暑熱環境下で働く人、73%が職場の暑さ・熱中症対策「不十分」と回答。試してみたい対策は?

東京ウォーカー(全国版)

近年、熱中症での救急搬送者数は増加している。今年4月に成立した改正気候変動適応法に規定された「熱中症対策実行計画」では、中期的目標(2030年)として熱中症による死亡者数の半減を目指すとしており、そのなかで事業者の役割として労働者の熱中症対策が明記されている。そこで、日本生まれのサポーター専業ブランド「MEDIAID(メディエイド)」を展開する日本シグマックス株式会社は、職場で実施されている具体的な暑さ対策について、実際に暑い環境で働く人に有効な対策が打たれているか、働く人を対象にした「職場での暑さ対策に関する実態調査」を実施した。

【調査概要】
・調査期間:2023年7月24日~30日
・調査対象:全国の建設・製造・運送・鉄鋼・電気通信・電気ガス水道等の業務に従事する男女計1万人。うち、屋内屋外を問わず、夏期もしくは年中暑い環境で働く機会があると回答のあった5438名について分析
・調査方法:インターネット調査
・調査機関:株式会社まーけっち

暑熱環境下で働く人、職場の暑さ・熱中症対策は?


職場の暑さ対策、73%の従業員が「不十分」。今後試してみたい対策は?

1.暑熱環境下で働く5438名のうち、77%が暑さによって仕事の効率への影響が「ある」。そのうち3人に1人は熱中症を身近に感じたことがある

暑熱下で働く5437名のうち77%が、暑さにより仕事の効率に影響がある

そのうち3人に1人は熱中症を身近に感じたことがある

暑熱環境下で働く5438名のうち、全体の4分の3を超える77%もの人が仕事の効率への影響が「ある」と回答した。また、そのうち35.5%の人が「熱中症もしくは似たような症状」を自身もしくは同僚が発症していると回答。「休憩を頻繁に取る必要がある」ことで作業時間が減少する(39.5%)、「集中力低下などで支障をきたす(38.1%)」という回答の割合も高くあった。仕事環境における暑さ対策が、働く人の健康管理という面でも、業務の生産性向上という面でも課題となっていることが明らかになった。

2.職場(会社)について、73%が暑さ対策を「実施していない」「実施しているが不十分」と回答。また半数以上が「個人で暑さ対策を追加実施している」

職場での暑さ対策について「十分実施している」という回答は27%にとどまった

従業員個人でも独自に暑さ対策をしているケースは6割を超えた

職場(会社)での暑さ対策について「十分実施している」という回答は27%にとどまり、73%は「実施しているが不十分(56%)」「実施していない(17%)」ととらえていることがわかった。その背景には、企業側の暑さ対策への取り組みの本気度が不十分ということだけではなく、課題を把握していても効果的な対策を打てていないことが推測される。また、個人でも独自に暑さ対策をしている人は6割を超え、現場での困りごとの大きさが感じられる。

3.企業がとっている具体的な対策は「エアコン」「飲料」「食品」などが上位。従業員自身で取る対策は「下着」「飲料」「汗拭きシート」など。今後試してみたいアイテム1位は「身体冷却服」

企業が取っている具体的な暑さ対策は「エアコン」「飲料」「食品」

従業員自身は「下着」「飲料」「汗拭きシート」などの対策を取っている

現場での暑さへの課題を解決するために、会社が行っている方法としては、エアコン設置が31%と最も多く(スポットクーラーを合わせると47%)、経口補水液等の飲料支給(25%)、塩飴等の食品支給(22%)、ファン付きウェアの支給(18%)が続いた。一方で、個人で実施している対策としては、飲料の摂取(33%)、涼しいインナー等の着用(29%)、汗拭きシート等の使用(22%)、冷却グッズの使用(19%)などがあがっており、個人でも手軽に購入できる製品を使って対策をしていることが見て取れた。

【画像】今後試してみたい暑さ対策アイテム1位は?

