藍染カレン(ZOC)がミュージカル初主演「これまでの人生で主役はなかった」

東京ウォーカー(全国版)

ボカロ楽曲である「悪ノ娘」のミュージカルで主演を務める藍染カレン(ZOC)

ボカロ楽曲である「悪ノ娘」の曲のなかで描かれている物語をミュージカル化。新しいキャストを迎えての再演となる。2021年10月8日(金)から12日(火)まで、東京「草月ホール」にて上演される。

このミュージカルで、悪政で名高い王女・リリアンヌを演じる藍染カレン(ZOC)。双子の弟で召使いのアレンを演じる三品瑠香(わーすた)とのW主演となる。

【写真】ミュージカル「悪ノ娘」にW主演で出演する藍染カレン(ZOC) 。悪政で名高い王女・リリアンヌを演じる

個別取材には黒のワンピースで登場。「最近買った、一張羅です。お花柄のジャガードが入っていてかわいいんです!無地が好きで、黒一色なのが気に入っています。靴下(炎の刺繍)は燃えています(笑)。髪形はエクステなんですけど、ちょっと切ってミディアムへアで、ポニーテールの髪を下ろしたリリアンヌはこれぐらいの長さかなと思って、合わせてみました」と、笑顔で語ってくれた。そんな藍染カレンさんに出演にあたっての意気込みを聞いた。

「24歳になりました。私はZOCとしてお仕事をさせていただいているからこそ、いろんな人に出会うことができています」

ふだんから自分がやりたいと思っているイメージが、リリアンヌと近い

――昨日(9月29日)に、稽古場で誕生日を迎えられましたね。今のお気持ちを教えてください。

【藍染カレン】昨日は集中稽古の真っ最中で、まさか自分の誕生日をお祝いしていただけると思っていなかったので、すごいうれしかったです。

24歳になりました。私はZOCとしてお仕事をさせていただいているからこそ、いろんな人に出会うことができているので、こういった機会を大事にしていきたいなって思っています。このミュージカルのお仕事をいただいたように、新しいことにも挑戦して、いい一年にしたいです!

――改めてお伺いしますが、今回は初舞台(ミュージカル)にして、初主演(三品瑠香さんとW主演)ということで、どう感じられていますか?本作への出演が決まったときの思いを聞かせてください。

【藍染カレン】出演の話を聞いた時は、超うれしかったです。でも、一方で「私なんかが!」って思ってしまいました。元々、前回の「悪ノ娘」のミュージカルの映像をかっこいいと思いながら何回も観ていたので、「えっ、あの作品ですか!」って感じで本当に驚きました。

中学生のときにボカロがすごい好きで「悪ノ娘」「悪ノ召使」にもむちゃくちゃハマっていた時期があり、10年後にこんな形で、この作品に携われるとは思っていなかったので本当にうれしいです。

最初から、リリアンヌの役柄をいただけることを聞かされていて、「さあ、跪きなさい」の台詞が言えるのもうれしいです。普段から自分がやりたいと思っているイメージが、リリアンヌと近いので、楽しめると思いました。

「髪形はちょっと切ってミディアムヘアで、ポニーテールの髪を下ろしたリリアンヌの長さに合わせてみました」

連日、初めましての人と一緒に稽古をしていくという経験がないので新鮮

――演じるリリアンヌはどんな人だと思いますか?

【藍染カレン】すごく寂しい人です。極悪非道で傍若無人、みんなに怖がられている王女様だけど、本当はただの14歳の女の子。ひとりで強く生きていこうとすごく戦っている人ですが、年相応の愛らしさもある人だと思います。

――リリアンヌと藍染さんとの共通点はありますか?

【藍染カレン】私がいつもZOCの藍染カレンとしてやっていきたいと思っている感じと、リリアンヌは似た部分が多いです。私の憧れるものを持っている人だなと思います。閉鎖的なところも似ています。彼女は王女ということもあって、お城から出ていないと思います。世間知らずだったり、自分の国なのに、場所をあんまりわかってなかったりするシーンがありますが、閉鎖的に育ってきた人はこうなんだろうなという感じです。「あ、わかるな」って思いながら演じています。

でも実際に演じてみると、彼女は14歳、私は24歳になったばかりで10歳のギャップは結構あって、埋めていく作業をずっとしています。あとは、彼女は選択する力をすごい持っていますね。白黒はっきりしているんです。私は結構、優柔不断なので、そこは違いますね。かっこいいし、うらやましいです。

「中学生のときにボカロがすごい好きで『悪ノ娘』『悪ノ召使』にもハマっていた時期がありました」

――藍染さんは、舞台やミュージカルに出演されるのは初めてですよね。

【藍染カレン】はい。初めて出演させていただきます。初めてづくしのことでして、これまでの人生で主役をやらせていただくことはなかったので、すごくうれしいです。役をいただいたからには絶対にしっかりと務めさせていただければと思っています。

――上演が迫っていますが、稽古は順調ですか?

