横浜DeNAベイスターズ、チーム内での愛されキャラ、齋藤俊介選手の子供時代は意外な性格だった？

現在発売中の横浜ウォーカー「とびだせ！ハマの一番星 HYPER」では、横浜DeNAベイスターズの齋藤俊介選手を特集。昨年のファンフェスティバルでは“ひょっこりはん”のコスチュームで会場を沸かせた人気者。こでは本誌では紹介できなかった少年時代のエピソードを交えて紹介します！

本当はサッカーをやりたかったのに、両親から謎のダメ出し？

――齋藤選手が野球を始めたきっかけは何だったのでしょう？

齋藤　実は小学校3年生の時にちょっと太りはじめまして(笑)。これはマズイと両親が何かスポーツをさせようとしたのがきっかけです。

――最初から野球に興味を持っていたんですか？

齋藤　最初は「野球とサッカーどっちがいい？」って言われて、両方とも体験に行ったんです。当時はJリーグが盛り上がっていて、友達もみんなサッカーをやっていたので「サッカーをやりたい」って言ったら、それはダメだって。理由はいまだに聞いたことがなくて、謎のままなんです(笑)。そんな理不尽な理由で、友達もいない野球チームに入ることになって、ルールもわからず、ずっと辞めたいって言ってました。

――ご両親は最初から野球をやらせたかったんでしょうね。自分で選ばせようとしたら、違う方へ行っちゃった(笑)。ポジションは最初からピッチャーだったんですか？

齋藤　ほかの子と比べて少し球が速かったこともあって、入団当初からピッチャーをやるように勧められていたのですが、当時の僕は引っ込み思案で目立つのが嫌いだったんです。だから「外野がやりたい」って言い張って、最初は外野をやらせてもらっていました。それから内野を少しやって、小学校5年生でピッチャーになりました。

――そのころにはもう、ピッチャーに抵抗はなくなっていたと。

齋藤　いいえ。ずっと断り続けていたのですが、断わるたびにマウンドに近いポジションに回され、もうこれ以上は断れないと諦めました(笑)。

――目立つのが嫌いだったなんて、今の齋藤選手のキャラクターからは想像できない子供時代ですね。

齋藤　たぶん大学時代に変わったんだと思います。新入生はみんなの前で一発芸を披露するのが恒例だったのですが、それがたまたまウケたんです。そこで何かが弾けたんでしょうね。それ以来、毎年新入生と一緒になって一発芸を披露していましたから。

理想は三浦コーチの現役時代。集中力を切らさずに粘り強く投げられるピッチャーになりたい

――プロ1年目の昨年は故障で登板機会がありませんでした。今シーズンは中継ぎとして活躍されていましたが、初登板は緊張しましたか？

齋藤　一軍に初昇格して喜んでいたら、その日に中継ぎで登板することになりました。だからあまり緊張する時間もなかったというのが正直なところです。一番緊張したのは初先発です。3日前に言われてから、ずっと緊張していました。エスコバーに「ずいぶん無口だな」って心配されました。

――では、印象に残っている試合は？

齋藤　9月19日の広島戦です。自分が登板した試合で初めてチームが勝ったんです。ずっとビハインドゲームで投げていて、この日も7点ビハインドで6回表に登板。三者凡退に抑えたら、その裏の攻撃で7点入って同点。延長11回にサヨナラ勝ちしました。

――チームの勝利に貢献できたことがうれしかったと。

齋藤　打順が回らなければもう1イニングあったかなとか、あと1～2点入っていたら勝ち投手もあったかなとか、欲を言えばキリがないんですけど(笑)、チームが勝つというのはこんなにもうれしいことなんだって、つくづく思いました。

――ご自身で、どのようなタイプのピッチャーだと思っていますか？

藤　普段からゼロか100というタイプです。練習する時も常に一番を目指して取り組む。マウンドに上がっても、臆せず100％の力を出して、腕を振るように心がけています。だから自分のアピールポイントは投げっぷりのよさだと思っています。でもそのぶん、オフの時はとことん何もしないんですけどね。部屋でずっと本を読んでいます。

――これからの目標、理想とする選手像があれば教えてください。

齋藤　集中力を切らさずに粘り強く投げられるピッチャーが目標です。理想像は三浦(大輔)コーチ。僕はタイプ的には力投型だと思われていますが、そこまでボールが速いわけじゃありません。しっかりコントロールして粘り強く投げるのが理想だと思っています。三浦コーチも現役時代は粘り強くボールをコントロールして試合を作られていた。そんなすごい方がそばにいるのだから、どんどん吸収していきたいと思います。

19年シーズンは主に中継ぎとして16試合に登板した齋藤選手だが、入団1年目の18年シーズンは、右肩の故障で一軍、ファームとも一度も登板機会がなかった。リハビリに費やした1年。苦労を経験しながらも前向きに努力を続け、腐ることなくチームの雰囲気を明るくしてきた。その姿勢が、彼がチームメイトから愛される理由だ。ラミレス監督はそんな齋藤選手の性格と投球スタイルに「ロングリリーフの適性がある」と感じている様子。来季は、また違った姿が見られそうだ。

【取材・文/小貫正貴、撮影/福岡諒祠】

齋藤俊介［投手］24　SHUNSUKE SAITO

1994年千葉県生まれ。成田高から立教大、JX-ENEOSを経て2017年ドラフト4位で入団。1年目は肘と肩を故障しリハビリに専念。今年7/5の巨人戦でプロ初登板。1イニングを2奪三振で三者凡退の無失点デビュー

編集部