関東学院大学×横浜ウォーカーのコラボイベントとして開催されている特別公開講座「横浜学」。4月16日、第24回となる講義が開催された。テーマは「横浜とみどり」。
最初の登壇者は関東学院大学経済学部教授、望月正光先生。2009(平成21)年度から横浜市で実施されている「横浜みどり税」について、その役割と効果について説明してくれた。「みどり税」として市民から集められた資金は、横浜の緑地・農地保全や新しい緑の創出に利用され、大きな効果を上げている。望月先生はその実績を詳しいデータと共に紹介し、「目に見えるような変化は感じられないかもしれないが、確かな効果が出始めていることを認識して欲しい」と理解を求めた。
次に登壇したのはNPO法人よこはま里山研究所NORAの理事および主任研究員でもある吉武美保子先生。田んぼや畑や雑木林など、人と自然が共生する場所「里山」について、写真を交えて解説してくれた。横浜には街のなかに小さな里山が点在し、そのそれぞれが地域の市民活動によって保全されているという。このような市民による活動が地域コミュニティをより深め、地域の緑を守り育てていく力につながっていくと語った。
最後は横浜市環境創造局みどりアップ推進部長、緒賀道夫先生が登壇。「横浜みどりアップ計画」の概要から、その理念や広報活動の展開を解説した。また、3月25日から6月4日(日)まで行われている「全国都市緑化よこはまフェア」についても説明。「みどり豊かな横浜の街づくり」がどのように進んで行くのか、臨海部のさらなる緑化や公園の再整備など、今後の取り組みを紹介して講義を締めくくった。
三者がそれぞれの立場から、横浜市の緑の減少や保全について語った今回の講座。あらためて、緑のある都市・横浜の魅力を再認識し、今後の保全活動の在り方にも目を向けるきっかけとなった。
次回の「横浜学」は「横浜と金融」をテーマに6月18日(日)に開催の予定だ。【横浜ウォーカー】
奥村沙枝奈