もはや声援ではない。スタジアムに観客の絶叫が響く。
「ドーアン!ドーアン!」
U-20日本代表を救った活躍に、異国の観客も心を鷲掴みにされたのか。当の本人が引き上げた後も、叫びは止むことがなかった。
韓国で開催されているサッカーのU-20ワールドカップで、日本は27日にU-20イタリア代表と対戦。立ち上がりは7分までに2失点を喫する、苦しいものだった。
しかし、22分に堂安律が左サイドの遠藤渓太からのクロスボールを、左足で合わせて得点。「遠藤選手が良いボールをくれたので、自分は何とか足を伸ばして」という一発で追いすがると、50分に再び堂安がゴールを挙げる。
日本サッカー協会の西野朗技術委員長も「すごかった。マラドーナかメッシを見ているような感じだった」と驚いたゴールは、「あれは自分の特長なので、ゴールできて良かったです」という通り、技巧派らしさが詰まったプレー。敵陣中央でボールを受けると、細かいボールタッチで相手選手の間をするすると抜け出し、最後は左足でシュートを流し込んだ。
2-1と逆転勝ちした初戦のU-20南アフリカ代表戦では、左足一閃のダイレクトシュートで決勝弾。今回は泥臭さと巧みさで、2点ビハインドの窮地を救った。
各グループ3位の成績上位4チームという条件を満たしての決勝トーナメント進出に、堂安は「ホッとしています」と語ったが、観る側としても「まだプレーを見れられる」と安堵している気持ちがありそうなところ。
人々を魅了する“黄金の左”は今、世界の舞台でまばゆい輝きを見せつけている。【ウォーカープラス編集部/コタニ】
コタニ