2023年2月18日(土)から3月30日(木)までの期間、岐阜県関市にある関鍛冶伝承館で、人気漫画『るろうに剣心』に登場する日本刀を再現して展示する「~剣心VS志々雄~るろうに剣心と日本刀の世界展」が開催。
「志々雄真実」の「無限刃」を再現&初展示!
本展では『るろうに剣心』に登場するキャラクター・志々雄真実(ししおまこと)の持つ日本刀「無限刃(むげんじん)」が展示公開される。同市在住の刀匠・藤原兼房の二十五代と二十六代の親子が真剣の日本刀として公式に無限刃を再現した。
無限刃は、作中では架空の刀匠・新井赤空作の日本刀として登場。「刀は連続して人を斬り続ければ刃こぼれにより切れ味が鈍くなるため、殺傷力をぎりぎり保つ限界まであらかじめ刃の一部をこぼしてしまうことで、常に一定の感覚で連続使用できるように作られた最終型殺人奇剣」という設定だ。刃の部分には細かな鋸(ノコ)刃があり、そこに染み込んだ脂を摩擦熱で発火させることで火焔(カエン)を発生させる刀として描かれている。
今回の再現にあたっては原作者・和月伸宏氏の要望やアドバイスにより、細かな鋸刃や禍々(まがまが)しさを感じる炎をイメージした刃文「志々雄真実 佩刀」という銘も入れられて再現。発火こそしないものの原作漫画の世界観とキャラクター性を体感できる迫真の日本刀として仕上げられている。
主人公・剣心の「逆刃刀・真打」も同時展示!
同展では、主人公・緋村剣心(ひむらけんしん)の愛刀を再現した「逆刃刀(さかばとう)・真打」もセットで展示。逆刃刀は2019年に博物館明治村と『るろうに剣心』のタイアップ企画で、刀匠・尾川兼國氏によって製作されたものだ。通常の刀とは異なり、刃と峰が逆向きに打たれ、不殺(ころさず)を貫く、剣心の考え方を体現する刀。茎の部分には「我を斬り 刃鍛えて幾星霜 子に恨まれんとも孫の世の為」という句が刻まれている。
また会場内には剣心と志々雄の戦いを描いた原作者・和月氏の直筆原画「剣闘図」も特別展示。他にも、同作にも登場する実在の人物、新撰組・斎藤一が使用していた刀のひとつ「関孫六」こと孫六兼元作の日本刀も展示される。
関連イベントにも注目!
「るろうに剣心と日本刀の世界展」の名の通り、作品の背景である幕末から明治初期の刀鍛冶などについての解説パネルも設置され、この時代と刀鍛冶の歴史も同時に学べる。特別入館料は大人500円、高校生・小中学生200円で、入館者には先着1万名まで特製の「るろうに剣心キャラクターカード」10種類のうち1種類がランダムで配布される。また、3月5日(日)には古式日本刀鍛錬の一般公開も開催。
イギリスのシェフィールド、ドイツのゾーリンゲンと並び「世界三大刃物産地」と呼ばれる岐阜県関市。同市の高い技術力を誇る刀匠により公式再現された「無限刃」と、「逆刃刀・真打」を同時に見ることができる貴重な機会に、ぜひその迫力を肌で感じてみよう。