広井王子が総合演出を手がける「少女歌劇団ミモザーヌ」の冬公演「Winter Story~きくたまこと卒団公演~」が12月28日(火)に大阪で、2022年1月9日(日)に東京で開催。19歳までの少女で構成される少女歌劇団は20歳で退団することとなっており、10月に20歳を迎えた一期生のきくたまことは公演名の通り今回で卒団が決定している。
今回の公演ではそんなきくたまことの卒業を祝して、人気お笑い芸人が応援に駆けつける。大阪ではエルフ、コロコロチキチキペッパーズが、東京ではレイザーラモン、尼神インターがそれぞれの回で登壇予定だ。
今回公演を目前に控えたきくたまことと、そしてエルフの2人に見どころなどの話を伺った。
20歳で卒業となるミモザーヌ、これまでを振り返ってみて
――まずはきくたさん、今回の公演で卒団ということですが、在籍してからの3年間を振り返られていかがでしたか?
きくた「今年の夏に初めて有観客での公演『Romance〜恋するように〜』に出演させてもらって、初めてお客さんの顔を見ることができて『こんなに楽しいんだな』って改めて感じました。今コロナウイルスの影響で人と接触することがなかなか難しい時期だとは思うんですけど、やっぱり笑顔を誰かに伝えたりだとか、今の時代だからこそ大切なことだと思うので、これからもずっと出続けて行きたいと思います」
――パンデミックという未曾有の事態を含めて、やはり大変な思いを経験されたのではないでしょうか?
きくた「私が受けたオーディションの時点では、次の夏にデビュー!みたいな感じで、張り出されてたんですよ。なんですけど、私たちの実力不足で最初のお披露目自体が無くなったりして…。その次のお披露目の時期も潰れてしまって、ほんと1年ぐらい基礎レッスンや同じ曲を練習し続けるっていう期間がありましたね。その時は正直『何目指してやってるんやろ』『こんなこと目指して入ったわけじゃないのに』って思ってしまう時期があったのでそこは本当に辛かったですね。今、三期生までいるんですけど、一期生の子が一番辛いことを経験したと思います」
荒川「それはキツイな〜」
――エルフのお2人も芸人として共感するところなのでしょうか?
荒川「『何やってんねんやろ』っていうのはもちろん分かりますね。でもそれを乗り越えないと、それすらも楽しまないと、ってことはありましたね。芸人と歌劇団という別の世界ですけど、今のお話を聞いてやっぱりあるんだなって思いました」
はる「そうですね、『芸人だからヘラヘラしてるだけ』『面白いことだけしてたら仕事につながる』って思われる方が多いかもしれないですけど、それだけじゃないところも、もちろんあるというか…。でもそれを(お客さんに)見せるのがカッコよさでもないですし、そういうところが重なるところもあるんじゃないでしょうか」
――そんな大変な苦労を越えて少女歌劇団ミモザーヌがデビュー、今年夏に初の有観客公演に至ったわけですね。
きくた「そうですね。実は小学生の時にお芝居で舞台に立たせてもらうことがあって、その時は芸事との両立が難しくて舞台を辞めてしまったことがあったんです。でも母が少女歌劇団の募集を見つけてくれて、夏の公演では、また舞台上で歌ったりする私に母は一番喜んでくれていました」
――なるほど、それではきくたさんが少女歌劇団ミモザーヌに入ってよかったことを教えてください。
きくた「やっぱりメンバーに出会えたことがよかったですね。私が入った時は同い年の子が私含めて3人いたんですけど、全員他の事情で退団することになってしまったりして、結果的に最年長がひとりになってしまいました。初めは不安だったんです。リーダーとしてみんなを引っ張っていくタイプではないので『私が最年長でやっていけるのかな』って思ったりしてましたね。でもありがたいことに任せられることも多いし、そんな私をみんな慕ってくれたのが、この歌劇団での1番の宝物です。私は今回で歌劇団を去りますが、これから興味のある人にはどんどん応募してほしいですね。どんな方でも光るものはあるので迷わずに挑戦してほしいです」
――リーダーという立場として広井王子さんから何かお話とかはありましたか?
