【漫画】“架空のエッセイ”漫画が描く、この世のどこにもない世界観に引き込まれる

東京ウォーカー(全国版)

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新型コロナウイルスの影響で、今年も家で過ごす時間が長くなりそうなゴールデンウィーク。そこでウォーカープラスでは、出かけられなくてもおうちでおでかけ気分や別世界に浸れる漫画を特集。今回紹介するのは、数多くのオリジナル作品を発表している電気こうたろうさん( @gurigurisun )が描く“架空のエッセイ”シリーズだ。

人物も出来事もすべてが架空、摩訶不思議なエッセイ漫画

【漫画】本編を読む画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)

架空の人物ネコゾウが体験したことを描く同シリーズ。短編「スクエアマン」では、世界のどこかで行われている同名の奇祭について記している。裕福な家庭の次男がなるという“スクエアマン”。老いた母の母乳を飲む、アイスクリームだけを食べるといったルールのようなものから、「最初の日に見た夜空をきっと忘れられない」という予言めいた内容まで、行動や思考に至るまで数えきれない掟の中で育った存在なのだという。

ネコゾウ旅行記「スクエアマン」4画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)

そして記憶をなくし意識もまだらになったころ、スクエアマンは80キロ離れた生家に自らの足で帰ることになる。痩せた土地に豊饒をもたらすために500年もの間続けられた奇祭と、スクエアマンに選ばれた人物の家族の心情を描いた一篇だ。

「エッセイ漫画が描きたい、でも出かけられない」から生まれた“漫画旅行記”

このほかにも、「肺の健康博物館」なる施設を訪れた時のエピソードや、ヘルシーバーガーという架空の食べ物をきっかけに始まる話など、幻想的ながらどこかにユーモアや切なさも感じられる、不思議な読後感に浸れる同シリーズ。

作者の電気こうたろうさんは「エッセイ漫画を描きたいのに家から出れないことがとても多くてネタが作れず描けずじまいで、それなら全く知らない奇妙な場所を旅行するお話にしたら描けそうだし面白そうだと思って描きました。漫画で旅行している感じでした」と、架空のエッセイを描き始めたきっかけを話す。

架空のエッセイ「肺の健康博物館」1画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)

エッセイの中で、ネコゾウという語り手が共通して存在する理由については「もともと自分はネコゾウという自分の分身を使ってエッセイ漫画を描いていました。ネコゾウが出てくることにより、現実と幻想のラインが曖昧になって架空の話がスッと入ってきやすくなったり、幻想の境界を越えてもネコゾウがいれば読者も自分もロープで繋ぎ止めておいてくれているという安心感があるからです」と、分身の存在がもたらすものを教えてくれた。

また、こうした話作りのアイデアは「音楽探し」からはじまっているという。

「ビビッとくる音楽に出会うと、設定や世界観や言葉がバーッと浮かんできます。そうしたら今度は漫画で使うナレーションを作るために、その音楽を繰り返し聴きます。頭の中の理論と音楽のもつ力を合わせてナレーションを完成させたら、コマにナレーションに合わせた絵を描いていって完成させます」

架空のエッセイ「肺の健康博物館」5画像提供:電気こうたろう(@gurigurisun)


さらに、エッセイシリーズに共通して印象的な、どこか夢の中のような光景や出来事については「子供の頃からずっと持っているものなのでうまく説明できませんが、それこそ音楽によって思い出されるような感覚です。出来れば思い通りに引き出しから出せたらいいのですが、かなりランダムなところがあって自分でも操りきれてないところがあります」と、理屈では説明できないところにある感覚的なイメージを描いているのだという。

コロナ禍で行きたいことや、やりたいことがあってもなかなかできない状況が続く中、現実離れした空想の世界を、“架空のエッセイ”で追体験してみてはいかがだろうか。

取材協力:電気こうたろう(@gurigurisun)

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