医療従事者などへのワクチン接種が始まったとはいえ、依然猛威をふるい続ける「新型インフルエンザ」。予防策としてマスクは変わらず売れているようだが、ここに来て消毒剤の売り上げも伸びてきているという。中でも注目なのが“携帯用”だ。
年間売り上げ目標12億円のところ、発売からたった1か月で約4億円に至ったのは、小林製薬の手指消毒ジェル「ウィルテクト」シリーズ。ポンプタイプはもちろんのこと、「ウィルテクト 携帯用」(30ml・525円)や、ウェットティッシュタイプの「ウィルテクトティッシュ」(10枚220円)といった“携帯用”が特に好調のようだ。
「発売してまだ間もないですが、連日多くのお問い合わせをいただいております」とは、小林製薬の広報担当。「外出先やちょっと気になったときなど、すぐに細菌・ウイルスを消毒できることが好評の理由ではないでしょうか」と、予想以上の人気ぶりを分析している。
また実際使っている人からは、「ビルの入り口などにある消毒液のポンプは、不特定多数の人が使うから不安もあったのですが“自分専用”だと安心です」との回答も。どうやら、いつでも使える利便性だけでなく“自分専用”という点も人気の理由のようだ。
一方、「フマキラー」も、10/21に「アルコール消毒 きれいな手 携帯用 45ml」(578円)を発売。化学成分不使用、100%天然生まれの処方が特徴で、調理前などでも使える手指用消毒剤だ。"消毒・殺菌"という予防意識の高まりもあり、外出先でもしっかり消毒したいという消費者の声に応えて誕生した同商品だが、意外にも海外ではポピュラーなアイテムなのだとか。
「日本では、ビルや商業施設の入り口やトイレに置かれているポンプ式の消毒液が目立ちますが、予防意識が高い海外では、“携帯用”の方が需要がありますね。日本以上にポピュラーな商品ですよ」(フマキラー広報担当)
新型インフルエンザの影響で高まった日本人の“予防意識”が後押しした、今回の携帯用消毒ジェル(液)の売れ行き。手指消毒剤市場も、06年の6億2900万円から、今年は18億円になるだろうと予測されているだけあって、今後も“いつでも”“どこでも”使える消毒関連商品に人気が集まりそうだ。 【東京ウォーカー】