いわゆる“死亡フラグ”にスポットを当てた 『〇〇で死ぬタイプの体育教師』 シリーズを発表している酒井大輔(@sakai0129)さん。現在、ヤンマガwebで 『ゴリせん』 を連載しており、2023年8月13日に最新刊『ゴリせん~パニックもので真っ先に死ぬタイプの体育教師~(6)』を発売した人気の漫画家だ。今回は作者の酒井さんに、6巻制作の舞台裏を聞いた。
「かなり四苦八苦」南極星編とアメリカ編、並行する2つのストーリー
『ゴリせん』は、酒井さんがもともと個人制作としてTwitterで発表していた作品。読者から大きな反響を集め、書籍化、そして連載へと至った。そうした経緯もあり、第6巻の発売を迎え「あのショート漫画がよくここまで続いたなぁ、という感じです(笑)」と、酒井さんも感慨深く感想を語る。
各話ごとにさまざまなシチュエーションで死亡フラグを破壊していくのが作品の大きな軸になっている『ゴリせん』だが、6巻では長編として、2つのストーリーが並行して展開されているのも大きな見どころだ。
2つのストーリーラインが同時に進行する形での制作は初めての経験だったという酒井さん。話数調整や、全体のテンポなど、苦労した点は多かったと振り返る。
「特にストーリーの同時進行物は難しいというのを聞いていたので、読者が混乱するので一話ごとに南極星編とアメリカ編が行ったり来たりしないようにしたり、話の面白さが片方に傾かないようにアメリカ編に急遽変な仲間たちを作ったりと、かなり四苦八苦して描きました」
長編はクライマックス、読み終えた後カバーにもニヤリ
また、カバーデザインも完成までに紆余曲折を経たそうで、「最初の案ではゴリせんに天使の羽が生えていたのですが、編集さんから『さすがにふざけすぎです』と突っ込まれ、デザイナーさんに相談して後光を入れるなどして今のデザインになりました」と舞台裏を語る。
さらに、カバーデザインのコンセプトにも触れ、「今回は6巻の最後の黒幕のセリフからきています。ネタばれになるので読んでいただければと思います」と、読み終えた後さらに楽しめるポイントを教えてくれた。
こうして描かれた長編がクライマックスを迎える第6巻。酒井さんは「この巻で長編が終わるので、そのカタルシスを感じてもらえればと思います。ぜひ読んでみてください!」と読者に向けてメッセージを寄せた。
取材協力:酒井大輔(@sakai0129)