝」の押井守監督に突撃インタビュー!
「立喰師列伝」の真の主役といっても過言ではない、人気声優の山寺宏一。当初、約100分のアフレコ(出来上がった映像に声を入れる作業)を1日で済ます予定だったが、彼の妥協を許さぬプロ根性に火が付き、結局は監督を含むスタッフ全員が3日間のカンヅメ状態になったという。全ての収録が終わった瞬間、押井監督と抱き合って喜んだというエピソードも伝わっている
【東京シネマのぞき見隊】(76)
新作の舞台は“立ち食いソバ屋”!?
4月8日(土)公開「立喰師列伝」の押井守監督に突撃インタビュー!
「立喰師列伝」(配給:東北新社=プロダクション・アイジー)
月見そば、ケツネ(キツネ)コロッケそば、冷やしタヌキ、フランクフルト、カレーライス、牛丼、ハンバーガー…。立って食べるもの(こと)に命を賭ける空想のイカサマ師たちが、現実の昭和史と融合する奇想天外アニメーション。4月8日(土)より、シネクイントほかで公開スタート
【押井守プロフィール】
1951年、東京都出身。'76年、東京学芸大学教育学部美術教育学科の 在学中、自主映画を制作。'77年にタツノコプロダクションに入社し、'84年の退社後はフリーとして様々な作品の監督を務める。最近はアニメ「イノセンス」('04)や、愛知万博の空間演出パビリオン「めざめの方舟」('05)などの作品で話題をさらっている。趣味(主食?)は立喰いもの全般。自分が手掛ける作品に、必ずといっていいほど犬を登場させる無類の犬好きだが、犬が出演する映画を観たことはないとのこと。「戌年だからといって、イヌ映画を作る予定はないよ」(by押井守)


>> 公式サイト
>> 「押井守」公式サイト
>> 「プロダクションI.G」公式サイト
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監督の依頼に
人気声優、山寺宏一の顔が青ざめた


 カンヌ映画祭コンペ部門にノミネートされたアニメ「イノセンス」('04)や、2005年に開催した愛知万博の空間演出パビリオン「めざめの方舟」などを世に送り出している押井守。彼の作品によく登場する代表的なキーワードが3つある。それは戦争と犬、そして立喰師(たちぐいし)だ。
 その中でも特に異彩を放っている立喰師とは、立ち喰いの飲食店にふらっと現れ、所望の品を食し、うまい事を言って金を払わず立ち去る者のこと。押井監督は新作「立喰師列伝」を思いついたきっかけを次のように語ってくれた。
「立喰師という卓越した“一芸”を駆使して、食べることに命を賭けるイカサマ師の話を20年前に考えついた。映画化したいなって思ったんだけど、誰もまともに受け止めてくれなくてね。『意味がわからない』とか言われちゃって…(苦笑)」
 そこで監督は、「ヤッターマン」や「うる星やつら」といったアニメ作品に彼らを登場させ、ファンの側から少しずつ存在を認知させた。さらに映画と同名の原作本を書き上げ、ついに映画化にこぎつけたという。

 ちなみに、本作に有名な俳優は参加していない。イラストレーターの寺田克也やスタジオジブリの代表取締役社長を務める鈴木敏夫など、演技とは無縁の人たちが立喰師に扮しているのだ。
「作中で彼らは、ほとんど演技をしていないです。それは僕が、出演者本人のイメージをふくらませて立喰師に置き換えただけだから。で、作品の完成には各キャラクターに命を吹き込む人間が必要だったんだ」
 その重要な役割を果たしたのが、人気声優の山寺宏一だ。監督の代表作「攻殻機動隊」シリーズでは、トグサというキャラクターの声を担当。アニメだけでなく、映画の日本語吹替作品にも多数出演しているベテランだ。その山寺が今回、押井監督の依頼内容を聞いて青ざめたらしい。
「彼にね、9役を演じ分けてもらったんです。ナレーションを数パターン。それと、登場人物を何人か。僕の中で、この依頼をできるのは“七色の声”を持つ山寺くん以外に思いつかなかったんだ。内容を聞いて、さすがの彼も悩んだらしい。『断ろうかなぁ…』とか考えたんじゃない? 逃すつもりはなかったけどね(笑)」
 しかし山寺は依頼を受けた。全編を通して約100分間の役回りを、ひたすら喋り続けることで監督の期待に応えたのだ。彼の存在なくして、映画の完成は無かったといっても過言ではない。
立喰師は
昭和史のウラ側を伝えるメッセンジャー


 押井監督は昭和26年、東京に生まれた。監督が子供時代をすごしたのは、日本が敗戦を乗り越え復興に向けて前進していた頃。新聞などには残らない昭和史のウラ側を、作品を通して伝えたかったと語る監督は、東京オリンピックを例に次のような話をしてくれた。
「オリンピックを東京で開催すると決まったときに、野良犬が一掃され、ドブには蓋が付けられた。自分が見慣れていた、路肩で食事をする人なんか問題外って感じで、街全体が洗い直されたんだ」
 国が洗い流したものを戦後の“匂い”だとも語っていた。日本が幾つメダルを獲得したかということより、そのウラで起こった庶民的な“事件”の方が深く印象に残ったのだそうだ。監督にとって立喰師とは、自分の記憶に残る昭和の姿を他人に伝えてくれるメッセンジャーなのかもしれない。

取材・文/武田将之(ワークス・エム・ブロス)

(C)2006 押井守・Production I.G/
立喰師列伝製作委員会



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