生駒里奈が何もない壁から突然出現!?超能力ファン必見の新体感型演劇登場!

東京ウォーカー(全国版)

演劇ライターはーこによるWEB連載「はーこのSTAGEプラス」Vol.95をお届け!

俳優・池田純矢が「演劇とは娯楽であるべきだ」と次世代感覚の演劇を上演、若者たちの支持を得ている「エン*ゲキ」シリーズ。演目ごとに学問のジャンルからテーマを選び、エンタメ作品に仕立て上げる舞台だ。

5作目となる『‐4D‐imetor(フォーディメーター)』は、昨年5月の上演予定がコロナ禍で延期、その1年間に大きく改編して臨む。今回のテーマは"量子力学"。あ、ここで引かない!量子力学を知らなくても全然OK。四次元世界や超能力といった未解明ミステリーを”イリュージョンマジック”でみせる芝居だ。

要は、いろんな超能力キャラたちがいっぱい登場して繰り広げるミステリーに、新子景視のステージマジックを融合させた演出で、「え?今、壁から出てきた?マジ!?」のような出来事がたくさん起こる芝居だと思う。マジックをいかに物語に溶け込ませ、普通にみせるのかがこの芝居の肝。体験型演劇とか"アトラクション・エンターテインメント"だと言われている。

詳しくは、大阪で行われた池田純矢と新子景視の会見コメントと、既に開幕した東京公演の舞台写真で紹介。でも、この舞台、百聞は一見にしかず。

謎の超能力者・No.α役の新子景視(右)と量子力学の権威・真堂歳延を演じる阿南健治撮影:岡千里

【あらすじ】
渡来超能力研究所所長・渡来暦(わたらいこよみ/池田純矢)は超能力の研究に明け暮れ、世間からオカルトマニアの変人と噂されている。ある日、研究所の壁面から、まるでテレポーテーションのように突如出現する、記憶を失った謎の少女・ノア(生駒里奈)。手掛かりは「ノア、必ず帰って来い。渡来超能力研究所で待つ」と書かれた血まみれのメモ。

同じころ、首相官邸ではテロ組織が総理を人質に立てこもる事件が。その手口は超能力でもなければ不可能!?一方、政府の国立研究所でも不穏な気配が…。事件の真相を追う渡来。失われた記憶、血まみれのメモ、テロ組織の目的、国立研究所の闇…あらゆる謎が次々と解き明かされていく。

【写真】テロ組織と戦う謎の少女・ノアを演じる生駒里奈撮影:岡千里

池田・生駒のW主演で贈る、ほぼ漫画的ストーリー。タイトル『‐4D‐imetor(フォーディメーター)』の意味は、超能力者のこと。渡来所長の推論で"三次元の肉体を持ちながら、四次元世界に干渉できるように進化した新人類のこと"だそう。こういうSFものは映像だとすぐ出来るけど、生の舞台だとなかなか手ごわい。でも、うまくいけば、映像より生の舞台で観る方が断然おもしろい舞台もある。

【きっかけ】
これまで、音楽と演劇を融合させた音楽劇に挑むなど、新たな演劇体験を模索する池田が、テレビで新子景視の"ブレインダイブ"というマジックを見て、超能力者役でオファー。新子は、京都で上演中の舞台『ギア-GEAR-』でもマジック演出を手掛け、もともと演劇世界に興味を持っていたこともあり快諾。

「最初に電話した時『何もない壁から入って出て来れますか?』って聞いたんです(笑)」(池田)
「普通なら『無理です』と言うところですが、『はい、できます』と(笑)」(新子)。
池田の無茶ぶりを無茶ウケ?できる新子、さすが、いい関西コンビだ(笑)。

【役柄について】
新子はその驚きのマジックから「超能力者」と言われている。で、役柄は超能力者、No.α(ナンバーアルファ)役。「まんま、やん」と本人も笑う。「ワクワクしています。お客さんに『1人、ほんまもんの超能力者がおったな』みたいな、舞台の信ぴょう性を増す役割だと思うので、できるだけ異質な存在感を出せれば」

池田は今回、作・演出に加え、プロデューサーの熱意に負けて初めて、このシリーズの舞台で主演することに。「ただただ不安、本当に怖いです」

【新たなチャレンジ】
新子は今回、物語の中でマジックショーを見せるのではない。「池田さんが叶えたいことをマジックでどう見せるかを考え、自然な流れの中で演出効果としてマジックを使う」という役割だ。「お話の中にマジックをうまく溶け込ませる部分は非常に難しかったですが、やりがいがありました。新しい体験型の舞台に仕上がっていると思います。また、同じマジックでも見せ方でまったく新しくなりますので、そこも注目していただきたいです」(新子)

「お客さんは舞台で不思議なことが起こっているのに不思議だと感じず、劇場を出た後に『あれ、よく考えたらおかしくない?』というものが随時仕込まれています。そういったイリュージョンと演劇の融合は、今までにない新しいチャレンジだと思っています。驚かせないことが一番の驚きになりますね」(池田)

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