自宅で「Wi-Fiつないでもいい?」と言われて萎える⁉女性の“謎地雷”続々!芸人・西本たけるの「マッチングアプリに実在した男たち」シリーズは学びがいっぱい/独占インタビュー

東京ウォーカー(全国版)

お笑いトリオ「スーパーサイズ・ミー」の一員で、「マッチングアプリに実在した男たち」「私服のセンスが中2で止まっている彼氏」などの動画がInstagramやTikTokでバズっている西本たける。その動画が三谷幸喜の目に止まり、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演するほどの反響ぶりだ。

こんなにバズる動画はどうやって作られているのか、直撃インタビューを敢行!前編では、マッチングアプリ動画を始めたきっかけや意外な制作方法を話してくれた。

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

マッチングアプリの広がりとともに動画がウケた


――「マッチングアプリに実在した男たち」のシリーズ動画を始めたきっかけは?

【西本たける】僕自身がマッチングアプリをやっていたというのもありますし、友人でも男女問わず、対面での出会いが難しくなったコロナ禍からは特に、マッチングアプリを始める人が世の中に増えてきたなと思ったことがきっかけです。いろんなジャンルの動画を作ってきた中で、始めた当時はマッチングアプリに関する動画を上げている人はあまりいなかったし、試しにやってみたら意外とウケがよかったんですよね。

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

――動画はInstagramのフォロワーからの投稿を元に作られているんですよね。

【西本たける】そうなんです。「マッチングアプリに実在した男たち」の動画を上げ始めた2021年頃は、Instagramのフォロワー数が2〜3万人ほどいて、思い切ってフォロワーさんから体験談を聞いてみようと、「マッチングアプリでどんな人に出会いましたか?」って投げかけてみたんですよ。そうしたら、たくさんのダイレクトメッセージやコメントをいただいて、その中におもしろい体験談がたくさんあったんです。動画にして10日ほど連続で上げてみたら、かなりの数のリアクションをいただいたこともあり、メインのネタになりました。

――フォロワーの年齢層は、西本さんと同じくらいの世代の方が多いですか?

【西本たける】7割くらいが25歳から35歳の女性です。僕が32歳なので、たしかに同世代が多いですね。おそらく、僕の年齢プラスマイナス5歳くらいの女性が一番「あるある!」と思って見ていただけているのかなと思います。20代なかばだと、ギリギリわからないこともあるみたいで、ジェネレーションギャップを感じることもありますね(笑)。ここ1年くらいは男性のフォロワーさんも増えてきました。

――男女問わず、笑えるというだけでなく、学べる部分もきっとあるのだと思います。

【西本たける】学んでくださってるんですかね?たしかに体験談をもとにしているので、マッチングアプリについて勉強できる面はあるかもしれません。ただ、中には「西本さんの動画に出てくる男性たちが怖すぎてマッチングアプリができません」っていうメッセージをいただくこともあるんですけどね(笑)。予習しすぎるのもよくないかもしれないですよ!って声を大にして言いたいです。マッチングアプリでいい出会いもありますからね。

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

動画制作はスマホのみ!デート中に撮影することも


――動画はどのように撮影をしているのでしょうか?

【西本たける】昔バイトしていた居酒屋に行って、オープン前にスタンドを立てて1人で撮影させてもらうことが多いです。ほかにも、お仕事でもプライベートでも、珍しい場所に行ったりすると、その場ならではのものを動画にしたい気持ちに駆られるんですよね。友達と遊びに行ったときや、取材をしていただいたときに撮影してもらったり、ときにはデート相手の女性にお願いしたりすることもあります。

撮影はスマホひとつで、マイク無しで撮っているんです。だからわりと声を張るので、デート中に結構なボリュームで喋って、相手には恥ずかしい思いをさせて申し訳ないんですけどね(苦笑)。

――ちなみに、西本さんご自身のマッチングアプリ経験はいつ頃からなんでしょう?

【西本たける】僕自身は、今みたいにマッチングアプリがメジャーな存在になる前にやっていたんです。10年くらい前にはじめて、3年から4年ほどは真剣にマッチングアプリに取り組んで、実際にお付き合いもしましたよ。

――真剣というのは…?

【西本たける】なんというか、部活みたいな真剣さです(笑)。彼女がいない期間も、マッチングアプリで合コン相手を探していた時期もありました。芸人と一緒に飲みませんか?って、「私達と一緒に働きませんか?」みたいなノリで聞いて、快諾してくれた女性とグループで飲みに行ったりしていましたね。ここの10年でマッチングアプリの種類も増えたし、アプリでの出会いというのもメジャーになって、時代が変わったなと感じます。アプリのダウンロード数に比例して、僕の動画を見てくださる人が増えて、共感につながった気がしますね。

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

「他人事だからおもしろい」と思えるラインがポイント


――動画はフォロワーの体験談をもとにすることが多いそうですが、同性の西本さんから見ても「この男、ないわ」と思ったものはありましたか?

【西本たける】「マッチングアプリに実在した男たち」シリーズの3番目に載っている「葬式帰りの男」という動画があるんですけど、デート現場に「はじめまして〜」って喪服で現れるんですよ。「ごめんなさい身内に不幸があって…」って言いながら真っ白い紙袋の中に数珠をしまったりして、もし本当に会ったら勘弁してくれよって思いますよね(笑)。累計1000以上のフォロワーさんの投稿の中でも抜群に「ないわ」です。

――すごい体験談ですね…。では逆に「えっ、こんなことで?」と感じたフォロワーからの投稿は?

【西本たける】仲良くなった男性を自宅に招いたときに「Wi-Fiつないでもいい?」って言われてマジ萎えました、みたいな投稿には驚きましたね。俺もWi-Fiつなぎたいけどな〜って。減るもんじゃないし、いいじゃんって思って動画にはできなかったんですけど。そもそも僕が共感しないと基本的に動画にしないっていうスタンスがあるんです。これを「謎地雷シリーズ」で出したら、それはそれでおもしろいかもしれないですけどね。

――女性の共感がバズりにつながっているかと思うのですが、共感を得るためのポイントはあるのでしょうか?

【西本たける】自分の身に降り掛かってきたらイヤだけど、他人事だったらおもしろいと感じることがポイントなのかなと考えています。こんなヤツいるんだ、出会ったら災難だけど傍から見るとおもしろいなって思えるラインが大事なのかなって。自分がこの人と直面してしまったら最悪だけど、なるほど世の中にこんな人がいるとは…と体験談としておもしろく見られる、笑える程度のヤバさは意識していますね。

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

撮影=山内洋枝/取材・文=イワイユウ

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