FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。「貯蓄1000万円の壁」を越えると、貯蓄がさらに加速する

東京ウォーカー(全国版)

円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツや「貯蓄1000万円の壁」を越えるメリットを紹介。
今回は第45回。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


貯蓄が1000万円あると、もっとお金を増やすこともできます。といっても、タンスのなかに大事にしまい込んでいるだけで魔法のように増えるわけではありません。もちろん、増やすためには投資が必要です。

そもそも、「貯蓄1000万円の壁」を越えるために、投資は欠かせません。そして実際に貯蓄1000万円を越えると、さらに貯蓄を増やしていくことができます。なぜなら、それなりに大きな金額を投資にまわすことができるからです。もちろん投資は絶対ではありませんが、大きなリターンを得る可能性が出てきます。

単純計算になりますが、年利2%だったとしても、100万円の投資なら1年間で得られる利益は2万円ですが、1000万円なら10倍の20万円になります。そして、その20万円をさらに投資にまわすことができるのです。年間20万円を投資にまわすために、今までは月2万円近く切り詰めなければならなかったのに、不労所得(お金が働いてくれる)で得られるのです。

長期的な投資を行う場合、複利効果は資産形成の大事なカギを握ります。投資における利息の計算方法は、「複利」と「単利」の2種類あります。半年や1年ごとなど定期的に利息を受け取り、元本のみで運用を続けていく「単利」は、常に一定額の利益を受け取れるメリットこそありますが、元本の金額が同じなので利息が増えるということはありません。

これに対して「複利」は、投資によって得た利息を元本に上乗せし、その金額を新しい元本として次の利息を計算するので、利息が上乗せされるたびに元本が増えていきます。つまり、利息が利息を生んで、資産が雪だるま式にふくらんでいくということです。これを、「複利効果」といいます。

複利効果は1年や2年で劇的な変化をもたらすわけではありませんが、地道に運用を続けることで、少しずつ確実に資産を増やしていきます。下記の図のように投資期間が長くなればなるほどその効果は大きくなるので、投資にまわせる余裕があるなら、できるだけ早く投資することです。

【画像】月3万円を30年間積み立てると


複利効果をいかに活用できるかが、将来の資産を左右する大きなポイントです。 アインシュタインは、「複利は人生最大の発明である」といったそうです。

貯蓄1000万円から貯蓄2000万円へ、貯蓄2000万円から貯蓄3000万円へ……。 貯蓄1000万円を実現するまでに比べ、次の目標とする貯蓄額に達するまでのスピードは確実に速まるでしょう。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


この記事のひときわ #やくにたつ
・長期的な投資を行う場合、複利効果は資産形成の大事なカギ<br />・投資期間が長くなればなるほど複利効果は大きくなる

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

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