【志尊 淳インタビュー:1】 吉川晃司との名バディ誕生! 横溝正史、もう1人の名探偵シリーズ

東京ウォーカー(全国版)

昭和を代表するミステリー作家・横溝正史は、「犬神家の一族」「八つ墓村」など、名探偵・金田一耕助シリーズで有名な文豪だ。横溝が、その金田一よりも前に生み出していた伝説の名探偵・由利麟太郎が初めて連続ドラマになる。

冷静沈着な白髪の紳士・由利麟太郎を主人公にした横溝正史の名探偵シリーズを、全5本にドラマ化。横溝作品独特の、おどろおどろしい奇怪な殺人事件の妖艶な世界観を、現代風の新解釈でホラーミステリーとして映像化する。舞台は現代の京都。由利麟太郎がミステリー作家志望の青年で助手の三津木俊助とともに、数々の怪事件に挑む。

吉川晃司が由利麟太郎役で地上波連ドラ初主演を務め、由利の相棒・三津木俊助役で吉川とバディを組むのが志尊 淳。また、由利の旧友の京都府警・等々力警部に田辺誠一ほか個性的なレギュラーメンバーに加え、各話を豪華なゲストが彩る。

今回、ゴールデン・プライム帯の連続ドラマを“ALL関西”で制作するのは、カンテレとして34年ぶり。東映京都撮影所とタッグを組み、スタジオセット撮影からロケ撮影など、すべて関西地区で実施された。

過日、その太秦にある東映京都撮影所で志尊 淳の取材を行った。物静かな由利に対し、よくしゃべる俊助役。「そんな2人の色濃くコミカルなバディが、いろいろな角度から事件の謎を解決していきます」と語る志尊が、役柄やドラマの見どころについて語った。

吉川晃司との新鮮なバディ感に期待してほしいと話す志尊 淳。東映京都撮影所にて撮影=大西二士男/スタイリスト=有吉麻美/ヘアメイク=ワシダトモキ

【三津木俊助とはどんな人?】
小説家を目指していて、いろいろなネタを探すために由利先生を紹介されてついていく青年です。飾り気がなく天真爛漫な性格で、いろいろなものに興味があり、由利先生を尊敬している。尊敬しているがゆえに、自分の意見を主張してみたりする部分が垣間見えますね。その時その時を一生懸命に、夢に向かって生きている青年だと捉えています。

【志尊さん自身と俊助は?】
真逆ですね。俊助は自分に知識がないのに、犯罪心理学者の由利先生に対して事件のことで「いや、こうじゃないですかね」と言ったりするんですよ。僕は、あまり言えるタイプではないので(笑)。だから逆にすごいな、と。それを言ったところで、9割がた由利先生に無視されることが多いんですけど、1割がちょっと引っかかって、事件に少し役立てるような言動をしたり…。似てないですね(笑)。

【役作りは?】
由利先生とのバディ感を作るには、一挙手一投足にしっかりリアクションをしていって築き上げていくのが一番なんじゃないかなと思っています。そもそも由利先生と三津木くんはキャラクターが全く反対。だから、何かを作るというより、その場その場でしっかり会話をキャッチして発信するようにして、むしろ何も作らずに、等身大を目指して自然体で演じています。由利先生は多くを語らないキャラクターなので、なるべく表情や仕草から汲み取るよう心がけています。なので、現場で吉川さんの表情を拝見して、こうなのかな、とか、その場の表情を受けて感じたものを意識して芝居しています。

【吉川晃司さんの印象は?】
最初は少し怖いイメージがあったんですけど、「初めまして」と言ったら、「いや、オレは初めましてじゃないよ。テレビで見てるから」って(笑)。その瞬間に「あぁ、もう大丈夫だ」と思いました(笑)。実際に撮影していても、本当に優しくて、気配りもできていて、周りをとても見ていらっしゃる方で。作品に対してのこだわりや熱も、ものすごく持っていらっしゃるんです。もう僕は、何かをするというよりも、吉川さんについていくという感じです。プライベートな部分でも、カメラが回っている時でも、2人の間柄というのはリンクしているんじゃないかなと思います。

名探偵・由利麟太郎(吉川晃司)と助手を務める三津木俊助(志尊 淳)

【ドラマの見どころは?】
吉川さんと僕のバディがとても新鮮なんじゃないかなと思っています。今回お話をいただき、出演させていただく背景で、そこに大きな魅力を感じた部分もあります。それが映像の中でどのように見えるのか、まずはそのバディ感を楽しんでいただきたいです。あとは展開のおもしろさですね。どのような展開になるのか、想像がつかないことが多いと思います。見てくださる方々も、誰が犯人で、かつ、どのようなやり方で人を殺めたのか、そんな推理を一緒に体験していただければ、ハラハラドキドキな1時間を過ごしていただけると思います。

この続き、インタビュー後半では、京都での撮影、デビュー10周年についてお聞きします!

< 志尊 淳プロフィール>
しそんじゅん●1995年、東京都生まれ。11年にデビュー以降、数多くの人気ドラマや映画で活躍中。19年には舞台、NODA・MAP第23回公演「Q:A Night At The kabuki」に出演。今後は、8月21日(金)公開予定のディズニー&ピクサー最新作「2分の1の魔法」で主人公の日本語版声優を担当、10月30日(金)公開予定の映画「さんかく窓の外側は夜」で主演を務める

■ドラマ「探偵・由利麟太郎」(全5回)

左より、原作「蝶々殺人事件」(角川文庫)、原作「憑かれた女」(角川文庫)、原作「蝶々殺人事件」(柏書房)

放送日時:6月16日(火)~7月14日(火)21:00~21:54 
(カンテレ・フジテレビ系列全国ネット)
原作:横溝正史「由利麟太郎シリーズ」(角川文庫刊/柏書房刊)
脚本:小林弘利 プロデューサー・監督:木村弥寿彦
出演:吉川晃司、志尊 淳、木本武宏、どんぐり、田辺誠一 ほか
【ゲスト出演順】新川優愛、水上京香、村川絵梨、浅利陽介、高岡早紀、大鶴義丹、鈴木一真、吉谷彩子、佐野岳、板尾創路
第1話「花髑髏」/第2話「憑かれた女」/第3話「殺しのピンヒール」(原作:銀色の舞踏靴)/第4話・5話「マーダー・バタフライ 前編・後編」(原作:蝶々殺人事件) 
角川文庫から4か月連続で4巻を復刊

取材・文=高橋晴代/撮影=大西二士男
スタイリスト=有吉麻美/ヘアメイク=ワシダトモキ

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