関東学院大学×横浜ウォーカーのコラボイベントとして開催されている特別公開講座「横浜学」。2月19日、第23回となる講義が開催された。テーマは「横浜とアメリカ」。
初めに登壇したのは関東学院大学の非常勤講師で音楽評論家でもある杉原志啓先生。戦前・戦後の音楽史を通して、アメリカ文化が横浜に与えてきた影響について詳しく解説してくれた。また、1960年代に横浜・本牧のクラブ「ゴールデンカップ」の専属バンドとしてGS(グループサウンズ)ブームの火付け役になった「ザ・ゴールデン・カップス」など、当時のリアルな映像とともに、アメリカ文化を真っ先に吸収した横浜は流行・文化の最先端だったと紹介した。次に東京音楽大学音楽学部教授で現役のプロミュージシャンとしても活躍する難波弘之先生が登壇。なぜ横浜がハイカラでアメリカンな町になり、「ザ・ゴールデン・カップス」に代表されるような最先端のサウンドが生まれるに至ったのかと話を切り出した。戦後、アメリカ軍に広範囲にわたって建物・土地を接収された横浜。特に本牧ではフェンスで隔てられた地域に‶小さなアメリカ‶が作られ、日本人の憧れの的になっていたという。その憧れを胸に果敢にもフェンスの向こうへ忍び込み、アメリカの音楽に触れた若者たちによって、横浜発祥の新しい音楽文化が築かれたのだと解説した。最後の登壇者はラジオDJ、作家として活躍するロバート・ハリス先生。横浜で生まれ育った自身の実体験を基に、当時の横浜の雰囲気や魅力を紹介。当時のお写真などを写しながらの、臨場感あふれる60年代の横浜・本牧の話に、参加者たちも熱心に耳を傾けた。
アメリカ軍が広範囲にわたって横浜を接収していた時代を中心に、さまざまなエピソードが語られた今回の講義。三者三様の話が少しずつリンクして、当時の様子を立体的に浮かび上がらせる内容になった。
次回は「横浜とみどり」をテーマに4月16日(日)の予定だ。