子供たちは、遊びの一環として絵本から学びを得ている。難しい事柄も、絵本を通してなら理解を深めることができるのだ。今回紹介する絵本は、先日発売されたばかりの新刊
セサミストリート
の「ジュリアと ともだちは どんなときでも」。
この絵本の主人公は、セサミストリートに住む4歳の女の子、ジュリア。彼女は自閉スペクトラム症への理解を促すために生まれたキャラクターだ。髪は赤く、明るい緑色の目を持つこの女の子は、絵を描いたりおにごっこをするのが大好き!
時々、周りの友達とは少し違ったことをするけれど、エルモもアビーも「それがジュリアのやり方ね」と受け止める。決してからかったりとがめたりはしない。ジュリアもエルモも、毎日おやつを食べるし、おやつがおいしいと感じる。誰でもみんな、同じこと。自閉スペクトラム症があってもなくても、みんな同じでみんな一緒。そんなシンプルで当たり前のことを、この絵本は教えてくれる。
この絵本を作ったのは、子供向けの教育メディアを制作するセサミワークショップ。翻訳者は、日本で英語講師および講師トレーナーを務めながら、NPO法人「絵本子育てセンター」の絵本講師として活動する、ジェリー・マーティンさん。小さな子にも伝わりやすい言葉で、ジュリアと友達とのエピソードを紡いだ。
自閉スペクトラム症を含む発達障害のつらさは、当事者以外にはわかりにくいもの。そして、彼らにどんな傾向があるのか知らずにいることは、無知による偏見や差別を生む原因にもなる。だからこそ、幼い子供のうちに、ごく自然にジュリアの言動を受け入れるエルモたちの姿を見せてあげてほしい。
「ジュリアと ともだちは どんなときでも」は、本体価格1500円(消費税抜き)。全国の書店またはインターネット書店にて発売中。
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