世界最大のビジネス特化型ソーシャルネットワーキングサービスのLinkedIn(以下リンクトイン)は、現在働きたいと思う会社をデータから明らかにする2023年版「今、働きたい会社」ランキングのトップ25社を2023年4月19日に発表した。
物価上昇や金融不安など、世界経済の見通しは依然として晴れず、ランク入りした企業のなかにも、大規模な人員整理を発表した企業が複数あった。採用企業、求職者の双方にとって大きな節目となりそうな2023年、新しい機会の可能性を探るために今年のランキング結果をぜひ参考にしてほしい。
今年の日本の結果
本調査は、米国で2015年から開始されており、日本では4回目。リンクトインで活用しているユーザーの「実データ」に基づき、ユーザーが入力したプロフィールのデータを「昇進の可能性」「スキルの獲得」「仕事の安定度」「社外からの魅力」「社内のつながり」「社員の多様性」の6つの軸に基づいて分析し、「社員をより成長させてくれる魅力的な会社」として順位づけが行われた。
2023年の日本のランキングに見られる傾向は下記のとおり。
●製薬やヘルスケア企業のランク入りが増加
武田薬品工業が3位、ジョンソン・エンド・ジョンソンが9位、ノバルティスが17位とそれぞれランク入り。コロナ禍を経て、ヘルスケア分野の活況ぶりを映し出している可能性がある。
●日本企業がランキングに定着
7位の富士通、10位の日立製作所、16位のソニーグループなど、日本発のグローバル企業も着実にランキングに入るようになっている。事業領域に関わらず、世界を舞台に事業を展開する企業が上位にランクインした。
●海外のグローバル企業の業種が多様化
トップに立ったアマゾン・ドット・コム、2位のアルファベット、4位のアクセンチュアなど、以前からランキング上位に名を連ねるネット関連以外にも、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やコンチネンタル、マッキンゼー・アンド・カンパニーなど、消費財や製造業、サービス業など幅広い業種の企業がランクインしている。
詳細は、リンクトインのコンテンツ製作チーム・LinkedIn News編集部が公開したブログで確認できる。
調査方法について
<ランキングの分析手法について>
LinkedInでユーザーから入力したプロフィールのデータを6つのポイント(「昇進の可能性」「スキルの獲得」「仕事の安定度」「社外からの魅力」「社内のつながり」「社員の多様性」)に基づいて分析。情報は匿名化し、個人情報保護に十分配慮して処理している。
(1)昇進の可能性:該当する企業に在籍中、どの程度昇進(プロモーション)したか、あるいは転職した際に役職が上がったかなどの情報を分析して測定。
(2)スキルの獲得:その企業で、獲得したスキル(ハードスキル、ソフトスキルの両方)を、プロフィールに入力した「スキル」項目から算出。
(3)仕事の安定度:該当する企業の直近1年間の離職率に加え、3年以上企業に在籍している社員の比率を調査し、測定。
(4)社外からの魅力:該当する企業の社員に対して、社外の転職エージェントや人材担当者からどの程度スカウトメールやメッセージが送られているかを集計。
(5)社内のつながり:社員間の「つながり」がどれくらいあるかを測定。
(6)社員の多様性:プロフィールに記載した学歴が、どの程度多様か(大学の学位なしから博士課程レベルまで)を測定。
<企業データについて>
対象企業:2022年12月31日の時点で該当国/地域の社員数が500人以上で、過去12カ月間の社員離職率が10%以上でないこと(リンクトインで参照したデータに基づく)。2022年1月からランキング公開日までの期間に社員の10%以上を削減した企業(公表データに基づく)、あるいはLinkedInデータ上で離職率が10%以上の企業も対象外。ランキングは親会社のみを対象とし、子会社の情報は合計スコアに集約。人材派遣会社、非営利団体、教育機関、政府機関および政府所有の事業体を除外。ランキングの対象となる企業情報は、リンクトインの採用支援ツールであるLinkedIn Talent Insights(2022年12月31日時点の情報)の公開データから得たもの。「社員が身につけている主なスキル」は、LinkedInを利用して当該企業に入社した社員の傾向を示している。同様に、LinkedIn内で多く見られる職位・職種も、LinkedInのプロフィールを測定した結果を示している。LinkedIn、親会社であるマイクロソフト、マイクロソフトの子会社もランキングから除外。
調査期間:2022年1月1日から2022年12月31日まで
<LinkedInについて>
LinkedInは、世界200以上の国と地域に9億人以上のメンバーを有する世界最大のプロフェッショナルネットワーク。世界中のプロフェッショナルをつなげることで個人と組織の生産性を高め、さらなる成功に結びつけると同時に、企業における採用、マーケティング、営業などの分野に変革をもたらす。LinkedInは、世界中で働くすべての人々に経済的なチャンスを作り出すことを目指している。
今回のリリースについて担当者に話を聞いてみた。
「(今回のランキング発表の狙いは?)LinkedInでは就労者が現在働きたいと思う会社をデータで明らかにすることを目的として調査を行いました」
「(ランキングの注目ポイントは?)日本では過去4回調査されていますが、日本企業がランキングに定着したことがあげられます。事業領域に関わらず、世界を舞台に事業を展開する企業が上位にランクインしました」
「(ユーザーへのメッセージは?)LinkedInは、世界中で9億人が利用している世界最大のプロフェッショナルネットワークです。日本では現在、300万人を超える皆様に登録いただいています。LinkedInを使うことで、国内外のビジネスパーソンとのつながりを広げ、つながりの中から知見を得たり、ビジネスチャンスを広げたりすることができます。ベーシックアカウントは無料で利用いただけますので、この機会にぜひこちら (
https://www.linkedin.com/
)から登録いただき、日々のビジネスに、日々の学びに、LinkedInを活用してください」