今を大切に 中川大志&平祐奈が語る「ReLIFE リライフ」

関西ウォーカー

世界累計2400万ダウンロードを突破した漫画アプリで連載スタート時よりランキング1位を独走する夜宵草原作の大ヒット青春コミックの映画化作品「ReLIFE リライフ」。中川大志演じる27歳でニートの海崎新太は、社会復帰実験プログラム“リライフ”に参加して1年だけ見た目が17歳に若返り高校生活をやり直すことに。再び高校生活を送る中で、平祐奈演じる極度のコミュニケーション音痴な日代千鶴らクラスメイトとの出会いを機に、"今"を懸命に生きようと変化していく姿を描いた青春物語だ。ファンタジーな設定とリアルな心情描写が交差する本作の魅力について、主演の中川大志と平祐奈に聞いた。

映画「ReLIFE リライフ」主演の中川大志と平祐奈にインタビュー!


―ファンタジーな物語の中に、リアルな心情描写が織り交ぜられていて非常に面白いなと感じました!先ずは、完成した作品をご覧になられたお二人の率直なご感想からお聞かせいただけますか?

中川大志「まさしくそこですね!『ReLIFE リライフ』の魅力は、ファンタジーと現実世界が隣り合わせで共存している世界観だと思います。僕もそういう世界観が好きなんですよね。平凡にニート生活を送っていた海崎は、ある日突然に社会復帰プログラムの“リライフ”という実験に参加することになって、27歳が高校生に戻ることでストーリーが動き出す。と、入り口が不思議な映画なので、観ている人はきっと驚くんじゃないかなと思います。だけどそこからどんどん王道の青春にも繋がっていくので、面白味が様々に変化していく今までにない青春映画になっているなと思いました」

平「私も今までにない新しい青春映画ができたなと感じましたね!カラフルでポップに描かれているので、誰にでも気軽に観てもらえる作品になっていると思います。また、漫画に似せて撮っているシーンもあるので、原作ファンの方には“あそこのシーンだ!”と漫画を読んだ時の記憶をたどりながら楽しんでいただけるはずです」

―中川さんより9歳年上にあたる27歳の海崎を演じてみていかがでしたか?

中川「今までは学生役が多かったので、まさか18歳の僕が9歳も年上の役をいただけるとは思っていなくて、未知の領域だと初めは驚きました。学生役を演じる時は、自分が現役の学生だったからこそ等身大で表現できることがたくさんありました。だけど今回の海崎役は、27歳を演じるだけでなく、そこからまた10代に戻るので役作りとしては往復していて作業としてはひとつ多くなる。いつもなら現役の学生という強みを武器にして演じることができたけど、今回は逆に邪魔な要素になる。10年ぶりに学生に戻るということを常に考えながら、新鮮かつ懐かしい気持ちで演じましたね。難しい役どころでしたが、なかなかこういった設定で演じられる機会もないので、すごくワクワクしながら挑みました」

―役作りに当たってリサーチしたり取り組んだことなどありますか?

中川「27歳までの9年分を僕はまだ生きられていないので、そこをどうやって埋めていくかというところをリサーチして役作りしていきました。海崎は一体どういう10年を過ごしてきたんだろうという想像と、実際に海崎と同じ世代の人にお話を聞きながら、27歳ってどういう感覚なんだろうかと考えながら自分の中で一から役を作っていきました。共演した千葉雄大さんも海崎と同世代なので、どういう音楽を聴いて育ったのかだとか、漫画やテレビのことなどカルチャーについて話をたくさん聞きましたね。劇中に出てくるMDもそうですけど、9年も違えばジェネレーションギャップが結構ありました。リサーチしたことが直接的に海崎という役で出せなかったとしても、知っているだけで心持ちも違ってくるかなと積極的に聞いていました」

―海崎が"リライフ"して学校に入った瞬間、「怖ぇ~!」という声を漏らすシーンがすごくリアルだなと感じました。

中川「クランクインしてから最初の3日間で、会社で働いていたりニート生活を送っていた“リライフ”前の海崎をまとめて撮ったんです。その後に仙台で約1か月間にわたって“リライフ”後の高校生活を撮影することになるんですけど、その前に撮休があったので実際に自分の通っている学校に行く日ができたんですよね。いつも着ている制服で、いつも通り学校に行っただけなのにすごく違和感があって…!それまでスーツを着ながら会社に行ったり飲み会に行ったりするシーンを撮影していたので、その後に学校に行くと、同級生がいつもよりキラキラしているように見えたんですよ。その時、『あ!海崎になれてる…』と思いました。だからこそ安心して、そのまま仙台で“リライフ”後の海崎を演じることができました」

―とても明るくハツラツとした印象の平さんとはギャップのある、内気で暗いキャラクターの日代ですが演じてみていかがでしたか?

平「自分とは正反対な性格の女の子だったので、すごく難しかったです…。笑顔を封印しないといけないし声のトーンを低くしたり、目線も低くして一点を見つめて話すとか意識して演じました。原作がアニメにもなっていたので、アニメを観て研究もしました。一定のトーンで話さないといけない中で、少しでも油断してしまうと気持ちが入って抑揚が付いてしまうので、撮り直したりすることも度々ありました」

―そんな内気な日代も海崎の言葉で変化していきます。熱い言葉がたくさん出てきましたが、中でも特にグッときた言葉はありますか?

