「朽ちたもの」「怖いもの」などのイメージを連想させる“廃墟”。しかし近年、そんな廃墟の「美しさ」の虜となる人が急増中!Instagramには約43万件もの「#廃墟」投稿がアップされており、ORGANIZE(@organize_urbex)さんも「#廃墟」を多数投稿する“廃墟ラバー”の1人だ。今回は今注目の“廃墟写真の世界”に触れるべく、ORGANIZEさんにインタビュー。ハマったきっかけや廃墟の魅力、写真へのこだわりなどを教えてもらった。
廃墟の「魅力」、虜となった「きっかけ」など
写真展に参加したり、書籍や海外の雑誌に掲載されたり、廃墟にまつわる活動に精力的なORGANIZEさん。最近では写真提供して“民放デビュー”を果たすなど、ますますその幅を広げている。
ーーズバリ、廃墟の魅力をひとことで言うと?
【ORGANIZE】「非日常」ですかね…。ストレス社会を生き抜くため、廃虚写真を通じて「非日常を感じて自我を保つ」と称した現実逃避をしています。ギャンブルのように中毒性が高く、今では重度の「廃墟依存病」になってしまいました(笑)。
ーーそこまでハマった廃墟に興味を持ったきっかけは?
【ORGANIZE】ネットで見た廃墟写真に興味を持ったのがきっかけです。自分も撮ってみたいと思い、近くの廃墟を検索して翌日には行ってました。
ーー作品に影響を与えた出来事はありますか?
【ORGANIZE】写真展で廃墟写真を撮る仲間と出会い、一緒に廃墟へ行くようになったことですかね。
ーー今後の展望について教えてください
【ORGANIZE】今後も廃墟の撮影にも行きますが「SYSTEM WATCHER」という友人の手掛けるアパレルブランドが始動したので、イメージ写真等に尽力したいと思っています。コンセプトも廃墟にピッタリなので楽しみです。
廃墟写真への「こだわり」
廃墟写真に興味があっても「そもそもどこにあるの」「撮るのが難しそう」など、実際に撮りに行くにはなかなかハードルが高い。そこで、廃墟写真を撮るにあたってORGANIZEさんが重視しているポイントについて聞いてみた。
ーーどのように撮影場所を選んでいますか?
【ORGANIZE】基本はネットとSNSで探していますが、最近はまだ見ぬ廃墟を求めて、Googleマップでダーツの旅的なことをしています。
ーー廃墟写真を撮るときに気を付けていることは?
【ORGANIZE】私の写真はHDR合成(明るさの違う3枚以上の写真を合成して、暗い所から明るいところまで綺麗に表現する手法)を主としています。ヒトの目は屋内外問わず、明るい所と暗い所の両方に露出を合わせ、今見ている映像(動画)を瞬時に脳へ転送し、イメージすることができます。転送されたデータを基に、脳で補正された映像(動画)をキャプチャしたかのように、鮮度ある画像を演出することで、自分の見てきた映像(動画)を「写真と動画の間の鮮度」で届けることを心がけています。あとはやはり、構図がピタっとイメージに合った時や、レタッチがビターっと決まった写真はお気に入りです。
ORGANIZEさんの作品も展示!「変わる廃墟展2020」開催
「変わる廃墟展 2020 in 名古屋」が2020年6月27日(土)から7月19日(日)まで「TODAYS GALLERY STUDIO. NAGOYA」(名古屋市中区)で開催。同展の見どころについて、ORGANIZEさんは「出展者でもある友人と写真撮りに行くので、違うアーティストで同じスポットの作品もあるのですが、切り取り方や表現の仕方に違いがあって、そんなところを楽しんで頂けると思います」と語る。それぞれのアーティストが切り取る廃墟の「美しさ」をぜひ体感してみて欲しい。
■変わる廃墟展 2020 in 名古屋 / 期間:2020年6月27日(土)~7月19日(日) / 会場:TODAYS GALLERY STUDIO. NAGOYA / 住所:愛知県名古屋市中区新栄1-17-12 / 電話:03-5809-3917 / 時間:11:00~18:00 / 休み:月曜、火曜