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2008.10.3(金)更新
【合同インタビュー】
余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?
衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
人気コミックを映画化した「イキガミ」をPRする主演の松田翔太(写真左)と、成海璃子(写真右)。撮影時に、松田が成海をギャグで笑わせる局面もあったのだとか
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
国家繁栄のため、政府が発行する“逝紙(イキガミ)”と呼ばれる死亡予告証を配達する国家公務員・藤本役を演じた松田翔太。なかなか感情を表に出さない難しい役どころを微妙なさじ加減で演じている
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
兄と妹のエピソードで、兄(山田孝之)に“逝紙”が届いてしまう目の不自由な妹さくら役を演じた成海璃子
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
「ひとつひとつのディテールを大切にすることでリアルさを出した」と語った瀧本智行監督(写真左)
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
国家繁栄維持法の施行により、1000人に1人の確率で選ばれた若者に、あと24時間の死の宣告を下す死亡予告証“イキガミ”が渡される社会。公務員の藤本は、ミュージシャン志望の田辺、盲目の妹を支える飯塚らにイキガミを届けていく
■「イキガミ」は9月27日(土)よりアミューズCQN、新宿オデヲン、池袋シネマロサほか全国公開
[c]2008 間瀬元朗/映画「イキガミ」製作委員会
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
成海が「感動した」と語ったコマツナのシーン。メジャーデビューを夢見るストリートミュージシャンに扮した金井勇太と塚本高史の熱演ぶりにも注目したい
【合同インタビュー】余命24時間! 逃れられない死を前にどう生きるのか?衝撃作「イキガミ」裏話を松田翔太&成海璃子が語る
瀧本監督が「最後は兄妹の物語にしたかった」と語る、さとし(山田孝之)とさくら(成海璃子)のエピソード。“逝紙”が届いたさとしは目の見えない妹のためにある決断をする
【松田翔太 プロフィール】
まつだしょうた 1985年、東京都生まれ。2005年テレビ・ドラマ「不良少年の夢」で俳優デビューを果たす。以後、大金持ちの御曹司・西門役で人気を獲得した「花より男子」(2005)、「トップキャスター」「レガッタ」(2006)と話題のテレビ・ドラマに出演。「陽気なギャングが地球を回す」(2006)で映画デビューを飾る。主な映画の出演作に「長い散歩」(2006)、「ワルボロ」(2007)、「花より男子ファイナル」(上映中)がある

【成海璃子 プロフィール】
なるみりこ 1992年、神奈川県生まれ。5歳の頃から子役として活動を開始、「TRICK」シリーズなどに出演し、「トリック 劇場版」(2002)で映画デビューを飾る。以後、テレビ・ドラマ、映画等で活躍。2005年のテレビ・ドラマ「瑠璃の島」では主人公を好演し注目を集める。その後も順調にキャリアを重ね、2007年には「神童」「あしたの私のつくり方」「きみにしか聞こえない」と主演作が立て続けに公開。待機作に「罪とか罰とか」「山形スクリーム」(ともに2009年公開予定)がある

【STAFF&CAST】
監督・脚本:瀧本智行 原作:間瀬元朗 脚本:八津弘幸 佐々木章光 出演:松田翔太 塚本高史 成海璃子 山田孝之 柄本明 劇団ひとり 笹野高史 塩見三省 風吹ジュン(2008東宝)133分
>> 公式サイト
>> 「イキガミ」動画・完成披露記者会見
>> 「イキガミ」上映スケジュール
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「ニュースやバラエティ番組に疑いを持つ生活が
撮影中は続きました」(松田翔太)


 国家繁栄の名の元に政府が発行する“逝紙(イキガミ)”と呼ばれる死亡予告証を受け取った若者たちを巡るドラマが展開する「イキガミ」。間瀬元朗の人気コミックを瀧本智行監督が映画化した本作で、“逝紙”を配達する国家公務員・藤本役を演じた松田翔太と、兄(山田孝之)に“逝紙”が届いてしまう目の不自由な妹さくら役を演じた成海璃子にインタビュー。監督とともに作品の魅力、撮影裏話を語って貰った。

 国家繁栄維持法の施行により1000人に1人の確率で18歳から24歳の若者の命が奪われる不条理な世界。生命の価値を高めるために選ばれた若者は、24時間後の死を宣告される“逝紙”が届けられる。メガホンを取った瀧本智行監督が「設定は非現実的ですけど、これをリアルでなまなましいものとして撮ろうと思っていました」と振り返ると、主演の松田翔太も「リアルなものにしたいという気持ちは僕も同じだったのでしっくりくる撮影でした」と続ける。

