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備前おさふね刀剣の里・備前長船刀剣博物館の見どころから回り方・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)
備前おさふね刀剣の里・備前長船刀剣博物館ってどんなところ?
鎌倉時代より日本刀の産地として名を馳せる備前長船(現:岡山県瀬戸内市長船町)。数多の刀工を輩出しており、国宝の刀111口のうち、47口が備前刀であることから“日本刀の聖地”と称されている。「備前おさふね刀剣の里・備前長船刀剣博物館」は日本でも珍しい日本刀専門の博物館で、鍛刀場では「古式鍛錬」という昔ながらの日本刀製作過程が見られるのも魅力のひとつ。敷地内には工房エリアもあり、作業風景を見学することも可能だ。
※感染症拡大防止のため、古式鍛錬の一般公開は8〜10月は中止。11月以降は未定(公式サイトを要確認)
【見どころ1】“日本刀の聖地”で唯一無二の職人技を間近で見学
備前長船刀剣博物館のスタッフに見どころを伺うと「日本刀の製作工程について映像や実物を用いて解説している『刀剣の世界』や、実際に日本刀を作っている職人と交流できる場所を提供している工房エリアは、日本刀を主要展示品としている博物館でもなかなかありません。ぜひご覧いただきたいです」とのこと。ではさっそく、工房エリアの様子を写真付きで紹介していこう。※感染症拡大防止のため、当面の間は建物の外側からガラス越しの見学となる。日により作業内容が異なるため、画像は一例
博物館から中庭をはさんで向かいの建物が工房エリアだ。ここの工房は一般公開されており、作業風景を毎日見学できる。岸野輝仁塗師の写真は、外装の鞘を作るため、鞘師が作った木地に漆を塗っている工程。塗って乾かす工程を何度も繰り返す必要があるため、完成まで1~3カ月ほどかかるそう。
片山重恒刀身彫刻師の写真は、刀身に絵付けをし、その絵の通りに鏨(たがね)で彫りを入れているところ。鍔(つば)や刀身彫刻を作る「金工・刀身彫の工房」で見学できる。
豪快な炎があがる安藤広康刀匠の写真は「火造り」と呼ばれる工程だ。日本刀の姿を整えていく、大切な作業。
【見どころ2】常時約40口を展示!見目麗しい日本刀をじっくりと鑑賞しよう
博物館の展示室では、実物の日本刀を約40口展示。刀身に表れる模様「刃文(はもん)」や柄に被われる部分となる「茎(なかご)」など随所までしっかりと鑑賞でき、その美しい姿に思わずため息がもれる。2020年9月10日からは当面の間、完全予約制となるため、来館日が決まったら早めの予約を。事前予約システムについては【混雑情報】の項目をチェックしよう。
館内はバリアフリーになっており、車イスやベビーカー利用者も安心して利用できる。多目的トイレは、駐車場(工房に隣接しているため入館後も利用可能)と研修館に設置。男女別トイレは、上記と備前長船刀剣博物館の3か所にある。
【回り方】刀剣の知識ゼロでも安心!楽しく学びながら、匠の技術を知る
「備前おさふね刀剣の里」の看板が掲げられた入場口から入り、博物館で入館チケットを購入しよう。大人500円、高大生300円の入館料で、敷地内の全施設を観覧できるのがうれしい。「博物館内にある『刀剣の世界』で刀剣の歴史や名称などを学んでから回るのがおすすめです。1、2階の展示室で作品をじっくり堪能したら、『今泉俊光刀匠記念館』、『備前長船鍛刀場』、各工房へ。最後は『ふれあい物産館』に立ち寄っていただければ幸いです」と、備前長船刀剣博物館のスタッフ。
「刀剣の世界」には、デジタル技術を駆使した展示など初心者も楽しみながら学べる工夫がいっぱい。「刀言葉クイズ」「名工とんちんかんゲーム」といったゲームコーナーも子供に人気だ。「ふれあい物産館」については【お土産】で詳しく紹介する。
【イベント】企画展も充実。2020年は刀剣乱舞とのコラボも!
