あなたはどんな人生を歩みたい?これからに必要なお金を可視化する「ライフプラン」

東京ウォーカー(全国版)

「将来のためにきちんとお金を残さなきゃ……」と思いながらも、特に若い人の場合なら「まだ大丈夫だろう」というふうに考えて無駄遣いを重ねてしまっていることもあるだろう。そんな人に向けて、20年以上にわたって子どものマネー教育に携わっているファイナンシャルプランナーの泉美智子さんは、「ライフプラン」を立てることをすすめる。そのメリットはどんなところにあるのだろうか。

ファイナンシャルプランナーの泉美智子さんにインタビュー【撮影=三佐和隆士】

収入は上がらず、出ていくお金は増える一方

お金との向き合い方というものは、時代によってどんどん変化しています。その主な要因のひとつが、お金の使い方の変化です。

コロナ禍もきっかけとなって、クレジットカード払いをはじめとしたキャッシュレス決済が日本でも急速に普及しました。よくいわれる話かもしれませんが、キャッシュレス決済は文字どおり現金が不要ですから、便利な半面、お金を使っているという実感に乏しいものです。

また、コロナ禍のあいだには、自宅にいながら利用できるネット通販がより活況となりました。ネット通販では、欲しいと思った瞬間にワンクリックで買うことができます。

欲望に任せてしまっては、お金を使っている感覚もないままにどんどん浪費を重ねてしまう危険性が高まっているのが、今という時代なのです。

しかも、今の20代や30代といった若い人たちは、生まれてからこれまでずっと不景気の時代を生きてきました。何十年も給料が横ばいといわれるなか、社会保険料や税金はどんどん上がっていますし、さらには近年の物価高によって出ていくお金は増える一方です。

そもそも手元に残るお金がかつてより大きく減っているにもかかわらず、さらにお金を使いやすくなっているという状況を、私はとても心配しています。

「手元に残るお金がかつてより大きく減っているにもかかわらず、さらにお金を使いやすくなっているという状況を心配している」という泉美智子さん【撮影=三佐和隆士】

将来必要なお金を可視化する

だからこそ、みなさんには「ライフプラン」というものをつくってみることをおすすめしたいのです。

若い人であっても、どこかで漠然と「将来のためにちゃんとお金を残さなきゃ……」と思っているはずです。でも、それはやはり漠然とした思いにすぎません。そのため、目の前の欲望に負けて浪費をしてしまうのです。

そこで、ライフプランをつくってみてください。ただ、ライフプランとはいっても老後のことまで想定する必要はありません。今後の10年程度、あるいは5年程度でも十分です。それだけでも、将来のことが現実のものとして見えてきて、漠然とではなく、「きちんとお金を残そう!」という確固たる思いを抱くことができます。

やり方は簡単です。年ごとの家族の年齢、予定や目標、予算を書き出すだけ。同居していなくても両親など関係が深い人はライフプランに加えましょう。関係が深ければお金がかかわることも多いからです。以下に、ライフプランの例を示します。

ライフプランの例を解説する泉美智子さん【撮影=三佐和隆士】

【画像】ライフプランの例。「年ごとの家族の年齢、予定や目標、予算を書き出すだけ。同居していなくても両親など関係が深い人はライフプランに加えましょう。関係が深ければお金がかかわることも多いからです」


  1. 1
  2. 2

注目情報