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原爆ドームの見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)
原爆ドームってどんなところ?核兵器と戦争の悲惨さを伝えるヒロシマのシンボル
1945年8月6日に、人類で初めて投下された原子爆弾によって被爆した原爆ドーム。核兵器の恐ろしさを今に伝えるとともに、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の大切さを訴え続けている。もともとはチェコ人の建築家、ヤン・レツルの設計のもと1915年4月に広島県物産陳列館として竣工。一部に鉄骨が使用された煉瓦造の建築で、外装には石材とモルタルが施されている。広島都心部のほとんどの建物が木造2階建てだった当時、大胆なヨーロッパ風の建築デザインは珍しく、名所のひとつに数えられていた。
建物は、爆心地から北西約160メートルという至近距離で被爆。天井から火を吹いて全焼したが、爆風が上方からほとんど垂直に働いたため、中央のドーム部分は奇跡的に全壊を免れた。戦後、「原爆による惨禍の証人として保存する」という意見と、「危険物であり、被爆の惨事を思い出したくないので取り壊す」という意見が対立したが、1966年に永久保存が決定。保存工事のための募金運動が開始され、これまでに3度の保存工事が行われた。そして「世界平和を訴えよう」と市民が一丸になった結果、1996年12月、メキシコで開催された世界遺産委員会において世界遺産への登録が決定。現在は、国内だけでなく海外からも多くの見物客が訪れている。
【見どころ1】被爆当時の悲惨な姿をぐるりと一周しながら捉える
恒久平和の象徴の地として整備された「平和記念公園」に、広島市街を見守るようにして佇む原爆ドーム。これまでの保存工事により、被爆直後の状態がほぼそのまま保たれている。建物の中へは一般の立ち入りが禁止されているが、柵の外からはいつでも見学可能。建物を見上げながら一周すると、崩れ落ちた外壁やむき出しになった鉄骨、敷地内に散乱した瓦礫など、被爆時の原風景が目に飛び込む。また、夜になると建物がライトアップされ日中とは違った雰囲気に。元安川の対岸など、少し離れた場所から眺めてみよう。
【見どころ2】陸や川、展望台など異なる角度から原爆ドームを望む
街の中心部に建つ原爆ドームは、周辺に多数のビュースポットが点在している。近くに架かる元安橋(もとやすばし)や相生橋(あいおいばし)に立つと、きらめく川面と青い空と一緒に捉えることが可能。元安川には遊覧船が運航しているので、街の風景を楽しみながらの水上散策もおすすめだ。
2016年には、原爆ドームから道路を渡ってすぐの場所に複合商業施設「おりづるタワー」がグランドオープン。屋上にはウッドデッキの展望スペース「ひろしまの丘」(大人1700円、中高生900円、小学生700円、4歳以上500円)があり、原爆ドームはもちろん、晴れた日は世界遺産・宮島の最高峰である弥山(みせん)まで見渡せる。「目の前に270度の大パノラマが広がり、風を感じながら景色を楽しめます。美しい夕日も必見ですよ」と、同施設のスタッフも絶好のビュースポットとして大プッシュ!
※「おりづるタワー」は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、2020年10月〜2021年3月頃までは土、日、祝日のみ営業予定(年末年始例外あり)。 詳細は
公式ホームページ
で確認を。
【回り方・混雑情報】平和の尊さを噛みしめながら原爆ドーム周辺を散策
緑豊かな「平和記念公園」は、市民や観光客にとっての憩いの場に。公園には原爆ドームのほか、原子爆弾投下当時の広島の様子を紹介する「広島平和記念資料館」、壊滅した広島市を平和都市として再建することを念願して建立された「原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)」、金色の折鶴を捧げ持つ少女のブロンズ像「原爆の子の像」などがある。そばを流れる元安川には遊歩道が整備されているので、恒久平和を祈りながらゆったりと散策しよう。なお、平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が行われる8月6日は、大変混雑するため周辺の通行には十分に注意したい。
【イベント】8月6日の平和記念式典で1分間の黙とうを捧げよう
前述のとおり「平和記念公園」では、毎年8月6日に平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が執り行われている。核兵器廃絶と世界恒久平和実現への願いが込められたこの式典は、原爆死没者慰霊碑が建立された1952年以来、途切れることなく続けられている。原子爆弾が投下された午前8時15分になると、式典会場だけでなくさまざまな場所で、哀悼の意と恒久平和への願いを込めて1分間の黙とうが捧げられる。被爆75周年という節目にあたる2020年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般席を設けないなどソーシャルディスタンスを確保したうえで行われた。
【グルメ】広島の味にこだわった個性的なフードで腹ごしらえ!
