NFTマーケットプレイス(NFTを取引できるプラットフォーム)「HABET」を運営するNUNW株式会社(以下、NUNW)は、鳥羽周作さんが手がける表参道のレストラン「Hotel’s」にて、2023年2月9日のディナー営業から“来店記念NFT”の発行を開始した。話題のNFTとレストランのコラボ、一体どのような取り組みなのか?
ライフログとしてのNFT
NFTマーケットプレイス「HABET」は、「ミシュランガイド東京2020」から4年連続で1つ星を獲得する「sio」のオーナーシェフ鳥羽さんが手がけるレストラン「Hotel’s」にて、来店記念NFTを展開する。
この来店記念NFTは「Hotel’s」のメンバーズカードとして機能し、来店したことを証明。複数回来店する人や、2カ月ごとに変わるコースを楽しみにしている人にとっては、来店した思い出とともにライフログとしてNFTを集めることができる。
NFTを取得する方法はかんたんで、初回時に「HABET」のアカウントを作成し店舗内に設置されたNFC対応リーダーにスマートフォンをかざすだけで来店記念NFTを獲得できるページにアクセスすることができる。
「HABET」は、一般的な映像、音声、画像などのデータを添付したデジタルトレーディングカードの発行・販売のほかに、イベント特典や卒業証明書などの「証明」としてNFTの新たな活用方法を提案。「日記のように人生のフットプリント(=NFT)を刻み、個人が価値のあるコンテンツを発信し保管するためのサービスを提供」している。
今回の来店記念NFT の取り組みは、“NFTとは”に詳しくなくても“個人の思い出の記録”としてコレクションすることができ手軽に参加できる内容になっている。
店舗と利用者のエンゲージメントを高める役割も
この来店記念NFTでできることは、単なる”記録”だけではない。NFTホルダーは「Hotel’s」のコース料理などの情報を優先的に受け取ることや、店舗でNFTを提示することで限定メニューのオーダーが可能になるなど特典を受けることができる。
特典の第1弾として2月9日より、ディナーコースのなかで人気の神戸牛のスライダーにチーズを加えた特製チーズバーガーを提供。焼き方にこだわったバンズのサクサクとした食感と、ジューシーな神戸牛が絶妙なバランスで、そこに濃厚なチーズが加わりまさにスペシャルなメニューだ。
鳥羽さんは「お客様がInstagramに写真を投稿してくれるのを見るとうれしい反面、“いいね”したり、コメントを返すくらいしかできず、コミュニケーションが一方通行だと感じていました。来店記念NFTを活用し、お客様への感謝の気持ちを特典として還元することで、より深いつながりを築いていくことができると考えています」とエンゲージメント醸成を期待。
また同氏は今後の展望について、レシピのNFT化や地方創生への活用など、NFTをプラットフォームとしたさまざまなアイデアを、NUNW 代表取締役社長のレネ・パウレズィヒさんとともに探っていきたいと語った。
文=山本晴菜