【藍染カレン】最初は「だれとも話せない。どうしよう」と思っていたんですけど、出演者みんなでひとつの目標に向かってがんばっているので、段々みんなとも話せるようになってきました。昨日は誕生日をお祝いしていただいたりして、すごく楽しく過ごさせていただいています。

みなさんの役者としての熱量がすごいので、「私がちゃんとできないと話にならない」と思いながらがんばっています。身が引き締まる思いで稽古しています。連日、初めましての人と一緒に稽古をしていくという経験がないのでとても新鮮です。

「初めてづくしのことなので、これまでの人生で主役をやらせていただくことはなかったので、すごくうれしいです」

――アレンを演じる三品瑠香さんと共演してみていかがですか?

【藍染カレン】三品さんはすごく仲良くしてくださっています。最初に現場に入ったときは、みんな人見知りで三品さんとも話してなかったのですが、最近はお話できるようになりました。三品さんとは最初に会ったときから、「遠い人間じゃなさそうだな。人種が近いな。同じ星の下に生まれたな」って思ったんですよ。なので、すっかり仲良くなって、そういう意味では双子の役は演じやすいです。

お互いの役同士で、こんなふうに動いていこうというお話もできるようになって、すごく楽しいです。三品さんが演じるアレンはリリアンヌとは性格も対極的です。ふたりが交わったかと思うとまた離れて、というのを繰り返すのですが、そこが見どころなので楽しんでもらいたいです。

――今回の作品の台本を渡されて、台詞をはスムーズに覚えられましたか?

【藍染カレン】これまで映画に出演した経験はあるんですけど、本格的にこんなに長い台詞を覚えるというのはなくて、やっぱり苦戦しました。

相手がいないと覚えられないなと思ったので、相手の役柄の人の台詞を読んで自分で録音して、その台詞を聞いて自分の台詞を言って覚えました。

つねに台本を読んでないと不安になっていたので、ひたすら台本を抱えて生活していました(笑)。

「私がいつもZOCの藍染カレンとしてやっていきたいと思っている感じと、リリアンヌに似た部分が多いです」

――今のお話を聞くと、藍染さんが一生懸命に台詞を覚えられている様子が目に浮かぶようです。

【藍染カレン】私は元々、緊張する方なんです。ZOCの武道館ライブ前でも動揺してしまって、朝からからあげとか食べたりしました。今回の舞台は、落ち着いて挑めたらなと思っています。

――今回の作品について、見どころを教えてください。

【藍染カレン】世界観を大事にしている作品です。中世の雰囲気だったり、キャラクターの個性が強いので、そういったところを楽しんでもらえると思います。私とアレンの絆だったり葛藤だったりがこの作品のテーマでもあるので、ふたりの関係がどう変化していくのかを、この世界観のなかで感じていただければなと思います。

「今回のリリアンヌの黄色のドレスは、私のイメージをスタッフさんが考えてくださって、黒い部分を増やしたそうです」

ドレスを着ること自体、七五三以来ですごいうれしかった

――公開されている衣装を見ました。黄色のドレスと金髪の髪が美しく華やかですね。

【藍染カレン】ドレスを着ること自体、七五三以来なのですごいうれしかったです。女の子が憧れるふんわりした、まさにお姫様のドレスです。

今回のリリアンヌの黄色のドレスは、私のイメージをスタッフさんが考えてくださって、黒い部分を増やしたそうです。この話を聞いてさらにうれしく思いました。とってもありがたいです!

――藍染さんも殺陣のシーンはあるんですか?

【藍染カレン】三品さんをはじめ、皆さんの殺陣が超かっこよくて、私も殺陣をやりたい!と思っていたら、一振りだけありました。王女で命令する方なので殺陣はないんです。

でも、その一振りだけでめっちゃ筋肉痛になり、身の程を知りました(笑)。

「(今日の私服は)黒一色なのが気に入ってます。靴下(炎の刺繍)は燃えています(笑)」

――ミュージカルですから歌うシーンも多いですね。

【藍染カレン】「悪ノ娘」「悪ノ召使」を始め、オリジナル楽曲も含めて曲数が凄く多いので、楽しい曲もかっこいい曲もたくさんあります。それぞれの役柄で曲の雰囲気も違っているので、そういったところも合わせて楽しんでいただきたいです。

――ZOCで歌う藍染さんとまた違った藍染さんを観ることができますね。

【藍染カレン】はい。ZOCの時とは歌い方も変えています!

――最後にメッセージをお願いします。

【藍染カレン】好きな作品に携わらせていただき、本当に光栄です。最後までしっかりがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

撮影・取材・文=野木原晃一

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