今後、新しく暑さ対策で取り入れてみたい(試してみたい)対策としては、身体冷却服(ファン付きウェアを除く水冷服など)が一番多く、冷却グッズ、涼しいインナー、ファン付きウェアなどが続いた。暑熱対策製品は各社から毎年新製品や改良品が発売されている。アンケート結果からは、現状の対策では満足していないので新しい製品を試してみたいという意識がうかがえた。

今回の調査について、日本シグマックス株式会社の担当者に話を聞いてみた。

「(今回の調査の意図や狙いは?)近年の気温上昇により、熱中症での救急搬送者数が増加しています。特に2022年の職場における熱中症発生状況は、死亡を含む休業4日以上の死傷者数は805人、うち死亡者数は28人となっており、厚生労働省からは、各事業場で熱中症予防について対策を講じるよう発信されています(※)。そこで、職場で実施されている具体的な暑さ対策について、実際に暑い環境で働く人に有効な対策が打たれているかが重要だと考え、働く人を対象とした本調査を実施しました」

※引用:厚生労働省「令和5年『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』キャンペーン要綱」

職場における労働者の熱中症対策は、事業者の役割として急務


「(今回の調査結果の注目ポイントは?)調査結果(1)(2)にあるように、暑熱環境である職場(企業)については、暑さ対策を実施しているものの、その対策は不十分であり、従業員個人で実施している対策も、暑さの課題の原因解決ができていない状況です。企業経営の立場から、暑さ対策は従業員の健康管理・安全衛生という面でも必須です。一方で人手不足がうたわれるなか、暑さ対策を講じて仕事の効率を高めることも重要であると言えます」

「(業種別で調査結果に違いは?)各項目について、業種別関わらず同様の傾向が見られました。一方で、会社が実施している暑さ対策に対して、製造業では『実施しているが不十分(75%)』、『実施していない(12%)』とほかに比べて不満度が高くなっていました。企業で実施している暑さ対策について、製造業では、エアコン・スポットクーラーの設置はほかの業種に比べて高い割合(エアコン23%、スポットクーラー23%)でした。特に屋内かつ製造機械の影響で熱が発生し、こもりやすいため、エアコン・スポットクーラーの設置を対策として実施していることが考えられます」

「(ユーザーへのメッセージは?)各業種の職場環境も考慮しながら、企業(会社)は暑さ対策を講じることが必要です。一方で有効な対策がなく困っている企業も多いと思われます。われわれ暑熱対策製品を開発しているメーカーとしても、現場の声に耳を傾けたうえで、より効果的な製品を開発し各企業に提案していくことが重要だと感じています」

労働シーンやニーズごとに選べる暑熱対策製品

MEDIAID(メディエイド)では、日本シグマックスが医療現場で培ったノウハウや知見を活かし、働く人の身体課題を解決するワーカーズケア事業に取り組んでおり、暑熱対策製品に関してもラインナップ。

【メディエイド アイシングギア ベスト(今季新製品)】
ペルチェ素子を用いた一定温度での冷水循環による身体冷却を、タンクレス設計で実現した新型の冷却服。パッド内を循環させる水をわずか60mlにすることで、軽量化に成功した。冷水が流れるパッドは背中から胸部まで走行しており、広範囲の冷却が可能だ。ウェア部分に伸縮性が高く薄手の素材を採用し、作業動作を妨げない軽さと動きやすさを確保した。準備はパッド内に水を入れておくだけ、付属のモバイルバッテリーに接続すれば直ちに作動する。ACアダプターやポータブルバッテリーも使用可能なので、使用環境や時間に応じて使い分けできる。

冷却服「メディエイド アイシングギア ベスト」


【メディエイド アイシングギア アイスパックベスト】
タンクに保冷材と少量の水を入れ、電源を入れるとタンク内の冷水が循環して身体を冷やす、身体へのフィット性も備えたタンク一体型水冷服。

「メディエイド アイシングギア アイスパックベスト(左)・首用(右)」


【メディエイド アイシングギア 首用】
22℃以下の環境で冷却固体化するPCM素材を使用した、首に装着する冷却アイテム。約1.5~2時間冷却可能な2.0㎝タイプと、約3.5時間冷却可能な長時間タイプ(3.0cm)の2製品をラインナップしている。

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