【コロナ対策情報付き】大原美術館の楽しみ方徹底ガイド!倉敷・美観地区観光をより楽しくする情報満載

東京ウォーカー(全国版)

大原美術館の見どころから楽しみ方・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やアトラクション、イベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

大原美術館ってどんなところ?日本随一の西洋美術コレクションを誇る私設美術館

ギリシャ神殿風のファサードデザインがシンボリックな本館。入口の両脇にはロダンの彫刻作品を野外展示

白壁の蔵屋敷、なまこ壁など江戸時代の風情が残る岡山県倉敷市の美観地区を代表する観光名所、大原美術館。西洋美術を展示する国内初の私設美術館として、1930年(昭和5年)に事業家の大原孫三郎が設立。エル・グレコ、モネ、ゴーギャンなど世界的な画家たちの絵画をはじめ、日本を代表する作家の西洋画など、常時約1000点を展示。まさに、日本随一のコレクションを誇る私設美術館だ。

【見どころ1】エル・グレコ、モネなど世界的画家が描いた絵画がずらり!

ヨーロッパで絵画をコレクションした児島虎次郎の作品も素晴らしい

大原孫三郎は日本美術のコレクターでもあり、親しい友人であった画家の児島虎次郎の才能と美術に対する真摯な姿勢を高く評価。虎次郎に対して3度にわたる渡欧を促し、現地で制作に励むかたわら、ヨーロッパの美術作品を収集することに同意。つまり、大原孫三郎、児島虎次郎の2人がいなければ、日本随一のコレクションを誇る大原美術館は誕生しなかったというわけだ。

虎次郎が選び抜いたのは、エル・グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスなど、世界的な画家たちの名画で、もちろん、今も大原美術館の中核をなす作品ばかり。

なかでも来館者に人気なのが、日本に2点しか存在しないエル・グレコの作品の一つ『受胎告知』、モネの『睡蓮』。ほかにも、ムンクやピカソ、ロダン、ルノワール、シャガールなど、一度は耳にしたことがあるであろう名画家たちの作品を鑑賞することができる。

ただし、3000点以上のコレクションの中から、修復や貸し出しを含めて入れ替えながら常時1000点程度を公開。上記の画家の作品が必ずしも常に展示されているわけではないので注意しよう。

世界の名だたる名画を間近で見られる本館

広報担当者が「作品に甲乙はありません。鑑賞されたお客様が素直に感じた各絵画に対する思いを大切にしていただけたら」と語るように、どの作品に心引かれるかは、人それぞれあっていいのだ。

【見どころ2】3つの館に分かれた美術館。それぞれの建築美にも注目!

分館には近代から現代の日本を代表する作家の絵画や彫刻がそろう

美術館は【見どころ1】で紹介した本館、近代から現代の日本を代表する作家の作品を集めた分館、日本の民藝運動に関わった作家たちの陶芸作品や版画などが並ぶ工芸・東洋館の3館に分かれている。
分館は岸田劉生、梅原龍三郎、松本竣介ら教科書に載るような著名な画家が描いた洋画をはじめ、現代の作家だと草間彌生の作品なども展示。

工芸・東洋館は棟方志功、バーナード・リーチ、河井寛次郎、芹沢銈介、富本憲吉、濱田庄司が手がけた作品を作家ごとに展示室を分けており、各展示室ごとに趣向が異なる点もおもしろい。

高さ2メートル51センチもある、北魏時代の『一光三尊仏像』。東洋館で見られる

3館それぞれに見応えがある作品ばかりだが、収蔵しているコレクションだけが大原美術館の見どころではない。

建物も高い評価を得ており、本館は江戸期の町並みが広がる美観地区において異色を放つギリシャ神殿風の造り、分館は日本を代表する建築家・浦辺鎮太郎作、工芸・東洋館は江戸後期に建てられた大原家の米蔵を移築するなど、建築の観点からも楽しめる秀逸な建物揃いだ。

建築家、浦辺鎮太郎の代表作のひとつになっている分館

敷地内の池にはフランスにあるモネの自宅庭園から株分けされたスイレンが今も育つ


【イベント】子供のための夏のアート祭りは楽しい体験プログラムがいっぱい!

社会のために尽くした大原孫三郎、児島虎次郎の思いが今も受け継がれていることがわかる毎年恒例のイベントもある。それが毎年8月下旬の土曜・日曜に開催される「チルドレンズ・アート・ミュージアム」。通称“チルミュ”だ。

イベント名が表すように、子供が気軽にアートに親しむことを目的とした夏のアート祭りで、さまざまな体験プログラムを実施。イベントを開催する2日間は、中学生・小学生は入館料が半額になるのもうれしい。毎年、7月ごろからプログラム内容などを公式Facebookで発信しているので、2021年以降の情報は、そこでチェックしてみよう。

【回り方】世界的な絵画から日本生まれの名作、工芸にまつわる作品まで

東洋館には古代中国美術を展示

本館、分館、工芸・東洋館と3館あるので、順路通りに鑑賞していくのが一般的な回り方(2020年9月時点では、新型コロナウイルス対策のため、分館は入館不可。ただし、分館の代表的な作品は本館にて展示中)。