きくた「お世辞を含んでくれているとは思うんですけど『まことがいてくれたから今の少女歌劇団があるんだよ〜』って言ってくれたことがあって、そういう言葉をかけてくれることが嬉しかったです。大変なこともあったけど自分のしてきたことは間違いじゃなかったんだなって改めて感じました。まだ今回の公演に関しては何も言われていないのですが『楽にやればいいんだよ〜』ってフランクに仰ってくれるような気がします」
思わずエルフ・荒川も食いつく今回のテーマとは?
――冬公演「Winter Story~きくたまこと卒団公演~」についてお聞きしますが、前回の夏公演とはどういうところが違うのでしょうか?
きくた「前回の夏公演ではショーケースのような曲が単発ものだったりしたのですけど、今回は色んな曲が全部繋がっててミュージカル構成みたいになってて、さらにお芝居もあってまた違った一面を見せることができるかなと思います。1幕目がお芝居を含めたショーで、2幕目では色々な曲をお届けします」
――エルフのお2人はどういったところで登壇するのでしょうか?
荒川「現在調整中なんですが、1幕と2幕の幕間にエルフと分かるネタと、ミモザーヌのメンバーとちょっとしたコーナーをしてほしいという依頼を聞きました。いま現在『エルフと分かる』ネタをどうしようか考えてます。ギャルあるあるとかは20歳オーバーが共感するネタなんで(笑)。若い歌劇団の舞台で見せていいものなのか…と色々と考えています」
きくた「すごい楽しみです。多分幕間でも緊張してるので、エルフさんのネタでテンションを『ブチ上げ』て欲しいですね」
――今回の公演のテーマはなんでしょうか?
きくた「前回は『恋』がテーマだったんですけど、今回はそれが大人っぽく『愛』に変わるんですよ」
荒川「あらっ!それは楽しみ!」
――荒川さんがものすごい反応してますけど、何かあったのでしょうか?
荒川「ギャルとしては黙ってられないですね。実は片想いしてた人に振られまして『愛』について考えることも増えたんですよ。私のしていたのは相手に求めてしまう『恋』だったんだなって…。すいません、こんな恋バナしちゃっていいのかしら」
一同 (笑)
荒川「個人的にお酒飲みながら考えてたタイムリーなテーマなんですよね。『愛』って、(きくたに向き直りながら)やっぱり求めないことらしいですよ」
はる「どこから話繋げてるねん!」
荒川「私の失恋をぜひ公演に取り入れてください」
きくた「みんなに伝えておきますね(笑)」
――きくたさんは卒団後の目標はあるのでしょうか?
きくた「やっぱり演じることが好きなので女優さんになりたいなって思ってて、その中でもミュージカルが好きなので女優としてやって行きたいです。女優として『この子が出てるから見に行きたい』って言ってもらえるようになりたいですね。それで、大きすぎる夢なんですけど大好きな『レ・ミゼラブル』に出演したいですね」
荒川「大きすぎるとか言わなくてもいい、絶対出れるよ!…それで『レ・ミゼラブル』って何?そういう劇団?」
一同 (笑)
――最後に公演に来てくれる方にメッセージをお願いします。
荒川「一人ひとり、夢があってパワーをもらえると思うんです。若い子たちのみんなで一生懸命やってきたもの、そんなパワーをもらえるんじゃないかなって、上手い下手とか前後ろとか関係なくて、みんなでやりたいことを気取ってないその目とかそういうところを応援して行けたらと思います」
はる「今日の卒団公演などのお話しを聞いて、皆さんはもちろん、出演させてもらっている私も楽しみにしています。やっぱりお客さんも一緒に楽しんでもらえる時間にしたいな、私も当日は全力で応援していきたいです」
きくた「色んな方に応援していただいてるので、その分私たちがお客様に返していけるように頑張りたいです。それに私も最後ということですからみんなに『まこっちゃん、大丈夫かな』って思われないように堂々と去って行けるように頑張るので、応援よろしくお願いします」
少女歌劇団ミモザーヌ冬公演「Winter Story~きくたまこと卒団公演~」大阪公演は12月28日(火)堺市東文化会館メインホールで、東京公演は1月9日(日)草月ホールで行われる。
取材・文=さくらいけんたろう
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で随時情報が変わる場合があります。ご利用の際はできるだけ電話などの事前予約や確認をおすすめします。
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。