依頼100件超えの日も!東京2020大会で義肢や車椅子を大量に修理したオットーボック

2021年11月18日 11:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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東京2020オリンピック・パラリンピックを支えたパートナー企業の“知られざる裏側”を紹介するWEB動画『THE BACKGROUND』に、総合医療福祉機器メーカーのオットーボックが登場。マーケティングマネージャー(義肢装具士)・深谷香奈氏が出演し、東京2020大会での仕事内容や、その役割について語った。

オットーボックのマーケティングマネージャー(義肢装具士)・深谷香奈氏


ドイツに本社をおく同社は、創業以来ひとり一人に合わせた機器を製造し続けており、東京2020組織委員会とスポンサーシップ契約を締結した東京2020パラリンピックでは、オフィシャルサポーターとして、選手やコーチ関係者が、日常・競技で使用する機器の修理サービスを行った。

多岐にわたる修理サービスに従事した106名の技術者たち

大会期間中、スタッフら106名が修理サービスに従事した


同社では、義肢装具や車椅子を扱う技術者、溶接を行う技術者、サービスを行うスタッフら106名が修理サービスに従事。今大会の期間中は、この人数で2083件の依頼をこなし、多い日は100件超えの依頼に応えてきたという。

パラリンピックには、ラグビーやバスケットボールなど、激しくぶつかり合うようなスポーツも。そういったスポーツで使用する車椅子は修理を請け負うケースも多かったそうで、「フレーム自体が傷んでしまったり、ヒビが入ってしまったりするんです」とのことだった。

また、「意外にもリュックの修理のご依頼が多数きました」とのこと。「代表選手団として使用していた公式のリュックが、ほつれたり穴が開いてしまったりして。リュックが山積みになってしまったこともありました」と振り返った。

とはいえ、“リュックの修理”といったサービスは、公に謳っているわけではないそうだ。同社は30年以上、パラリンピックを支えてきたが、その長年のサポートのなかで選手たちの信頼を獲得。「『オットーボックに行けば何とかしてくれるかも?』と、口コミが広がった結果、こういった修理の依頼が舞い込んでくるようになったのではないか」と深谷氏は推測する。さらに、「大会関係者やボランティアの方も当社の名前を覚えてくれているようで、選手が何か困っているときは『オットーボックに行ったら良いんじゃないか』と言うのが合言葉になっている(笑)」と深谷氏は笑顔を見せた。

パラリンピック開催前の苦労

今大会はコロナ禍での開催。スタッフを世界各国から集めるのに大変な苦労があったという


しっかりと選手たちをサポートしてきた同社だが、大会開催前には数々の困難があったそうだ。「先ほど話したように、今回、106名の修理サービス従事者が集結したのですが、その85%が海外からのスタッフでした。しかし、今大会はコロナ禍での開催でしたので、まず、それだけのスタッフが集まるのかどうか…という不安があったんです。結果的には、必要な数のスタッフが世界各国から集まってくれて本当に良かったのですが。依頼内容が多種多様なので、日本のスタッフだけで賄うというのは難しく…。コミュニケーションを取らないとまず始まらないというところもあるので、選手たちから見ても、各国からスタッフが集まっているということは、すごくメリットがあるんです」。

また、見たこともない依頼や機材がくることもあるそうで、そういった場合は修理サービス従事者の“経験値”が重要になるのだという。「どうすれば解決できるのか…。過去大会でも従事してきたスタッフたちは、それが瞬時に判断ができる。ですので、海外からもスタッフが集まるということは、メリットは大きいのです」と、深谷氏は付け加えた。

大会スタッフやボランティアたちから声を掛けられたことが、修理スタッフのモチベーションになった


苦労も多い修理サービスだが、支えとなったのは「多くの大会スタッフやボランティアたちから声を掛けていただく機会が増えたこと」と深谷氏。「例えば、清掃してくださっているスタッフの皆さんからは『ここはたくさんの選手が集まっていて、選手村のなかでも本当に重要な場所ですよね。絶対にここからはコロナ感染者を出しませんから!』と声を掛けていただいて、清掃していただいたり。辛いなかでも、そういった声のおかげで毎日楽しく仕事することができました」。


最後に深谷氏は、東京2020でのサポートを終えて総括。「障がい者とひと括りに言っても、適した環境や機器があれば普通に生活ができますし、パラリンピックで言えば、素晴らしい活躍ができる人がいたり、素晴らしいポテンシャルを持っている人たちがいるわけです。当社がパラリンピックで修理サービスを提供することで、そうした人たちの活躍を多くの方に見ていただくことができたと思います。ただ、例えば競泳選手の活躍する姿を日常生活にまで落とし込んで、障がいのある体でどうやってプールまで行っているのかな?と想像していただくことが、私たちがサービスを提供する本当の願いです。実際に、この東京大会はそのきっかけになったのではないかと思います

映像提供:NewsPicks Studios 
素材提供:オットーボック

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