 物語は、メジャーデビューを目前に控えたミュージシャン、田中翼(金井勇太)、国家繁栄維持法を支持する女性議員(風吹ジュン)の息子・滝沢直樹(佐野和真)、幼い頃に交通事故で両親を亡くし、その事故が原因で視力を失った妹さくらの面倒を見る飯塚さとしに、主人公である藤本が“逝紙”を配達し、その最期を見届ける形で進行してゆく。基本的に松田翔太扮する配達人は傍観者という立場。役作りはどのようにしたのだろう?
「まずは髪型や服装といったイメージ的なものから入りました。いちばん難しかったのが、藤本が抱えている不安や疑問といった内面的なもの。思ったままの感情を表に出すと、劇団ひとりさんが演じたキャラクター(法そのものに疑問を抱く配達人)になってしまいますし。抑圧された葛藤をどう表現するかで悩みました。でも、国家繁栄維持法に対して藤本が感じているジレンマやストレスは、僕自身、日頃暮らしている中で共感できる部分でもあるんです。そこは、自分の生活と重ね合わせながら演じていきました。
 藤本が感じている市場価値と個人価値のバランスみたいなものを気にしながら生活してみると、何気なく流れるニュースやバラエティ番組からも、いろんな事を感じるんです。例えば、ご飯を食べて『美味しい!』と言っているけど、本当は美味しくないんじゃないかと疑ってみたり。撮影中は、そういう摩擦を感じるように気持ちを作っていってました」

 撮影中は、藤本が抱える“命”に対する葛藤を、普段からずっと考えていたこともあり、プライベートでもあまりパーッとする気分にはなれなかったのだとか。
「点字版を家に持ち帰りひたすら練習して
いました」(成海璃子)


 一方、兄のさとしに“逝紙”が届くという体験をするのが成海璃子演じるさくら。幼い頃、事故により両親と視力を失ったという難しい役どころを、持ち前の感性で演じきっている。撮影前には、役作りのため盲学校に通ったそう。
「実際に、授業を受けさせていただいたんですけど、本当は見えてるんじゃないかと思うぐらい、自然にしていらっしゃるんです。劇中では授業を受けるシーンもあるので、点字にも挑戦しました。とにかく打っているように見えないといけないので、点字版を家に持って帰ってカチャカチャカチャとひたすら練習していました」

 兄妹のふたりきりでずっと生きてきたという設定。実は成海も、さとし役の山田孝之も相当な人見知りで有名。それは、成海が「地方ロケ(病院のシーン)まで一言も喋れませんでした」と告白するほど。だが、さすが実力派俳優のふたり。スクリーンではそんなことを感じさせない。
「お兄ちゃんとふたりきりで生きてきた時間を数日間で“キュッ”と凝縮して表現するのは難しかったけど、(1シーン1シーン)思ったままの感情が出せたし、嘘のないお芝居ができたんじゃないかな」

 ちなみに撮影合間には、そんな成海に松田翔太がギャグを披露したという裏話も。そのエピソードに笑顔で応えた成海が「今回、松田さんとは視線すら合わさない役だったので、もっと一緒にお芝居がしたい」とラブコールを送った。
「死に際に自分の人生を振り返った時に
俺の人生良かったと思えるような生き方が
したい」(松田翔太)


 映画のタイトルでもある“イキガミ”が、もし自分に届いたら……、自分ならどうするだろうと考えてしまう本作。「愛のある場所で命を全うしたい」という松田が、こんなことを語ってくれた。
「“生きる”ことがどうとかではなく、自分の人生を死に際に振り返った時に『俺の人生良かったなぁ』と思えるような生き方がしたい。リラックスしたり休憩することは大事かもしれないけど、僕はそれが生きることとは思えないから、とにかく突っ走ったような人生にしたい。例えば1週間あったとして、週末のために平日を過ごすのではなく、いかに平日を充実した楽しい時間にするか。最近、そんな風に思うようになりました」

 同じ問いに成海は「死ぬことを忘れられる場所で何かに夢中になってたい」と、監督は「中島みゆきの『時代』をかけて、今までを振り返りながら、自分が監督した映画のDVDを観たい」とのこと。

 最後に映画の魅力をそれぞれに語ってもらった。
松田「3つのストーリーがバランスよく描かれている完成された映画だと思う。この映画に出演できて本当に嬉しいし、幅広い世代の人に楽しんで貰えると思う」
成海「コマツナ(ミュージシャン)のシーンは本当に感動したし、役所のシーンはすごく異様な感じでリアルな怖さを感じました。ぜひ観て下さい」

 衝撃的な設定と世界観でありながらも、命の尊さと“生きる”大切さを改めて実感させてくれる「イキガミ」。瀧本智行監督の手により冒頭からクライマックスのような展開でド肝を抜く社会派エンターテインメントに仕上がっている。ぜひスクリーンで堪能して!

(取材・文/ライター 大西愛)
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