散策でお腹が空いたら、「おりづるタワー」の1階にある「握手カフェ -PARK SIDE-」へ。広島のソウルフードであるお好み焼きを丼にアレンジした「オコモコ丼」(480円〜)、スティック状になったお好み焼き「オコス」(480円〜)、安芸津産のジャガイモを使った生ポテトチップス「ナマチ」(390円〜)といったユニークなオリジナルメニューが充実している。施設スタッフが「購入した飲食物は、展望スペースで景色を眺めながらゆったり味わえます」と語るように、テイクアウトもできるので使い勝手抜群だ。ほかにも、広島のクラフトビールや地酒などのアルコールも用意。テラス席に腰を下ろして、心地よい風を浴びながらほろ酔い気分に浸るのもよい。
【お土産】定番から話題の新商品まで多彩な商品が大集合!
原爆ドーム周辺でお土産やグッズを購入するなら、「おりづるタワー」の1階にある物産館「SOUVENIR SELECT 人と樹」をのぞいてみよう。「広島を代表する銘菓から伝統工芸品、コスメまで約1000点もの商品が販売されています」と施設スタッフ。アクセサリーもそろい、人気ブランド・アネモネと共同開発した「おりづるタワー オリジナルヘアゴム」(1500円)は、折り鶴をあしらった可愛らしいデザイン。小さな女の子から大人の女性まで、幅広い年齢層に喜ばれる一品だ。ちなみに、1階のカフェと物産館は「おりづるタワー」の入場料が不要。観光中に、気軽に買い物を楽しめるのが嬉しい。
【アクセス】最寄りの駅やバス停を降りたら目の前!空港からはリムジンバスが便利
広島市内中心部を観光する際は、路面電車と市内循環バス「ひろしま めいぷる~ぷ」を活用しよう。今回の目的地である原爆ドームは、いずれも「原爆ドーム前」で下車してすぐの場所にある。また、広島空港からはリムジンバスが運行。「広島バスセンター」で下車すると徒歩5分で到着する。
■電車の場合
JR広島駅から広島電鉄の宮島線・江波線に乗車。「原爆ドーム前駅」で下車してすぐ。所要時間は約15分、運賃は大人190円。
■バスの場合
JR広島駅から市内循環バス「ひろしま めいぷる~ぷ」のオレンジルートに乗車。「原爆ドーム前」バス停で下車してすぐ。所要時間は約15分、運賃は大人200円(1日乗車券大人400円)。
■飛行機の場合
広島空港からリムジンバスに乗車。「広島バスセンター」で下車し、徒歩約5分で到着。所要時間は約55分、運賃は大人1370円。
■車の場合
山陽自動車道広島ICから国道54号を南下。県立総合体育館前の交差点を左折し、さらに広島城南の交差点を右折。直進して紙屋町交差点を右折すると、原爆ドームに到着。駐車場がないため、周辺の有料駐車場を利用。所要時間は約20分。
【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・見学時は、熱中症対策をしたうえでマスクをご着用ください。
・37.5度以上の発熱や倦怠感、咳などの症状がある場合は見学をお控えください。
・ほかの見学者との間隔をできるだけ空けて見学してください。
取材・文=岩佐企画
<施設情報>
・住所:広島県広島市中区大手町1-10
・アクセス:【路面電車】2番宮島口行き・2番西広島駅行き・6番江波行き「原爆ドーム前」下車
・営業時間:終日解放
・定休日:なし
・駐車場:なし
・料金:見学無料
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※2020年9月時点の情報です。