平「やはり映画の中でも一番キーワードとなる“今を大切に”です。卒業式のシーンでも出てくるんですけど、キャストみんなが大志くんを目の前にして聞いたあの時は特にいろいろな想いが伝わってきました。みんなで心が通い合ったような瞬間だったと思います」

―海崎の言うように、大人になってみれば学生時代ならではの"儚さ"が分かるから"今を大切に"と伝えられると思うんですが、学生の内ってその意味になかなか気づけないですよね。撮影中は学生だった中川さんにとって、この"今を大切に"という言葉はリアルに感じられましたか?

中川「大人の人には、"今を大切に"とよく言われるじゃないですか。『もっと勉強しとけよ!』とか『青春は今しかないぞ!』と。だけど当の本人からすると、やっぱり今の自分の状況ってよく見えなかったりすると思うんです。僕も『うるさいなぁ』と思っていましたからね(笑)。なので僕が海崎を演じている時は、まだ現役の高校生だったので"今を大切に"というのはきっとこういうことなんだろうと想像しながら演じていたことになります。だけど実際に自分が学校を卒業した今、その"儚さ"をやっと本当に理解できたと思っています。どんなにその瞬間はやりきったと思っていても、終わってみないと見えないことがいっぱいあると思うので、今まで大人の人たちが言っていたことの意味がやっと分かってきたんだと思います。それでも、いくら人から言われたとしても終わって初めて気づくまではなかなか分からないことがあると知っているからこそ、あんまり押しつけがましくは言いたくありません。なので、大人の目線で描かれたこの映画をきっかけに、自分たちが今いる学校生活というのはこういうものなんだと感じてほしいですね。大人になってしまえば、今はこんなにも儚い一瞬のひと時なのかと、人から言われるより映画を観てもらった方が、もう少し俯瞰で外から見てもらえると思います。そうやって、"今をもっと大切にしよう"とか、"今を全力で生きてみよう"と思ってもらえたらと嬉しいですね」

―平さんはいかがでしょうか?

平「撮影期間中に海崎が言う言葉によって、私自身も“本当に今しかない”、“時間を大切にしないといけないな”と改めて思うことができました。自分も大志くんと同じ年なので、私も卒業してから高校生活について思い返す部分もあります。だけどやっぱり、ニュースを見ていてもいろいろなことが起こっているし明日には何が起こるか分からないからこそ、自分が“今、楽しい”と思えることとしっかり向き合って、自分が満足できることができたらと思いました。当たり前のようで全てが当たり前ではないから、ひとつひとつを大切にしていきたいです」

―劇中には学園祭だったり夏祭りといった、学生にとってはかけがえのないイベントがいくつも描かれていますが、特に印象的なシーンはありますか?

中川「学祭のシーンは、みんなでダンス練習したりして特に思い出に残っています。ほんとのクラスメイトみたいにずっと練習してきたのに、ふたを開けてみたらダンスの途中に、海崎が他の学生と喧嘩を始めるシーンで。せっかく練習したのに、全部踊りきれなくなってしまったことには、申し訳なさと残念な気持ちもあります…(笑)」

平「たしかに、全部踊りたかったね!(笑)。私は夏祭りのシーンですね!実は、仙台で3度という極寒の中での撮影で、しかも雨のシーンがあったのでカメラも凍りそうになるぐらい寒くって…。だけど、その雨の中をみんなで走っていくところがハイスピードで撮られていて、出来上がりを観るとすごく青春らしくて大好きなシーンになりました。浴衣を着た夏祭りだけでなく、全体的に自分の高校生活ではなかなか経験できなかったことで、やりたいと思っていたイベントを作品を通して体験できたことがとても嬉しかったです」

―リアルに“リライフ”できたような感覚に。

平「そうですね!“リライフ”するには歳が近いですけど、映画を通してまた違った青春を味わうことができましたね」

―ありがとうございます。それでは最後に、これからご覧になられる方にメッセージをお願いいたします。

中川「この映画は、27歳の主人公の海崎が社会に出て、厳しい現実とぶつかったことを機に自信を失い諦めかけているところから物語がスタートします。社会人のみなさんには、海崎のメッセージの中に共感してもらえる部分があったり、きっと学生時代を懐かしく感じてもらえるはずです。また、今まさに現役の学生のみなさんには、自分たちが過ごしている学校生活という限られた時間の儚さを感じてもらえたり、これから社会に出ていく未来について少しでも考えるきっかけにもなるんじゃないかなと思います。世代によってメッセージの届き方が違ってくるところも、この映画の魅力だと思うのでいろいろな世代の方に観てほしいなと思います!」

平「4月から社会に出られた方には、海崎新太の熱いメッセージにきっと勇気をもらえるはずです。高校生の方には胸キュンポイントもたくさんあるし、世代も男女も問わずに、いろいろな視点で楽しんでもらえると思います。一緒に“リライフ”した気分になって、たくさんの方にご覧いただきたいです!」

映画「ReLIFE リライフ」は大阪ステーションシティシネマほか、全国の上映劇場にて大ヒット公開中!

【関西ウォーカー編集部/大西 健斗】

大西健斗

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