宅間孝行作・演出のタクフェスが10th ANNIVERSARYを迎える。記念すべき作品として、第11弾 「晩餐」の上演が決定。10月より埼玉、仙台、大阪、札幌、名古屋、東京と全国で上演される。タクフェス第1弾で2013年に初演をしたのち、一度も再演をされてこなかった伝説の作品となる。乃木坂46のメンバーとしても活躍した北野日奈子がヒロインを、タクフェス初参戦で務める。そんな北野日奈子に出演にあたっての意気込みを聞いた。
宅間さんの視線を受け止めて、いい子でいるのはやめようと思いました(笑)
――タクフェスに出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。
お話をいただいたときは、いろんな状況はわからないまま、挑戦できるのであればぜひやってみたいですとお応えさせていただきました。タクフェスは名のある作品が多いので、いろんなことを学ぶいい機会にもなりますし、これから女優としても必要なことを学べるので日奈子ちゃんにぴったりだと思うよというふうにマネジャーさんから勧められ、それはいい話だと思ってやらせていただくことに決めました。決まったあとに、マネージャーさんから宅間さんは怖いからねと、初めて聞かされたんです(笑)。
前もって怒られるとしょげるタイプだと宅間さんにお伝えしておいてください、とマネージャーさんにお願いしました。愛があるからこその厳しさだと思うので、そこはちゃんと自分で受け止めて、やっていきたいなとは思ってます。
――確かにタクフェスに出演された方は、みなさん宅間さんは厳しいとおっしゃいますね。もう宅間さんにはお会いになったんですか。
はい。今日初めて宅間さんにお会いしました。演出家の目で私を見ていると思いました。私のことをどういう子なんだろうとか、空気感とかを感じ取ろうという視線を感じましたね。アイドルを卒業してひとりになって、そういうことに敏感になっていて、大人から感じる視線にすぐに気が付くんです。その視線を受け止めて、いい子でいるのはやめようと思いました(笑)。
一からぜんぶ、宅間さんに指導していただくと思うので、これから宅間さんとの関係がどうなっていくかはわからないですけど、このカンパニー全員が本当に腹を割って話し合うような雰囲気になるんだろうというのはすごい感じるので、自分の軸をぶらさずに、自分が大事だと思うことは譲らないぞみたいな、ちょっと気の強そうな雰囲気は見せておきました。すぐに宅間さんに飲まれそうになったんで、あんまり目を合わさないでお話ししました(笑)。
メイクしているときに話しかけられて「お酒飲めるの?」と聞かれて。「いや全然飲めないですよ」と答えたんですけど、「酔っちゃうの?」ってさらに聞かれて、普通にかわいく「酔っちゃって」でいいじゃないですか、でもそこを「酔っ払う感覚が好きじゃなくて、全然飲みたくないんです」と強めに答えました。さらに、「いつも何を飲んでるの?」と聞かれて、「リアルゴールドです!」と答えました(笑)。そこから気さくに話してくれて、すぐに「7月17日生まれで同じ誕生日だね」と言ってくださり、そして知ってくださってて嬉しかったです。
――誕生日という共通点があるとぐっと距離が近づきますね。
私は北海道、小樽で生まれてそこに本籍もあるけど、育ちが千葉だと宅間さんにお伝えしたら、「それはもう千葉県だよ、北海道じゃないじゃん」って言われて、「本籍ありますから!」と、出身についてはちょっとバトルが一瞬あったんです(笑)。このやり取りもあって、すごく信頼できる関係を築いていけるんじゃないかなとは思っています。
――宅間さんのカンパニーは同じ釜の飯を食べて一体になるとよく聞きますよね。
私は苦手ですね。お弁当にして持って帰るタイプなんで(笑)。終わったらきっちり帰ります。「かわいくないな」って逆に愚痴ってもらうぐらいがちょうどいいなと思います。
こうやってお仕事をひとりでやってきて、俳優さんって自分の世界観を持っていて、個性がちゃんとあるっていうのを実感します。そこを認め合ってリスペクトし合うっていうところが、やっぱり俳優業で大事だなっていうのをこの一年で学んだので、宅間さんのカンパニーは本当に個性豊かなキャストさんばかりで、みんな違う味を持ってるからいい出汁が出てよさそうです。
――そんなカンパニーに北野さんが加わるのが本当に楽しみです。
泣かないでがんばります!