きかんしゃトーマスの劇場版最新作、『映画 きかんしゃトーマス チャオ!とんでうたってディスカバリー!!』が、2020年9月4日に全国公開された。5日にリモート舞台挨拶が行われ、ゲスト声優を務めた麒麟の川島明、田村裕、そして主人公のトーマス(声の参加:比嘉久美子)が登壇。
新型コロナウイルスの影響で公開が延期となっていた今作。待ちわびた公開に2人も「世界中がこんなことになると思っていなかった中でようやく公開できて、こうやって皆さんに挨拶ができて本当にうれしいですね」(川島)、「(声優として出演していることを)自慢しまくっていたんですよ。でも全然公開にならへんから、『こいつ嘘付いてるんちゃうかな』みたいなことを言われかけていたんで(笑)。無事に公開されてホッとしました」(田村)と、喜びもひとしお。
そしてトーマスも車体を揺らしながら、「みんなが僕らの映画を楽しんでくれるのは最高の気分だよ。みんな、ありがとう!」と喜んだ。
劇中では、川島は歌を愛するイタリアの古い機関車ロレンツォを、田村がロレンツォの歌のパートナーで客車のベッペを演じている。
川島が「僕、ほぼ歌っているんです。ほとんどのセリフに音符が付いていました。しかもポップスではなく、ミュージカル調で」と言うと、<♪私の声は今でも美しい!>と劇中歌を魅惑の歌声で披露。
田村も「川島くんの歌声は見惚れるくらいすごすぎた。想像を超えるクオリティなので、もう1回観たくなると思います」と太鼓判。
今回、イタリアをこよなく愛する情熱的な女の子の機関車・ジーナ役を務めた山口もえは、新型コロナウイルスの感染が発表されており、体調は回復しているもののこの日は大事をとって欠席。
「この日をすごく心待ちにしておりました。声優初挑戦ということもあり、私にとってはすごく思い入れのある作品となりました。皆様にとっても、家族で観た思い出の作品となればいいなと思っております」とメッセージが読まれ、会場は温かな雰囲気に包まれた。
今年は「きかんしゃトーマス」原作出版75周年ということもあり、くす玉を割ってアニバーサリーイヤーをお祝い。この舞台挨拶の様子は全国53のスクリーンに生中継され、和やかに終了した。
声優デビューを果たした麒麟の二人を直撃インタビュー
舞台挨拶終了後、麒麟の2人に『映画 きかんしゃトーマス チャオ!とんでうたってディスカバリー!!』の見どころやアフレコの裏話などの話を聞くことができた。
――作品後半のキーマンになっている、おふたりのキャラクターの魅力を教えてください。
川島「とにかく歌っているんです、僕。人生で出したことのない高いキーで、喉ぼとけがちぎれたんじゃないかっていう顔で歌っていました。その瞬間の顔とロレンツォの顔がまったく同じで、これは乗り移れたなという手応えがありました」
田村「僕は『地のままで田村さんのキャラクターに合っていると思いますんで』って言われて。そうしたら、本当にベッペはロレンツォに付いていくのみ、まさにコンビの関係性と同じ(笑)。ロレンツォは失敗しても怒らず、全肯定してくれるんです。やりやすかったですねぇ。でも、体感ですけど、僕、アフレコ収録13分で終わったんじゃないかな。15分後には出口に立っていたような…」
川島「おかしいですよ、これは(笑)。僕は7時間くらいかかった。もえさんなんか2日かかってんねやから」
――そんな中で、田村さんは新しい自分に出会ったとか?
田村「そうなんです。一瞬だけ僕も歌うところがあるんですけど、そのキーを出すのは無理やろなぁと思ったんですけど、やったら出たんですよ!『田村さん出てますよ!』って、1発目に。自分もこんな声出るんやと」
川島「これまで、トーマスの映画のゲスト声優は渡辺直美ちゃんがプロ顔負けの歌声と演技力でやっていたり、前作はISSAさんが出演してたりと豪華で。そこに仲間入りできたのは、うれしいですね」
田村「最後の川島くんの独り舞台といいますか、あれをやり切ったというのは今後の自信に繋がる、新しい発見だと思います。本当にすごくて、クオリティの高さに感動しましたね。声優さんの仕事、このあといっぱい来るんちゃうかな」
――これから映画を観てくれる子供たちに、この作品を通じてどんなことを感じてほしいですか?
田村「トーマスは主人公でありながらも失敗が多い、人間らしさのあるキャラクター。いろいろなことに挑戦する勇気とか、失敗してもそのあと頑張ればいいんだよとか、人生で学んでほしいことが含まれている映画です。そこから子供たちなりの何かを感じてもらえたらいいなと思います」
川島「登場キャラクターが多いんです。おっきいゴードンもいるし、弱虫なパーシーもいる。自信家すぎて失敗してレールから外れちゃうっていうキャラもいるし…。ひとりとして完璧な機関車はいなくて、みんなで補い合っている。好きなキャラや自分に似てるなというキャラがいると思うので、自分が困難にぶち当たった際に、『あ、あの機関車はこうしてたな』と思える、そんな作品だと思います」
田村「大人は子供に見せといたほうがいいですよ。なぜなら、自分が失敗したときに、『トーマスも失敗してたやろ』って言えるから(笑)」
川島「ほんと、そう!親なんて未完成、なのに完璧ぶっちゃうじゃないですか。だから観終わったあと、大人もグッとくるものがあります」
田村「ストーリーの中でキャラクターたちも成長して、それが自分の子供にも重なったりしてグッときますよね」
川島「親としては『危ないからやめておこう』というときでも、『失敗してもいいんだよ』と伝えたい。子供たちには好きなことを大事にしてほしいということを、トーマスを観たらめちゃめちゃ思いますね」
『映画 きかんしゃトーマス チャオ!とんでうたってディスカバリー!!』では、ソドー島の港で事故が発生し、蒸気機関車7台からなるスチーム・チームが誕生してピンチを切り抜ける。その後イタリアで仕事をすることになったトーマスは、「消えた機関車」の伝説に興味津々。迷い込んだ鉱山で出会ったのは…!?というハラハラドキドキのストーリー。全国のイオンシネマほかにて全国公開中!
(C)2020Gullane(Thomas)Limited.
取材・文=ほなみかおり
撮影=齋藤ジン
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