「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が6月11日に開業した。目玉は、3階の飲食フロア「虎ノ門横丁」!これまで多店舗展開をしてこなかった都内の名だたる名店26店舗が集結しており、気になる店を飲み歩く“はしご体験”も楽しめそうだ。
「国際新都心・グローバルビジネスセンター」として、六本木ヒルズに匹敵するインパクトを有する“国際複合都市”へと進化中の虎ノ門ヒルズエリア。今回オープンした「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」は、「虎ノ門ヒルズ 森タワー」に続き建設されたもので、同エリアには今後「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」や「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」も加わる予定。小規模ビルが立ち並んでいたイメージの虎ノ門は、一気に近未来感あふれる雰囲気に変貌する。
東京メトロ日比谷線の霞ケ関駅と神谷町駅の間に開業したばかりの「虎ノ門ヒルズ駅」や、銀座線「虎ノ門駅」と地下で直結する「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」は、大規模オフィスと商業施設を擁する、地上36階・地下3階建ての超高層複合ビルだ。今回開業したのは地下1階、地上1~3階、4階の一部で、飲食店や物販店など計59店舗が入る。
同施設は、新型コロナウイルス感染予防策などの一環で、無料通信アプリのLINEを使った混雑回避システムを導入しており、利便性と安心感を両立しているのが特徴。店舗の入場制限時はLINE上で「整理券」を発行し、制限解除の際もLINEで一斉通知。待機列を減らすため、飲食店のお持ち帰りメニューではテイクアウトの「事前オーダー」を受け付け、店頭に並ばずに入店待ちができる「行列待ち」システムも取り入れている。さらに、商業メインエントランスと飲食フロア「虎ノ門横丁」の入り口には、発熱者を感知するサーマルカメラを設置。
注目の「虎ノ門横丁」には、紹介制のレストラン「エレゾハウス」や“ピーマンの肉詰め”を生んだ「鳥茂」など、これまで多店舗展開をしてこなかった東京中の名だたる人気店26店舗が集結している。店舗選びは、食の月刊誌「味の手帖」編集顧問で「タベアルキスト」のマッキー牧元氏が担当。巨大な提灯をくぐって横丁に入ると、一つひとつ趣向を凝らした内装の店舗がぎっしりと詰まっており、「隣はどんなところかな?」と次々“はしご酒”したくなることうけ合いだ。
焼鳥店で初めてミシュランの星を獲得した「バードランド」の分店「バードランド 虎ノ門」では、滋味豊かな奥久滋軍鶏の串焼きなどをアラカルトで楽しめる。「本店の銀座店・支店の丸の内店はコースがメインとなるのですが、こちらではひと串から気軽に、はしごしながら楽しんでほしいです」(同店スタッフ)と、価格抑えめで商品を提供。焼き物は「ネギマ」(350円)、「砂肝」(350円)、「九条ネギマ」(300円)など。「キャベツのトリュフ塩・レバーのパテ・焼き物4本・サラダで構成する『おまかせコース』は2500円と、銀座店などより低額なコースで用意しています」とのことだ。
その他、新感覚のイタリアン&オイル寿司店「振り塩とイタリアン イル・フリージオ」などユニークなお店も。同店は、山形県鶴岡市の「アル・ケッチァーノ」や、銀座の「YAMAGATA San-Dan-Delo」など、人気店でオーナーシェフを務める奥田政行氏が手掛けた新業態店。醤油の代わりに、各国のオイルと100種を超える世界の塩を使って旨味を引き出す“オイル寿司”を食べることができる。
さらに、アルコールメニューを中心にした店舗も充実。世界10カ国以上、150~200種のワインを完備した「虎ノ門横丁セラー(HAND PICKING WINE)」では、気に入ったワインを横丁内の各店舗にも持ち込むことができる。また、「酒食堂 虎ノ門蒸留所」は店内に蒸留所を設置した本格派。併設されたバー&居酒屋では、蒸留所で作った“ここだけのクラフトジン”「COMMON」をベースにした「虎ノ門レモンサワー」や「虎ノ門ハイボール」を楽しめるので、訪れたら記念にぜひ味わってみよう。
取材・文=平井あゆみ