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今回取り上げるのは、東海電子株式会社が2023年7月28日に無料での配布を開始した、スマートフォンアプリ「飲酒ウォッチ」だ。アルコール代謝シミュレーションやアルコールスクリーニングテスト機能を統合したこのアプリは、お酒が抜けるまでの時間を簡単にシミュレーションすることが可能で、飲酒運転の防止に役立つアプリだ。
「飲酒ウォッチ」の3つの特徴
「飲酒ウォッチ」のほかにも、アルコール代謝シミュレーションのスマートフォンアプリは数多く存在するが、東海電子株式会社が開発した「飲酒ウォッチ」には、主に3つの特徴がある。
1つ目の特徴は代謝シミュレーションだ。この機能を用いると、体重や年齢などのプロフィール、飲んだお酒の種類や量、飲み終わった時間、睡眠時間などのデータを入力することで、アルコールが抜ける時間を算出することができる。アルコールが分解されるまでの残り時間が時計表示され、一目でわかる。
2つ目の特徴は純アルコール量計算。この機能では、カメラで飲んだお酒の裏ラベルを撮影するだけで純アルコール量を計算することができるため、手動入力などの手間をかけずに自分が摂取したアルコールの量や度数、飲酒終了から分解までの最短時間などを知ることができる。
3つ目の特徴はアルコールスクリーニングテスト。このスクリーニングテストでは簡単な質問に答えるだけでアルコール依存症の傾向を把握することが可能である。ただアルコール量を計算するだけではなく、飲酒運転を抑制してくれるところも「飲酒ウォッチ」の特徴のひとつだ。
アルコールの恐ろしさを学び、飲酒運転による被害をなくす
「飲酒ウォッチ」誕生の背景や開発過程について、担当者に話を聞いた。
――「飲酒ウォッチ」を無料配布した意図や狙いを教えてください。
自分の体質やアルコール飲料の濃度を気にせず、飲酒運転をしてしまう人が多いと考えたため、このアプリを開発しました。アルコールが抜ける時間を計算し、運転を思いとどまらせることで、飲酒運転被害者をなくすためのアプリになっています。
――アプリを開発する過程で、苦労した点などあれば教えてください。
このアプリを「酔いが覚める時間だからハンドルを握っていい」と勘違いされないための工夫に苦労しました。自身の飲酒状況の可視化と、警告メッセージで表示される画像や、文字などを使用し、ヒヤリとさせるように見せ方などを工夫しました。
――「飲酒ウォッチ」を通じてユーザーへどのようなメッセージを伝えたいですか?
年間たくさんの飲酒運転検挙者がいます。アルコールは、自分が思っている以上に長く体内に残存します。決して、飲んだらハンドルを握らない、飲酒運転という誤った行動で多くの方が悲しむことを、このアプリを通して考えて行動をしていただきたいです。加害者にも被害者にもならない世の中になることを切に願います。
「飲酒ウォッチ」はお酒が抜けるまでの時間をシミュレーションしてくれるアプリ。飲酒カメラ機能などにより、簡単にアルコール量を計算し、アルコール代謝シミュレーションを行うことが可能だ。それのみならず、飲酒運転を止めるための警告やアルコールの過剰摂取を控えるためのメッセージを多く発信することで、飲酒運転による被害の縮小を目指している。普段からアルコールの代謝について考えている人も、全く考えていない人も、ぜひこのアプリをインストールし、自分を、そして身の周りの人を飲酒運転から守ろう。
文=吉田知生