世界でも珍しいトライアスロンが大阪で開催された。
『大阪城トライアスロン2017/NTT ASTCトライアスロンアジアカップ(2017/大阪城)』は、大阪城を舞台に、スイム、バイク、ランの3種競技で争うトライアスロンのアジアンカップ。あいにくの雨模様となった6月25日(日)、国内外から集まった約900名の選手たちは大阪城に見守られながらレースを競った。
3種の競技を意味するトライアスロンは、スイム(水泳)、バイク(自転車)、ラン(走る)を順に続けて行う耐久レース。2000年からオリンピックの正式種目となり、競技人口やファンも増えている。年間約300もの大会が日本で開催されており、大阪でも2015年には桜ノ宮〜大阪城公園を走る「大阪城アクアスロン大会」が話題となった。昨年5月に大阪城の東外濠の水質検査をクリアしたことから、今回、大阪城の外濠を使った大阪城公園全体を使用したトライアスロンが実現。
前日から記録的な大雨が続き、会場のコンディションは悪かったが、レースがスタートすると選手たちは応援に来た家族や友人らの声援に応えるよう、一生懸命な表情でレースに挑んでいた。大阪城での開催ということもあり、偶然通りがかった人や地元の人たちも多く、「頑張れ!」「ファイト!」などの声援を送っていたのが印象的だった。
外濠でのスイムは、珍しい光景ということもあり観客が殺到。「水質、本当に大丈夫?」と観客の心配をよそに、選手たちは外濠を豪快に泳ぐ。そのダイナミックさに観客は驚きながらも熱い声援を送っていた。おそらく、武士や忍者しか泳いだことのない大阪城の外濠。実際に外濠を泳いだ選手に感想を聞くと「やっぱり前は見えませんでしたね」と明かした。
メダルセレモニーには、吉村洋文大阪市長も駆けつけ、笑顔で完走した選手たちをねぎらった。エイジ選手(一般)の部では、70代や80代の選手も参加し、無事完走。熾烈な争いになったエリート選手の部では、日本人選手も表彰台に食い込んだ。大雨となったが、観客の盛り上がりもあり、大成功に終わった。
大会関係者によると、今後も大阪城でのトライアスロンの開催を予定しているという。
【関西ウォーカー編集部/ライター山根 翼】
山根翼