一見するとどこでも見かけるような、町中に信号機の立つ光景。けれど、写真では何故か信号機の支柱を指でつまんでいて……。実在の光景に溶け込んでしまうリアルすぎる自作の信号機ジオラマが「本物にしか見えない」とSNS上で注目を集めている。
「トリックアートだと」精巧すぎて錯覚生む信号機ジオラマ
話題を呼んでいるのは、都市風景のリアルなジオラマを制作しているCityscape Studio(シティスケープスタジオ)/都市モデラーMAJIRI(
@Cityscape_Std
)さんが1月19日にTwitter上に投稿した一枚の写真。快晴の実際する街並みを背景にした、架空の「都市景観工房前」信号前の風景だ。
信号機やそれを支える支柱はもちろん、張り巡らされた配線や固定パーツ、押しボタンなど細かな部分まで形状や色合いを忠実に再現。支柱をつまむ指が写っていても一瞬ジオラマと分からなくなりそうな精巧さで、Twitter上では「トリックアートだと思った」「手がなかったらミニチュアと分かりませんでした」「完成度が素晴らしい」というコメントとともに、19.5万件を超える驚異的な反響を集めた。
パーツの「バネ」まで再現、既製品なしで信号機のある風景を作り出す
制作者のMAJIRIさんは、既製品をほとんど使わず、3Dプリンタなどを駆使しパーツレベルで自作したジオラマを数々制作。JR中央線沿線の風景や渋谷のランドマークの様子など、街並み全体を再現したジオラマでたびたび注目を集めている。
MAJIRIさんによると、今回の信号機ジオラマは設計から完成までで約半月。設計段階には1週間といつも以上に時間を費やしたという。全パーツがオリジナルの設計で、所有する3Dプリンターで出力し用意したという。
サイズは1/24スケールで制作し、全高は約250ミリ。本来のスケールに換算すると約6メートルの大きさの情景をスケールモデルで現実さながらに再現しているから驚きだ。歩行者信号など各所にこだわったという同ジオラマだが、中でもMAJIRIさん本人が気に入っているのは「歩行者信号を吊り下げている部品」とのこと。東京の信号機で見られる特徴的な部品とのことで、部品の中に入ったバネをジオラマにおいても3Dプリントで再現。「かなりマニアックですが、見る人が見ると東京の信号機だ!ということがわかります」と細部の見どころを教えてくれた。
今回のジオラマはMAJIRIさんのYouTubeチャンネルでメイキング動画も公開中のほか、ミニチュアテーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」(東京都江東区)にて2月末まで実物が展示される。
取材協力:Cityscape Studio(シティスケープスタジオ)/都市モデラーMAJIRI(@Cityscape_Std)さん