カードを求め若者が殺到! 地方に人を呼ぶ携帯ゲーム“コロプラ”の魅力

東京ウォーカー(全国版)

1か月で800人が訪れるという日光の土産物店や、半月で300人が来店した芦屋のプリン店など、今、地方の土産物店に若者が殺到しているという。彼らが求めているのは、土産そのものというより「コロカ」というカード。GPSを使った携帯ゲーム「コロニーな生活☆PLUS」で使用できるアイテムの一つだ。

「コロニーな生活☆PLUS」とは、実際の移動距離に応じた「仮想通貨」を稼ぐことで、ゲーム内の“自分の街”を運営していくゲームなのだが、一番の特徴は、「地方との連動性」。その土地でしかゲットできない仮想の“お土産”や“スタンプ”を提供することで、若者のお出かけを喚起しているのだ。

中でも今、ユーザーを夢中にさせているのが「コロカ」。ゲーム会社と提携した土産物店で実際に商品を買わないともらえず、カード裏面のシリアルナンバーをゲーム上で入力することで、ゲーム中の“レアお土産”をゲットできるというもの。現在提携している土産店は全国に29店舗。観光地として人気のある場所ばかりではないが、どこもコロカを求め多くの若者が押し寄せているという。

最初に提携サービスを開始した日光甚五郎煎餅の「石田屋」(栃木県日光市)では、ゲームにちなんだ「ショコラ隕石餅」を販売。3週間で3000箱の売り上げを記録し、コロカ欲しさに2万円分買ったユーザーもいたという。また、有田焼の「しん窯(がま)」(佐賀県有田町)では、サービス開始と同時に成田から飛行機とレンタカーで駆け付けたユーザーも。これまで若者の注目を集める商品でなかっただけに、店主はゲームの“効果”に驚きを隠せなかったのだとか。

都内でもサービスを行う店舗はいくつかあり、10/1に提携を開始した、雷おこしの「壱番屋」(東京・浅草)は、サービススタートから4日間で約700人がコロカ目当てに来店。また、11/20にオープンした天然水の「マザーウォーター」(東京・東日暮里)では、11:00のサービススタート直後に押し寄せるように次々と来店し、結局初日だけで、400人が訪れたというから驚きだ。

「九州や沖縄からもお客さまがいらっしゃいます。お客さまが複数集まると、店内は即席の“OFF会”のようになるんです(笑)」と話すのは、「マザーウォーター」社長の本井さん。ちなみに、一番人気はボトルメーカー「SIGG」とコロプラのコラボボトル(4200円)なのだそう。

この現状について、「ユーザーからは、『お出かけが楽しくなった』『土日が充実した』とうれしいお声をいただいています」と話すは、ゲームを運営する「コロプラ」の代表・馬場功淳氏。加えて、店舗側からも相当な反応があるという。

「今まで何をやっても集客につながらなかった地方の店舗から、驚きの声やお礼を連日のようにいただいています。“地域を活性化させたい”という理念のもと会社を立ち上げたので、この結果は非常にうれしいですね」と、“IT×地域”のコラボの成功に自信の笑顔だ。

自分の街を作り、移動することで仮想通貨を稼ぐ面白さに加え、“お土産”や“コロカ”のように収集する楽しさにも訴求した「コロニーな生活☆PLUS」は、今や会員約68万人(12/10現在)。携帯電話一つで無料でできるということもあり、今後もコロプラにハマるユーザーはますます増えそうだ。 【東京ウォーカー】

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