通常展示に加え、年に約6回の企画展を開催。2020年秋季のテーマ展「刃文 千変万化の美」では、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」の特別陳列を行う。「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」は、鎌倉時代の瀬戸内市長船町福岡地区で活躍した福岡一文字派の作とされ、瀬戸内市が購入してから初めての一般公開となる。豪壮かつ変化に富んだ華やかな刃文をじっくりと鑑賞しよう。※イベントの予約状況は公式サイトにて要確認
また、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」の公開を記念して、歴史上の名刀を擬人化した人気ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の刀剣男士「山鳥毛」とのコラボが決定。等身大パネルの展示やオリジナルグッズなどを販売する。
開催期間は2020年9月10日〜10月4日。期間中の特別入館料は大人800円、高大生500円、中学生以下無料。完全予約制なので【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】の項目の「予約申し込みはこちら」から時間制来館者予約システムにて予約をしよう。
【お土産】刀匠の技が光る、一生ものにしたいペーパーナイフ
「ふれあい物産館」には、刀剣や備前小刀、刃物類などのアイテムをメインに、岡山県が誇る備前焼や工芸品、銘菓などが揃う。「刀剣を購入するのはハードルが高い…でも旅の記念に刀匠の作品をお土産にしたい!」という人におすすめなのが、ペーパーナイフ。すべて手作業で仕上げるため、1本ずつ風合いが異なる。自分だけのお気に入りを探してみよう。併設のお茶処ではコーヒーなどのドリンクが味わえるので、休憩に立ち寄るのもいい。
【混雑情報】新たに取り入れられた「事前予約システム」で混雑を回避!
2020年9月10日以降は、感染症拡大防止対策のため、博物館への入館は当面の間、事前予約制となる。観覧時間は60分以内が目安。60分ごとに入館の人数制限がかかるが、混雑することなく鑑賞できるようになりそうだ。通常時は、土曜・日曜、祝日の13~15時に混み合うことが多かったため、その時間を避けた方が予約が取りやすいだろう。予約方法は【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】の項目をチェックしよう。
【アクセス】岡山の中心部から電車&タクシーで約40分のプチトリップ
電車の場合は、JR岡山駅から赤穂線に乗車し、JR長船駅まで約30分。長船駅からタクシーに乗車し、「備前おさふね刀剣の里・備前長船刀剣博物館」まで約12分で到着する。岡山駅から宇野バスを利用する際は、岡山駅前から片上行きに乗車し、天王もしくは船山バス停で下車し、徒歩10分。
車の場合は、山陽自動車道山陽ICで降り、県道37号を経由し南へ。国道2号に出たら東へ進むと「備前おさふね刀剣の里・備前長船刀剣博物館」が見える。移動時間は約30分。もしくは、山陽自動車道備前ICで降り、国道2号を経由して約20分。
【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・2020年9月10日以降の入館は当面の間、事前予約制となります。予約申し込みは
こちら
・入館時に検温を実施しています。37.5度以上の発熱が確認された場合、入館をお断りします。
・入館にはマスクの着用が必要です。(幼児や健康上の理由によりマスクの着用が難しい方は除く)
・入口に消毒用アルコールを設置しています。手指消毒にご協力ください。
・展示室内では、密にならないよう最低2メートル以上の距離を保ちながら、お静かにご観覧ください。
・館内での滞在時間は1時間程度を目安にお願いします。
・状況によっては、入場制限等をする場合もあります。
・壁や展示ケースに触れないようお願いします。
・感染拡大防止のため、博物館スタッフもマスクを着用します。
取材・文=冨永陽子
<施設情報>
・住所:岡山県瀬戸内市長船町長船966
・アクセス:【電車】JR長船駅からタクシーで約7分 【車】山陽自動車道山陽IC・備前ICから約20分
・営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)※2020年9月10日より当面の間、事前予約制
・定休日:月曜(祝日の場合翌日)、祝日の翌日、12月28日~1月4日、臨時休館あり
・駐車場:44台(無料)
・料金:入館料 大人500円、高大生(学生証提示)300円、中学生以下、障がい者(手帳提示)およびその介助者1名は無料
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
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※2020年8月時点の情報です。