狂気の発明家・アイキッドと、彼が開発した(という設定の)最終兵器・サイボーグジョーによるロックバンド、ザ・リーサルウェポンズ。
一度聴いたら耳から離れないポップなメロディに、細かく作り込まれたハイクオリティなバックトラック。そして、それらをいい意味で大きく裏切るようなユニークすぎる歌詞と、デフォルメされたビジュアルなどで注目を集めている2人組だ。
そんな彼らは、生み出す音楽にも表れているように、1980〜1990年代のゲームや映画、音楽などが大好物。そこで、“ポンズ”の愛称で親しまれている彼らに影響を与えたカルチャーを深く知るべく、こちらが用意したお題について語ってもらった。
今回のテーマは「愛すべき家庭用クソゲー」だ!(他テーマは最下部へ)
はじめに。
【サイボーグジョー】
“クソゲー”ッテナニ?
【アイキッド】
うーん…“バカ”ゲーム。ふざけたゲームっていう意味かな。
【サイボーグジョー】
アー、OK!OK!
【アイキッド】
クソゲーならポンポン浮かびますよ!
【その1】「トージャム&アール」(1992年発売、メガドライブ)
【アイキッド】
まずは「トージャム&アール」ですね。個人的にはクソゲーだと思っていないですけど、世間一般的にはクソゲーに分類されていると思います。
―― 調べてみると、“洋ゲー”(欧米メーカーが開発元のゲーム)のようですね。
【アイキッド】
このゲームは細めと太っちょの2人の宇宙人が惑星に不時着して、エンジンのパーツを探して冒険するっていうファンキーなアクションアドベンチャーです。突っ込みどころが満載で…。まず主人公の動きが異常に遅い!それにワケのわからない設定も多いんですよね。たとえば、フラダンスを踊っている敵に近付きすぎると自分もフラダンスを踊ってしまうとか(笑)。
【サイボーグジョー】
オー、フシギ、イッパイネ!
【アイキッド】
全編英語表示だから、アイテムの使い方も一切わからない。すべて当てずっぽうで進むしかないっていうハードなゲームでした。
―― クリアすることはできたんですか?
【アイキッド】
まさかまさか(笑)。一度もクリアしたことはないです。でも、このゲームの世界設定は我々に多大なる影響を与えてくれましたね。
【その2】「カメレオンキッド」(1992年発売、メガドライブ)
【アイキッド】
続いて挙げたいのは「カメレオンキッド」ですね。横スクロールのアクションゲームで、ステージが100面くらいあるんですよ。しかも、なかなか難しい。
―― 調べたら4ステージ、全104ラウンドあるみたいですね。よくあるアクションゲーム的な画面でおもしろそうですよ?
【アイキッド】
おもしろそうだと思うじゃないですか?でも、セーブ機能がないんですよ(笑)。「100面以上あるのにどうすんの!?」と。これもアメリカ発のいわゆる“洋ゲー”で、「アメリカ人はやっぱり発想がすげえな。どうしてこんなものを作った!?」と衝撃を受けたゲームです。もちろんクリアはできませんでしたよ(笑)。
【サイボーグジョー】
ヘーイ、アメリカ人、スゴイダロ~(笑)。
【その3】「レンタヒーロー」(1991年発売、メガドライブ)
【アイキッド】
最後は「レンタヒーロー」ですね。アーマースーツを着てヒーローに変身した少年が、ミッションをクリアしていくアクションロールプレイングゲームです。
―― そこだけ聞くとオーソドックスな内容ですし、おもしろそうですけどね。
【アイキッド】
世界の設定がとてもユルいんですよ。敵とエンカウント(遭遇)したらバトルが始まるんですけど、そこは別にいいんですよ。でも、通常のミッションが子犬を助けたり出前を手伝ったりと、最後まで緊張感がない。これは日本の作品なんですけど、アメリカっぽい“おバカ”な雰囲気やユーモアが出ていて。このゲームも、“ポンズのエンタメ”を作るうえで影響を与えてくれましたね。
【サイボーグジョー】
サスガ、アメリカネ!!