長野県では、2022年8月15日から「 信州の伝統野菜めぐりグルメスタンプラリー」を開催中。県内の対象店舗で注文または購入し、応募用紙にスタンプを3個集めて郵送すると、抽選で45名に信州のおいしい特産品が当たるチャンス。スタンプラリーの開催期間は2022年12月25日(日)までで、応募期間は2023年1月5日(木)まで。
信州の伝統野菜が多彩なジャンルでおいしい料理に
全国有数の伝統野菜の宝庫である長野県では、2006年に「信州伝統野菜認定制度」を創設。貴重な「食の文化財」として伝統野菜の意義を見直し、復興させようという取り組みがなされている。
現在開催中の「信州の伝統野菜めぐりグルメスタンプラリー」には、県内各地の飲食店や産直施設が参加。信州の郷土野菜が、郷土料理の“おやき”や“そば”はもちろん、パスタやタイ料理、ピザなどに姿を変えて提供される。
「信州の伝統野菜めぐりグルメスタンプラリー」概要
日時:2022年8月15日~12月25日(日)
抽選応募締め切り:2023年1月5日(木)消印有効
主催:長野県
協力:長野県内飲食店(対象店舗は特設サイトに記載・信州の伝統野菜生産者・加工会社・販売所)
斑尾ぼたんこしょう保存会、野沢温泉村、山口大根の会、糸萱かぼちゃ生産者組合、村山早生ごぼう生産組合、坂城町ねずみ大根振興協議会、アルプス物産(株)、おんたけ有機合同会社、ひしの直売所、佐久古太きゅうり保存会、稲核生産者組合、高遠在来とうがらし保存会、天龍村ていざなす生産者組合、南信州おひとよし倶楽部
参加方法
1. 対象店舗をチェック
「信州の伝統野菜めぐりグルメスタンプラリー」特設サイトから対象店舗情報を確認。
2. 店舗で対象メニューを注文
対象の伝統野菜メニューを注文または購入で、スタンプをひとつ押印(台紙は店舗に設置)。
3. スタンプを集めて応募
スタンプを3つ集めて必要事項を記入し、所定の切手(63円)を貼って投函。
先人が育んだ土地の味・信州の伝統野菜とは
東西文化の融合点に位置する長野県は、伝統野菜の宝庫として知られる土地柄。気候風土に適応して特徴的な味や形、香りなどを持つに至ったバラエティ豊かな野菜が、各地で、大切な「食の文化財」として継承されてきた。
しかし戦後の経済発展を背景に、生産の中心はより育てやすく、見栄えがよく、規格がそろった品種へと移行してゆく。そのため伝統野菜の多くは衰退してしまったが、近年、長野県の各地で、伝統野菜の存在意義を見直し、復興させようという取り組みが広がりを見せている。
そこで、県内各地に残る貴重な伝統野菜を次代につないでいこうと創設されたのが、長野県の「信州伝統野菜認定制度」。 県内で栽培されている野菜のうち、以下の基準を満たしたうえで認定委員会の意見を得て県に選定されたものが「信州の伝統野菜」となる。
信州の伝統野菜選定基準
来歴:地域の気候風土に育まれ、昭和30年代以前から栽培されている品種
食文化 :当該品種に関した信州の食文化を支える行事食・郷土食が伝承されている
品種特性:当該野菜固有の品種特性が明確になっている
こんな野菜も「信州の伝統野菜」!
野沢菜
伝承地域:長野県野沢温泉村ほか
収穫時期:6月中旬~9月、10月下旬~11月下旬
野沢温泉村の和尚が京都の天王寺蕪(てんのうじかぶら)を栽培したのが始まり。三大漬け菜のひとつ。
ぼたんこしょう
伝承地域:長野県中野市永江、信濃町ほか
収穫時期:7月中旬から10月下旬
外見はピーマンのようで、肉厚でほど良い辛さを持つ。こしょう味噌や郷土料理の「やたら」に。
志げ子なす
伝承地域:長野県喬木村
収穫時期:7月上旬~10月下旬
1955年(昭和30年)頃から栽培。肉質は柔らかく、アクが少ない。なす焼き、漬物にするとおいしい。
担当者に話を聞いてみた。
「(今回のイベント開催の狙い、目的、ターゲットは?)狙いは、認知度の低い信州の伝統野菜を飲食店で提供することで、飲食店での利用増加、消費者の認知度向上と消費拡大、生産量のアップを図ることです。消費がないと生産もされず、衰退してしまう貴重な伝統野菜を継承することを目的としています。ターゲットは、県内外の旅行者です」
「(今回のイベントの目玉は?)普段食べる機会のない貴重な伝統野菜です」
「(今回のイベント開催で苦労した点は?)流通のない伝統野菜もあるので、飲食店がどのように確保するかという点です。また、今まで使ったことのない伝統野菜を使ったメニューの開発をしてくれる飲食店の発掘にも苦労しました」
「(ユーザーへのメッセージは?)県外の方はもちろん、長野県民の方にも、生産者の方が大切に守ってきた伝統野菜の存在を知っていただき、消費者と生産者全員で伝統野菜を守っていきたいです」
この機会に、長野県を訪れて、味わい豊かな信州の伝統野菜を巡ってみてはいかがだろうか。