VOL.1( http://news.walkerplus.com/article/101539/)の続き
Q:今回の物語のきっかけは?
「去年、たまたまアジアのいろいろな国に何度か行く機会があって。そこで、初めて行った町なのに、“なに?この懐かしさとか、忘れかけた感じとか、え?”と思う瞬間があったんです。具体的に言うと、遺跡で観音菩薩の顔を見た時に“あれ?どこかでお会いしましたか?”とか(笑)、初めてなのに。家族でやってる定食屋さんに入った時も、彼らの一家だんらんの姿を見た時、“あれ?子供のころ、ここにいた?”って。日曜の夕方、家族でテレビの『シャボン玉ホリデー』を見ながらジンギスカン食べて、みたいな風景がそこにあった。なにゆえ僕はアジアに来て、日本を見ているんだろう。アジアで僕はジャパンを見てた、それが今回の『アジァパン』という作品になりました。
街のゲストハウスで、50歳すぎぐらいのバックパッカーの方たちに何人か会い、僕ら世代の人たちがたまたま宿で出くわして、そこでなにを見て、なにを感じ、なにを思うかという話が書けたらいいなと。今の都会の中では当たり前な生活が、当たり前じゃないことがいっぱいある向こうで、いろんなことを教えられました。
特に、そこで前向きに生きてる人たちの迫力はすごいですね。彼らから、前向きに生きることや家族を大事にするとか、ほんとにシンプルなことを教わった。日本人でよかったなって、この歳になって改めて思いました。そういう思いが入った作品です。観に来た方が、旅の風景や僕達の旅をのぞき見していただいて、一緒に旅してる感覚になれたらうれしいです」
Q:全員でのシーンやソロの見せ場も?
「もちろん、全員で歌も歌うし、タップも、踊りも。アクロバットとか、新しいメンバーの特技もあるし、ほかのメンバーの見せ場もあります。“全員が主役で脇役”という、今まで作り上げたスタイルを崩すつもりはまったくないです。もう、今まで以上に痛快丸かじりの、コンボイならではのエンタテインメントシーンを、今回の旅のお話の中で盛りだくさんに入れ込んでます。もちろん、ショウタイムもありますしね。10人のエネルギーが集まった瞬間っていうのは、すごい迫力がありますよ」
Q:若い人にも観てほしいですよね?
「新メンバーと同じ世代にも観ていただきたいし、知ってもらいたい。でも、新しいお客さんに向かってという気持ちはあるけど、作品を新しい時代寄りにというわけじゃない。自分はあくまでもコンボイショウをやるだけです。動いてなんぼっていうだけじゃないから。これだけキャリアを積んでやってきた人間は、なにもしなくても、存在の仕方とか、作品の携わり方とか、作品の中の生き方とか、そういうのも含めて全部ですからね」
Q:初めて観る人とこれまで観てきた人へのメッセージを。
「これまで観てくれてる人には、コンボイショウって、絶えずもぎたてでフレッシュでしょって感じていただきたいです。今回、10人になってなにが変わるか、ショウの打ち出し方は違っても、これぞコンボイというのが絶対あるんで、それも感じていただきたいな。新しい方には、本当にこういう形でやってるエンタメ集団ってないので、まずは観てのお楽しみ。あ、その観てのお楽しみの前に、だまされたと思って1回来てください(笑)。熱い大阪の皆様には、熱いステージしか返すことができないんで、それを絶対楽しみにしてください!」
演劇ライター・はーこ