7月9日(木)大阪市・松井一郎市長の定例記者会見が行われ、大阪市の施設の利用料・利用料金の減免、大阪ガスとの協定でガス警報機から災害情報を受け取れるシステムについての発表があった。また東京での220人を超す新型コロナウイルス新規感染者について言及した。
市施設の利用料・利用料金の減免
大阪市は新型コロナウイルス感染症防止対策や社会活動の維持に向けた、本市施設利用者負担の軽減を目的に、本市施設の使用料・利用料金の減免を行うことを発表。対象施設は本市行政財産の屋内施設で、各区の区民センターや生涯学習センター、男女共同参画センターなど83か所。
個人や法人・団体による制限はなく、全ての利用者が対象となる減免。適用条件は、施設の利用にあたり、収容定員の縮小や間隔などの利用制限を受けていることで、イベントた集会の有料・無料を問わない。ただし、スポーツ施設におけるスポーツ活動は除外される。
減免率は、原則、規定の使用料・利用料金の5割となり、期間は令和2年7月15日(水)から令和3年3月31日(水)までとし、期間内に利用する予定の方で、すでに使用料・利用料金を納付している方には申請により還付の手続きが行われるのだという。
大阪市は施設利用にあたって、本市が収容定員の半分以内の制限や間隔の確保など、利用者に負担が生じる感染予防策をしてもらうことにより負担をかけることになるが、減免を行うので、イベントや集会等の実施には利用してほしいと呼びかけている。
ガス警報器から災害情報を 大阪ガスと協定を締結
都市部であるがゆえに、防災行政無線では音が伝わりにくいという課題から、情報伝達手段の多様化が勧められている大阪市。
これまでも市では災害発生時には防災行政無線に加え、緊急速報メールや大阪市公式LINE、大阪市危機管理室Twitterなどで発信を行なってきた。しかし、情報伝達手段の増加により職員による入力時間の増加、情報を取得するための携帯電話、スマートフォンが必要になるという課題が新たに発生している。
そこで大阪市は災害情報一斉配信システムを充実することを発表。携帯電話を持っていない人や屋内への情報伝達を強化を図るのだという。これからの取り組みとして7月13日(月)に大阪ガス(株)との協定締結し、全国で初めて、大阪市が発信する災害詳報をガス警報器から伝えることとなった。8月19日(水)から新商品の大阪ガス警報器への一斉配信を目指している。
今後予測される都市部での災害、松井市長は「災害情報一斉配信システムはさまざまなシステムと柔軟に連携できるように設計している。すでに社会に広まっているインフラの活用、今後展望されるIoT機器との連携などに広げていきたい」と語っている。
東京では220人以上の新規感染者、松井市長の見解は?
東京での220人以上の新型コロナウイルス新規感染者を受けて、松井市長は「緊急事態宣言を解除して経済を回そうとしている。個人の制約も要請していないので人が動けばウイルスも拡大するのは当然」と話し、大阪府も2桁の新規感染者がいてまだまだ気が抜けないと話す。
新規感染者が夜の街で起こっていることに対して松井市長は「(飲食店側も)休業補償が無いなかで要請に応じるのは厳しい。彼らもウイルスを広げようとか、面白がっているわけではなく、生きるために働いている」と話し、飲食店への休業要請はできないと明言。また「誰もがウイルスかかりたくないのはわかっている。飲食店に行く場合は対面で大声で喋らない、うがいなど自分を守る行動様式を各自で自覚して行動してほしい」と語る。
松井市長は「感染経路を追って、医療崩壊を起こさず、命を落とさない仕組み作りが大事」だと話し、「もし感染したことが発覚したならば、プライバシーは必ず守るので、拡大防止のため具体的な情報提供をお願いしたい」と呼びかけている。
取材・文 さくらいけんたろう