退職金制度の導入・設計をサポートする株式会社ベター・プレイスが、全国の20代~70代の男女を対象に資産形成に関する意識調査を実施。「つみたてNISA」「iDeCo」を利用していない人、今後も利用しようと思っていない人がいずれも7割以上という結果だった。
約8割が将来のお金について「不安」
調査結果によると、子育てにかかるお金や老後の資金など、将来のお金について不安を感じている人は約82%。
また、「貯蓄から投資へ」の流れを促そうと、国が用意した税制優遇制度である「つみたてNISA」や「iDeCo」だが、「どちらも利用していない」と答えた人が76.2%と、利用率はあまり高くないことがわかった。
「つみたてNISA」と「iDeCo」を、どちらも利用していないと答えた人に、今後始めたいと思っているかを聞いたところ、「いいえ」と答えた人が72.1%。その理由は、「どの商品を購入してよいかわからない」が最も多い27.2%で、「投資に回すお金がないから」25.0%、「手続きが面倒だから」24.6%と続く。
一方で「つみたてNISA」もしくは「iDeCo」を始めた理由は、「インフレが進むなか、預金では損をすると思うから」という回答が最も多かった。
「会社の制度に、企業型確定拠出年金(企業型DC)、確定給付企業年金(DB)がありますか?」という質問には、「企業型確定拠出年金がある」「確定給付企業年金がある」「両方ある」と答えた人は、合わせてわずか15.1%。「両方ない」と答えた人は38%だった。また、自分が勤める会社の制度について「わからない」と答えた人が38%と、資産形成への興味関心の薄さや、企業が制度を設けていても従業員に周知が行き届いていないことが伺える。
お金の知識、SNSやYouTubeで楽しく学べる時代
同社の代表は調査結果について「お金の知識を増やそうと思えば書籍しかなかった一昔前と違って、今はSNSやYouTubeなど、さまざまな媒体を通じて楽しく学べます。事実、制度に加入している割合を年代別で見てみると、20代は33.3%、30代は37.5%、40代は19.4%、50代は20.8%、60代以上は8.3%という結果で、デジタルネイティブな世代の制度加入が目立ちます。一方で、40代以上の加入率はより低く、その理由として『どの商品を購入してよいかわからない』と答えた割合が、他のどの回答よりも大きかったのが特徴的でした」とコメントしている。
2024年からは「新 NISA」がスタート。お金についてあらためて考えるきっかけとしたい。
【調査概要】
実施期間:2023年4月11日~2023年4月12日
調査主体:株式会社ベター・プレイス
調査対象:20歳~79歳の男女
対象エリア:全国
調査方法:インターネット調査
回答件数:357人
文=伊藤めぐみ