“キラキラの海と太陽”のもと、インディ・ジョーンズ気分!沖永良部島の巨大な鍾乳洞を探検してきた

東京ウォーカー(全国版)

2021年に世界自然遺産に登録され、注目を集めている奄美群島。奄美大島と沖縄の中間に浮かぶ沖永良部島には、全国最大級の“フローストーン(流れ石)”が美しい、鹿児島県の天然記念物に指定されている巨大な鍾乳洞があるという。奄美群島を旅した記者は、その鍾乳洞を探検してきた。

いざ!巨大な鍾乳洞「昇竜洞」へ


沖永良部島は、鹿児島市から南へ552キロメートル、沖縄本島から北へ約60キロメートルの場所に位置する隆起珊瑚礁の島。年間平均気温22度という温暖な気候に恵まれ、四季を通じて熱帯・亜熱帯の花々が咲く。そして、この島の地下には200~300の大鍾乳洞群が。そのことから「花と鍾乳洞の島」の異名を取っているそうだ。

沖永良部の海


今回、記者が向かったのは「昇竜洞(しょうりゅうどう)」。1963年に、愛媛大学学術探検部の山内浩教授率いる調査団により発見された場所だ。一般公開されているのは、全長3500メートルの内、600メートル。山内教授も感嘆したようで、著書で「よく今まで自然の形をそのままに残していたものだ」と記しているほど、スケールが大きく、神秘的な鍾乳洞となっている。

入り口は真っ暗に見えるが、内部はライトアップされていて幻想的な空間が広がっている


そんな同所はまず、ジュラシック・パーク感満点の入り口からテンションが上がる。管理棟の建物を出た途端、シダなど南国系の植物に覆われた、“巨大な暗闇”がぽっかりと口を開けて、我々を待っているのだ。

【写真】恐る恐る中へ。“巨大な暗闇”がぽっかりと口を開けている

天井から無数に垂れ下がる銀白色の鐘乳石は東洋一といわれる美しさ


出口までの所要時間は約30分ということだが、しゃがまないと通れない場所や、滑りやすい場所なども点在するそうで、焦らずゆっくり歩行することに。途中、正面突破できず、横向きで歩かなければならない場所もあり、インディ・ジョーンズになった気分も味わえた。

横向きで歩かなければならない場所も。ガイドさんに必死に付いていく

こちらは、しゃがまないと通れないエリア。冒険心がくすぐられる!


見応えがあったのは、巨大な滝が一瞬にして氷結したかのような、壁を覆うように形成された鍾乳石“フローストーン”だ。その規模と発達は全国最大級。「夢の国」や「ナイアガラの滝」といった名称が付けられたユニークな鍾乳石も多彩にあり、おもしろかった。

チケットに掲載されているフローストーン「夢の国」のデザイン。クリームが溶け出したようなこのフローストーンは壁を流れた水が作り出したもの

昇竜洞内には少なくとも約25種類・約30万の鍾乳石が。ストロー、石筍、石柱、フローストーンなどが幻想的な形状を作り出している

大きい鐘のような形状が特徴的な「昇竜の鐘」

黄金色×白銀色が美しい「金銀の瀧」。壁一面を流れる巨大な滝が一瞬にして氷結したかのような美しさ


ちなみに、鍾乳石は0.3ミリメートル伸びるのにおよそ1年もかかるそうだ。今回、何万年もの歳月をかけて作られてきたこの鍾乳洞を全身で感じることができ、特別なパワーを得られた気がした記者。真っ暗な入り口では少し恐怖感も味わったが、内部はライトアップされているのでご安心を。冒険心もくすぐられる場所となっているので、沖永良部島を訪れた際は、是非立ち寄ってみてほしい。

昇竜洞の出口。出口公園には休憩所があり、島のお菓子などを食べられる


取材・文=平井あゆみ

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