小栗旬が、初めてミュージカルに挑戦する話題の舞台「ヤングフランケンシュタイン」。コメディの巨匠メル・ブルックスが、数々の「フランケンシュタイン」映画をパロディにして作った1974年公開の映画「ヤング・フランケンシュタイン」をもとに、2007年にブロードウェイで初演した爆笑コメディミュージカルだ。トニー賞の最多受賞記録を持つ大ヒット作「プロデューサーズ」のクリエイティブ・スタッフが作ったことでも有名になった。
物語は、怪物を生み出したフランケンシュタイン博士の葬儀から始まる。その血筋を隠し、脳外科医としてニューヨークで暮らす孫息子フレデリックが、遺産相続のためトランシルバニアの城へ。そこで祖父の実験記録を読むうち、自らも怪物を生み出して…。
日本版で上演台本・演出を手がけるのは、映像や舞台などのヒットメーカー、福田雄一。小栗のほか、ムロツヨシや賀来賢人ら、強力なキャストが顔をそろえる。この作品に、最近は舞台でも活躍する瀧本美織が出演。これまで真面目な女の子というイメージの役が多かった彼女が、コメディ作品に初出演する。役柄は、博士のセクシーな助手・インガ。
瀧本は、小学校6年からダンスボーカルユニットで3年間活動。「ダンスや体を動かすことはすごく好きで、新体操をやったりしていました」と語る。彼女の新たな魅力が発揮される舞台になりそうだ。福田や小栗と顔を合わせる6月以降の稽古を楽しみに来阪、「ミュージカル女優って名乗れるように頑張ります!」と、意気込みを語ってくれた。
Q:出演が決まった気持ちは?
「福田さんの映像がすごく好きで、福田さんがやるからには絶対におもしろいだろうなと。自分自身お笑いがすごく好きだったんですが、今までやってきた役は素直で一生懸命な女の子みたいな真面目な役が多かったので、今回は思いきっておバカになれそうだなという印象が一番にありました(笑)」
Q:福田さんのどんな作品が好き?
「最近だと『スーパーサラリーマン左江内氏』『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『33分探偵』とかが好きです。今回、福田組に初めて飛び込むので、すごくドキドキしてます。でも、一緒にお仕事したいと思っていたので、不安より楽しみたい気持ちでいっぱいです」
Q:映画や舞台を見ましたか? その印象は?
「原作の映画を見ました。白黒映画なんですけど、鮮やかな色が見えるような映画でした。奇抜な演出や奇想天外なストーリーに、役者さんのお芝居もリアクションが激しかったりして、引き込まれる要素がたくさんありました。仕かけがたくさんあったのもおもしろかったので、ステージでの仕かけも楽しみですね。これに福田節が加わって、舞台としてどう上演されるのかなと思っています」
Q:インガという役柄は?
「自由奔放な女の子という印象です。頭で考えずに気持ちで動いちゃうような。ほんとに自由なかわいらしさがある人だと思うので、それが声でも表せたらいいなと思います」
Q:ヨーデルを歌うシーンがあるとか。
「ヨーデル、難しいんですよね、すごく。これから特訓しなきゃなと思ってます。ブロードウェイの舞台を歌の部分とか断片的に観たんですが、ミュージカル女優さんがやられていたので、これは大変だなと。でも、やってやるぞ!という気持ちで(笑)」
Q:お笑い好き? 演じる方も?
「そういう気持ちはあったんですが、なかなか機会がなくて。人を笑わせたい願望がどこかにあるんじゃないかなぁと思います(笑)。だから今回のコメディ作品も、ほんとに楽しみにしていました。飛び込んで行きます!」
Q:共演者の方について教えてください。
「皆さん初めてお会いする方ばかりで、テレビでも共演したことなくて。でも、皆さん個性が強い方ばかりなので、そのいいパワーをもらいつつ、自分の役に生かしていきたいと思ってます」
Q:お客さんで観るとしたらどなたに注目を?
「小栗さんはもちろん。小栗さんの歌とダンスが観られるだけでも、このミュージカルに行きたいって、思ってもらえる要素のひとつになるんじゃないかなと。それからムロさん、好きです。ああいう遊び心みたいなものは、素から出てるんじゃないかなって思うので」
Q:ミュージカルへの思いは?
「これまで、舞台は自分とはかけ離れた存在というふうに思っていて、自分からミュージカルを観に行ったりしたことはそんなになかったんですけど、自分が舞台をやるようになってから、いろいろな作品を観に行くようになりました。ミュージカル俳優さんを尊敬しています。全身で表現できることが演者の喜びだと思うので、達成感が味わえるのかなぁとあこがれています」
Q:舞台と映像の違いは?
「ドラマは一瞬一瞬を撮っていくような感じなんですが、舞台は始まったら終わりまで、その世界がずっと続いていくので、演じていると気持ちもつながっていく感じがすごく楽しいですね。生ならではのハプニングもあったりして、日々違うのがすごく好きです。舞台をやるまでは、あまり縁がないのかなと思っていましたけど、やってみたら、すごく楽しんでる自分がいたので。お稽古も、長い時間をかけて一つの役を少しずつ積み上げていけるので喜びを感じます」
Q:お客さんを目の前にドキドキしませんか?
「ドキドキはしますけど、お客さまに観ていただいて成立するのが舞台だと思うので。いい緊張感を持ちつつ、アドレナリンが出たり、すごい力が出たりするので、おもしろいです」
Q:演技をするのに、一番大事にしていることは?
「お芝居は相手あってのものなので、一番は気持ちですね、気持ちを大事に演じたいといつも思っています。頭で考えるより、気持ちで感じたことの方が大きいもののような気がしていて。相手との距離感だったり、そこで初めてお芝居を交わして生まれるものだったり。そういう化学反応が起こった時、あぁ楽しいなって思う瞬間があって、それを味わえるのがすごく好きですね」
Q:読者にメッセージをお願いします。
「今回はこの豪華な顔ぶれで福田さんが演出、未知数のおもしろさがあると思います。歌もダンスもあって、すごくにぎやかなミュージカルになりそう。アトラクションのように、なにも考えずに楽しんでいただけるような舞台になると思うので、劇場に遊びに来てほしいです。劇場が違うと雰囲気も変わると思うので、大阪色の『ヤングフランケン』をお見せできれば。そして、笑っていただけたらウレシイです!(笑)」
Q:大阪の印象は? 関西に来た時必ずすること、行くところは?
「大阪は第2の故郷のよう。大好きな人たちもいますし、来たらいつも自然と元気になって帰れるようなパワーをもらってますね。NHKには今も遊びに行きます。朝ドラを撮っていて、友達の女優さんが出ている時に遊びに行ったりとか。スタッフさんもなじみの方ばっかりだし。NHKの人たちと一緒にご飯に行ったりも。大阪は食べるものもおいしいですよね。私、食べることが大好きで(笑)。焼肉とか、お肉が大好きなので、今回も出演者の方と一緒に行きたいです(笑)」
【関西ウォーカー編集部/ライター高橋晴代】
高橋晴代