世界の書籍&漫画アプリの収益は、2020年から3年連続で急成長中。2022年1月~8月の収益は2021年同期比14%増の18億ドルに達したという。モバイルアプリの調査・分析を行う米サンフランシスコの企業「Sensor Tower」のレポートをもとに、世界の書籍&漫画アプリの収益とダウンロード数の推移などをチェックしてみよう。
世界の書籍&漫画アプリの収益は再上昇中!
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年、世界の書籍&漫画アプリの総収益は56.8%増となったうえ、2021年には45.8%増えて24億ドルを突破。さらに2022年1~8月には18億ドルに達し、前年同期比で13.9%増をマークした。
一方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響が薄まってくると、2021年世界の書籍&漫画アプリダウンロード数は2020年比で8.2%減少。2022年1月~8月世界の書籍&漫画アプリダウンロード数は9.7億回で前年同期比20.4%減となり、減少傾向が続いている。
北アメリカとラテンアメリカで急成長!
レポートからは、世界で最も書籍&漫画アプリの収益が高い市場はアジア、なかでも日本市場だということが読み取れる。2022年1月~8月にはアジア市場からの収益が66%以上を占めたようだ。北アメリカ市場でも書籍&漫画アプリの収益成長が好調で、高い成長を遂げている。
依然として、アジア市場は、書籍&漫画アプリのダウンロード数が世界で最も多い地域で、2019年から現在まで全体の50%前後の比率を維持している。なかでもインドと中国はダウンロード数が最も多い不動の市場。また、ラテンアメリカでの書籍&漫画アプリのダウンロード数も大きく伸びており、世界のダウンロード数に対するシェアは2019年の11%から2022年1月~8月で18%と増加を見せている。
漫画アプリ・電子書籍アプリ収益トップは?
2020年から2022年にかけての世界の書籍&漫画アプリ収益ランキングを確認すると、TOP10においては、漫画とオンライン小説アプリが大半を占めていることがわかる。なかでも、韓国のパブリッシャーであるKakaoの「ピッコマ」、NAVERの「LINEマンガ」は、数年連続でランキング1・2位を独占。2022年8月現在、「ピッコマ」と「LINEマンガ」の世界全体の収益はそれぞれ25億ドル、20億ドルにも達している。
もちろん、世界の書籍&漫画アプリパブリッシャーは、収益面でも好調に推移。2022年1月~8月の書籍&漫画アプリパブリッシャーの収益ランキングTOP10をチェックすると、1位がKakaoで7.5億ドル、2位がNAVERで5.2億ドルと、競合他社を大きく引き離す結果が出ていた。さらに、オンライン小説パブリッシャーのNew Readingが5位、Dreame Mediaが8位、Crazy Maple Studioが9位にランクインし、躍進を見せている。
担当者に話を聞いてみた。
「(今回のレポートの狙いは?)世界の書籍&漫画アプリの収益は2020年から3年連続で急成長しており、2022年1月~8月には同カテゴリの収益は2021年同期比14%増の18億ドルとなりました。こうした成長の詳細をレポートにまとめました」
「(今回のレポートの注目点は?)『ピッコマ』や『LINEマンガ』など、日本でもおなじみのアプリが世界の書籍&漫画アプリの収益ランキングの上位を数年連続で占めている点です」
「(ユーザーへのメッセージは?)レポート全文は、こちらから無料でダウンロードできます。
https://go.sensortower.com/book-comic-apps-2022-report-japan.html
」
近年、大きく様変わりしつつある書籍・漫画アプリ市場。2023年の動向からも、目が離せない。