FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。「貯蓄1000万円の壁」を越えると、マイホームの頭金ができる

東京ウォーカー(全国版)

円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツや「貯蓄1000万円の壁」を越えるメリットを紹介。
今回は第46回。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】

貯蓄が1000万円あると、マイホームを持つという夢が一気に実現性を帯びてきます。 もちろん、一軒家を建てようと思ったら1000万円だけでは足りませんが、1000万円のうちの数百万円を頭金にして、住宅ローンを組むことができます。

ご存じのとおり、頭金とはマイホームを買うときに購入価格の一部を現金で先払いする自己資金のことです。例えば、4000万円の家を購入する際、1000万円を先払いすると、残り3000万円の住宅ローンを組むことになります。「結局、4000万円を払うのだから、先に支払ってもあとに支払っても同じじゃないの?」。そんな疑問を持つ人がいるかもしれません。

しかし、住宅ローンは借りたお金ですから、借入金額や支払い期間に応じて利息がかかります。現金で支払う頭金はローンの利息がかからないので、頭金ゼロで購入する場合に比べて、1000万円分の利息(金利1%だとすると35年間のローンで約185万円!)を節約することができます。

また、 頭金を多く支払うと優遇金利の幅が大きくなる というケースもあります。例えば、固定金利の住宅ローン商品の代表格である「フラット35」は、物件価格に対して10%以上の頭金を用意した場合、低い金利が適用されます。まとまった頭金を用意できることは経済力の証明にもなり、住宅ローンの審査で有利になりやすいというメリットもあります。

住宅ローンの審査は年収に対する借入金額の倍率が基準となるため、頭金を払って借入金額を低く抑えると審査に通りやすくなります。つまり、それなりの金額を頭金にまわすことができれば、仮に年収が低くても、希望する額の住宅ローンを組める可能性が高くなるということです。

頭金がないと住宅ローンを組めないわけではありませんが、頭金がある場合よりも借入金や利息が増え、月々の返済の負担が大きくなります。また、 頭金ゼロでは銀行からの信用が低くなり、審査が通らないことも珍しくありません。

住宅にかかる費用は物件価格だけではありません。不動産取得税や固定資産税といった税金、建物の保守・点検や修繕などメンテナンスの費用も用意しておかなければいけません。

結婚、出産、子どもの成長、仕事環境の変化……。マイホームを意識するタイミングは人によってさまざまでしょう。しかし、 どんなときでも貯蓄が1000万円あれば、「マイホームが必要だ」と思ったとき、すぐに一歩を踏み出すことができます。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】

この記事のひときわ #やくにたつ
・現金で支払う頭金はローンの利息がかからない<br />・頭金を多く支払うと優遇金利の幅が大きくなるケースも

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

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