広報担当者いわく、「すべて見て回るのにかかる所要時間は1時間〜1時間半程度ですが、ご自身のペースでゆっくり鑑賞いただいても構いません」とのこと。近くで鑑賞したり、遠くから眺めたり、さまざまな角度から名画や作品を楽しんでみよう。

【お土産】センスが問われるお土産選びもミュージアムショップにおまかせ♪

【写真】オリジナルミュージアムグッズに注目

美術館敷地の並びには、入館せずとも買い物できるミュージアムショップを併設。所蔵作品のレプリカをはじめ、スカーフ、手ぬぐい、ブックカバーなど、美術館オリジナルアイテムが充実する。特に額装されたレプリカは値が張るものもあるが、実物と見間違うほど、高いクオリティで複製されたものもあり、大原美術館を訪れた思い出として、気に入った絵画のレプリカを選んでみるのもおすすめ。美術館が運営するショップだけあり、デザイン性の高いグッズが多いので、友人や知人へのお土産選びにも重宝しそう。

工芸・東洋館前にあるミュージアムショップ

ふすま地のブックカバー(1枚1050円)

モネの『睡蓮』をデザインした大判のスカーフ(1600円)

美術館オリジナル手ぬぐい(1枚1000円)


【混雑情報】開館直後と15時前後を避けて、来館するのがおすすめ

年間約30万人の来館者を誇る人気美術館だけに、平日休日問わず、来館者は多い。特に人出が集中する時間帯は、やはり開館直後。また、ランチを楽しんだあとの15時前後も込み合うことが多い。

広報担当者は「2020年9月現在、新型コロナウイルス対策のため、一度に入館できる人数を10人程度に制限して開館しています。およそ15分間隔で、ご入館いただいていますので、少しお待ちいただく場合もあります。時間にゆとりを持ってご来館いただければ幸いです」と説明してくれた。

【アクセス】JR倉敷駅から徒歩移動、もしくは車での来館が便利!

大原美術館へのアクセスはJRまたは車がおすすめ。東京や大阪方面から来るならJR山陽新幹線岡山駅でJR山陽本線に乗り継ぎ、倉敷駅で下車。福岡や広島方面からならJR山陽新幹線新倉敷駅でJR山陽本線に乗り継ぎ、同じく倉敷駅で下車。倉敷駅から歩いて15分ほどで大原美術館に到着する。

車の場合、山陽自動車道倉敷ICまたは、瀬戸中央自動車道早島ICからアクセス。それぞれ大原美術館まで車で20分ほどだ。

大原美術館専用の駐車場はないので、美観地区にあるコインパーキングを利用する必要がある。おすすめは大原美術館まで徒歩3分ほどの倉敷市営中央駐車場、または徒歩5分ほどの距離にある倉敷市営芸文館地下駐車場。ともに駐車料金は30分ごと100円で、12時間最大800円なので、美観地区観光の際によく利用される。ただし、アクセスが至便な立地ゆえ、休日は満車になることも多いので早めの時間帯から駐車するようにしよう。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・敷地内の出入口を通用門(カフェ エル・グレコ横)の1カ所に限定します。
・3館のうち、分館を休館し、本館と工芸・東洋館のみで作品を展示します。
・敷地内入場後は、「入館券売り場→本館→工芸・東洋館→敷地出口」の順にお進みいただきます。
・15分おきに10名程度の入場となるよう通用門にて入場数を制限いたします。また、開館前(9:00)までに入場待ちの列ができていれば、時間指定整理券を配布する場合があります。
・音声ガイド(税込600円)の貸出しを中止します。
・本館出口にあるミュージアムショップは閉鎖します(ミュージアムショップ本店は美術館に準じて営業します)。
・手荷物預かり所は閉鎖します(コインロッカーはありません)。
・37.5度以上の発熱など、体調の異常が確認された方は、入館をお断りする場合がございます。
・館内で激しく咳き込まれる等、風邪のような症状のある方には、スタッフがお声がけし、ご退出をお願いする場合がございます。
・入館人数を制限(15分に10名程度)させていただきますので、大人数でのご来館はお控え下さい。
・ご入館にはマスクの着用が必要です。
・飛沫防止のため、館内での会話等は極力お控えいただきますようお願いいたします。
・ほかのお客様と1.5メートル以上を目安に、十分な間隔を保ってご観覧ください。

ご入館を希望されるお客様へ、入口にて以下の手続きにご協力をお願いいたします。
・非接触体温計での検温と、手指のアルコール消毒
・入館される方の連絡先(氏名・電話番号等)の記入(感染者が出た場合の追跡調査のためです)
・整理券を専用ボックスにて回収(混み合った場合のみ入口で整理券を発行します)

取材・文=諫山 力

<施設情報>
・住所:岡山県倉敷市中央1-1-15
・アクセス:【電車】JR倉敷駅から徒歩15分【車】山陽自動車道倉敷ICまたは瀬戸中央自動車道早島ICから約20分 
・営業時間:9:00~17:00 
・定休日:月曜(祝日の場合は開館)。年末 
・駐車場:なし 
・料金:入館料 大人1500円、高校生・中学生・小学生500円

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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※2020年8月時点の情報です。

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