寝台特急「北斗星」の隣で薬膳中華が味わえる!? 「北斗軒」、その由来とは?

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北斗市の「茂辺地北斗星広場」で展示されている、寝台特別急行列車「北斗星」の客車2両


北斗星とは、かつて「札幌~上野間」を行き来した寝台特別急行列車です。この手の寝台列車はその鮮やかな色彩も手伝って、“ブルートレイン”という愛称で親しまれてきました。長年の務めを終えたその青い客車の2両が、現在、函館市の隣町・北斗市の「茂辺地北斗星広場」でひっそりと眠っていることは、鉄道ファンならば誰もが知っているでしょう。

北斗星が展示されている「北斗星広場」


けれど、静かなはずのその「北斗星広場」が、にわかに騒がしくなりつつあることはさほど知られていないかもしれません。この地で、ただならぬ空気をもたらすきっかけになったのが、2017年の6月下旬、北斗星の車両のすぐ隣にオープンした中国料理店で、その名は、なんと「北斗軒」。コンテナを改造したわずか9席の小さなお店ですが、“薬膳中華”を看板に掲げるツワモノの料理人が腕を振るう店です。北斗星の雄姿を見に来たついでに立ち寄ったところ、あまりにも本格的な味わいに「ちょっとビックリ!」なんて驚く人も少なくないようです。

「北斗星」のすぐ隣にある「薬膳中華 北斗軒」


「北斗軒」という店名を聞くと、「北斗星が由来かな」と思われる人もいるでしょうが、違います。実は店を任されている木村広司さんは、あの人気漫画「北斗の拳」の熱烈なファン。「北斗の拳」好きが高じて、以前、札幌市内で薬膳中華の店を営んでいた時には漫画に登場する「奇跡の村」という名をそのまま店名に拝借したほど。そして、今回は“北斗”という名に導かれて、はるばる札幌から北斗市茂辺地へやって来たとのことです。“北斗”への愛深きゆえに人生の進路を決断するなど、その姿勢はまさにファンを越えて、マニアの領域です。

料理人としての姿勢は探究心が旺盛で、薬膳料理の道を究めようとしています。薬膳のスタイルを採用していることもあって、調理には化学調味料の類いは一切使用していません。電子レンジで温めるだけというようなお手軽なものなども一切なし。すべての料理が手作りです。そのため開店の4時間も前から厨房に立ち、せっせと仕込み作業に精を出しています。

実は料理のレパートリーは数々あるのですが、今のところ、店の事情もあってご飯ものや麺類、丼などに品数を絞っています。そういった意味では薬膳中華の奥義を充分に尽くしたとはいえませんが、それでも丁寧な仕事で生み出される料理の数々は、どれもこれも唸らせるものばかりです。

「薬膳中華 北斗軒」/北寄炒飯


この地ならではのメニューということで始めたのが「北寄炒飯」(800円)と「茂辺地(もへじ)ラーメン」(700円)です。「北寄炒飯」は仕上げに上からホッキを散りばめ、さらにアクセントとして北斗市商工会青年部が開発した「北寄だし醤油」を使用しています。「茂辺地ラーメン」は、地元・茂辺地のご当地ラーメンとして人気を博したお店「はかまだラーメン」の味を踏襲したメニューですが、味は薬膳中華の流れを踏まえて、塩と醤油の2種類のみです。

「薬膳中華 北斗軒」/ジャンギ


職人気質が料理に表れている一方、メニュー名には、ところどころ遊び心が表れています。例えば、「ジャンギ」(500円)の正体はタレザンギのことですが、「北斗の拳」のテイストを効かせると“ジャンギ”となるわけです。ちなみに「ジャンギ」はテイクアウト(3個・300円)も可能です。

「薬膳中華 北斗軒」/店内の壁面にはお手製のイラストも


店内の壁面にはお手製のイラストで、料理と効能を併せて紹介しています。“ひでぶ”などメニュー名も「北斗の拳」のファンの秘孔を突くものばかりです。“星”と“拳”の違いはあるけれど、北斗の地で、北斗の道を歩んでいます。

薬膳中華 北斗軒■住所:北斗市茂辺地3-3-16 ■電話:0138・75・2030 ■時間:11:00~18:00(LO17:30) ■休み:火曜 ■席数:9席(禁煙)

【北海道ウォーカー編集部】

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