北海道日本ハムファイターズが2007年から毎年開催している「北海道シリーズ WE LOVE HOKKAIDO」。今年で10年目を迎え、毎年変わる限定ユニフォームなど、ファイターズファンならずとも知っているという方は多いのではないでしょうか。
そのユニフォームやキャップ、ヘルメットに、実は市町村名が掲出されていること、ご存じでしょうか。その市町村を決める抽選会が3日、札幌市内で行われたので、取材してきました。
実はファイターズでは「北海道179市町村応援大使」と題して、2013年から毎年18市町村にそれぞれ2名の選手を応援大使に任命する取り組みを行っています。対象の市町村は任期の1年間、ファイターズの選手を市町村のポスター・広報誌・ホームページ・ブログ掲載に起用したり、互いにアイデアを持ち寄りながら特産品等のプロモーションやイベント・行事に選手が協力するといったことが可能になります。
選手が北海道内の全市町村で地域の皆様と交流を図りながらまちづくり・まちおこしに寄与していくという、他球団でも例を見ない画期的なプロジェクトとなっています。
今回抽選の対象となったのは2017年の対象18市町村で、ユニフォーム1、キャップ3、ヘルメット5の計9枠を争いました。
そんな中、見事にユニフォームを引き当てたのは十勝総合振興局の新得町。挨拶した新得町の浜田町長はとても喜んでいましたが、「新得町は去年夏の台風で相当な被害にあっていたが、町民にとって本当に明るい話題をいただき、ありがとうございました。選手の皆さん、今シーズンも頑張ってください。」と感謝の気持ちを述べていました。
この取り組みが、災害からの復興に取り組んでいる町にも大きな希望を与える部分もあるのだと感じさせられた一幕でした。なおキャップは遠別町、別海町、稚内市が、ヘルメットは安平町、本別町、更別村、共和町、東神楽町がそれぞれ選ばれました。
抽選会後には市町村長と応援大使を務める選手との交流会が行われました。ちなみに大谷翔平選手が応援大使を務めているのは空知総合振興局にある月形町。こちらは農業が盛んな町で、この日も町長自ら大谷選手に名物のトマトジュース「月形まんまるトマト」を贈呈した他、町民からのメッセージを手渡していました。
懸命に右足首の故障からの早期回復を図り、開幕戦スタメン出場を目指す大谷選手にとって、何よりの励みとなったのではないでしょうか。月形町の上坂町長は「2月に沖縄で会って以来だったけれど、元気そうで安心しました。トマトジュースを飲んで今年も活躍してほしい」とエールを送っていました。
チーム、そして選手の活躍が地元の人たちの励みになる。ファイターズはなにより道民に支えられている球団なのだと痛感しました。
有本和貴