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| 「地下鉄サリン事件の時も、騒ぎをベランダから見ていた」と語るマイケル・アリアス監督。「空にヘリが飛んでいて、SFの世界じゃないけど、それは不思議な光景で、印象に残っています。あとは、好きだった場所がどんどん地上げされて高層ビルが建設されていくのも心に残ってる。そういう実体験が本作にも随分反映されていますね」 |
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| 義理と人情とヤクザの町“宝町”をかっ歩する少年、クロとシロ。ふたりはネコと呼ばれ近隣でも有名な不良少年。そんな中、地上げ屋と不気味な殺し屋がやって来て、宝町にも再開発の波が訪れる |
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| クロの愛を一心に受け、クロと行動をともにする少年シロ。ピュアで無邪気な性格で周囲からも愛されるが、時折、意味深な発言も。声を担当するのは女優・蒼井優。シロのピュアさと危うさを見事に表現している |
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| 少し懐かしい気分にさせられる本作の舞台・宝町。日本だけでなく、香港やベトナムなどアジア色を絶妙に配した作りとなっている |
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| 若干19歳で映画界入り、ジェームズ・キャメロン監督作「アビス」の特撮スタッフとして活躍。以後、CG畑を中心に数々の作品に参加。「アニマトリックス」ではウォシャウスキー兄弟のご指名を受けてプロデューサーを務めたマイケル・アリアス監督 |
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監督:マイケル・アリアス 原作:松本大洋 音楽:Plaid 歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION 声:二宮和也 蒼井優 伊勢谷友介 宮藤官九郎 大森南朋 岡田義徳 森三中 田中泯 本木雅弘(2006アスミック・エース)111分
■12月23日(祝)より、新宿ミラノほか全国ロードショー

>> 公式サイト |
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二宮和也、 蒼井優、 伊勢谷友介ら 声優陣も超豪華な話題作がついに完成!

発行部数100万部を超える松本大洋の傑作コミック「鉄コン筋クリート」が、劇場版アニメーションとしてついに完成! 監督を務めたのは、ハリウッドのVFXの第一人者でもあるマイケル・アリアス。原作の大ファンでもあった彼が、構想10年を費やしたという本作。その長い道のりと、映画に込めた思いをたっぷりと語ってもらった。 |
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「『クロとシロの気持ちに共感して どんどん感情移入していきました」

原作との出会いは95年。日本の友達の家で居候生活を送っていた彼は、その友達から「鉄コン筋クリート」を薦めらたのだそう。
「当時、友達の家のベランダから1日中、町を俯瞰する生活を送っていたこともあって、クロとシロの抱えている悩みや、周囲から受ける圧迫感みたいなものが、痛いほど伝わってきました。だから読めば読むほど泣けて。ちょうど『このままでいいのかな?』と焦りも感じていた時だから、どんどん感情移入して何度も読み返していましたね」
漠然としながらも「この作品が映画になったら面白いな」と考えていた彼は、クロとシロのデモ映像を作り、自身が開発していたソフトウェアーの実験台として使っていた。結果的に、それが原作者である松本大洋の目に留まり、親交が始まったという。
「共通の知人をまじえながら、横浜の中華街で食事をして、その後、健康ランドでいきなり裸のつきあいをしました(笑)。みんながダウンしていく中、僕と大洋くんだけ残って、ふたりでゲーム・センターみたいな所でレーシング・ゲームをしました。育った環境は全然違うけど、違和感なく会話ができて、そこから彼との親交は始まりました」 |
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この話だけを聞けば、とんとん拍子に話が進んだようにも見える、だが、ここからが長かった。森本晃司監督と3DCGでパイロット版を作るも公開には至らず。「もう無理だ」と思ったことも一度や二度ではないだろう。だが「アニマトリックス」(2002)で組んだSTUDIO 4℃のプロデューサー田中栄子との出会いが彼の転機となる。「マイクが監督すればいい!」彼女は彼にそう言ったのだ。
「大友克洋監督とか森本監督の仕事を間近でみてきているので、監督だけはやりたくないなあと思っていて(笑)。でも今考えると、監督がいちばんその作品に情熱を持っていないとダメなんです。だから、やって正解でした。最初は、総作画監督の西見祥示郎さんと美術監督の木村真二さんに来ていただいて、基本的な設定を固めて、そのうち、作画監督の浦谷千恵さんら心強いスタッフが続々と加わってくれたんです。狭い部屋で『ねぇねぇこれ面白くない?』と言葉のキャッチ・ボールをしながら、みんなで物語全体の世界観を創っていきました。この時間が一番楽しかったな」 |
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「我が子が愛しいのと同じ感覚 まだ冷静には観られない!」

最先端の3DCG技術と手書きアニメーションを見事に融合させ、魅せる映像を創りだしたマイケル・アリアス監督。彼がこの作品でいちばんこだわったのは何だったのだろうか?
「宝町ですね。最初は宝町そのものを主役に考えていて、そこに生きる登場人物の群像劇にしようと思っていたぐらいだから。結果的には、クロとシロを主軸に置いた物語にしたんだけど、映画ならではの体験って絶対あると思うんから、町に立体感を与えて、臨場感を楽しめるようにしました。アニメーションなんだけど、リアルな世界に見せたくて、空から町全体を俯瞰したショットを入れてます。チェイス・シーンにしても、リアルにここからここまで走って何分かかるとか、市場を通りたいけど、遠回りになるから無理だとか、屋根づたいに行って、近道になるからここを通ろうみたいな(笑)。そこまでしなくてもいいんだけど、地図を手にみているような感覚になったら、いろいろ行動に理屈が出てきて面白かったな」
その宝町を縦横無尽に駆け回るシロとクロをはじめ、登場人物たちに息吹を吹き込んでいるのは、二宮和也、蒼井優、宮藤官九郎、本木雅弘といった豪華ボイス・キャストの面々。その演出方法を聞いてみた?
「実際に町に居てもおかしくないキャラクターにしたかったので、地声で演技をするような感覚のほうがしっくりくるんじゃないかと思って、俳優の方々にお願いしました。蒼井優ちゃんを始めアフレコ初体験な方も多かったのですが、実は野放し(笑)。いろいろ冒険していく中でキャラクターの本当の声に出会ってもらえればいいなと思っていましたので、あまり注文はつけませんでした。最初は『大丈夫かな?』と心配した人もいましたが、みなさん勘がいい。一度キャラクター声を見つけてハマりだすと、一気にパワフルになる。通常なら1週間ぐらいでアフレコするのですが、今回は1ヶ月かけたのも良かった」
時にユーモアを交え、笑顔で話してくれたマイケル・アリアス監督。日本に、もう15年近く在住しているだけに、日本語も本当にペラペラ。「我が子が愛しいのと同じで、まだ冷静には観られない」と明かす彼が創りあげたのは、愛すべきシロとクロの物語。ぜひ劇場でご堪能あれ! |
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(取材・文/ライター 大西愛) |
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