J-WAVEは「J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2017 supported by antenna*」を7月21日(金)、22日(土)、23日(日)、横浜アリーナにて開催した。
【7月21日(金)】出演アーティスト:Amier/秦 基博/サカナクション
3日間のライブのトップバッターとして、幻想的なステージにAimerが登場。1曲目の「us」から、深みのあるハスキーな声が横浜アリーナに響き渡った。伸びのある声で気持ち良く歌いあげ、最後は「蝶々結び」。野田洋次郎(RADWIMPS)が楽曲提供&プロデュースを手掛け、昨年、Aimerの背中を大きく押してくれた曲で締め、大きな拍手に送られながらステージを後にした。
大勢の観客からの「はたくーん」という声援で迎えられた、今年で10回目の出場となる秦 基博。2曲目の「スミレ」では、サビの部分で大勢の観客が“スミレダンス”を披露。普段のライブでは秦自身が“スミレダンス”の踊り方をレクチャーすることも多いが、今回はレクチャーなしで観客がダンスをしている光景を見て「なんの説明もしないのに踊れるなんて、さすがJ-WAVEリスナー!」と感激。最後として選んだ曲は「70億のピース」。弾き語りで、サビの部分はアカペラで歌いきり、観客を魅了した。
メンバー5人が登場すると、ステージ後方には緑色のレーザー光線で「新宝島」の文字が。ヴォーカルの山口一郎の「皆さん! 今日は思いっきり踊りましょう!」という言葉に、すでに総立ちの観客が場内の床を揺らした。「さよならはエモーション」では一転、ステージ上にスモークが焚かれた幻想的な世界が。「Inst(FES ver.)」「SORATO(FES ver.)」ではステージ前方に5人が並ぶDJスタイルで場内はダンスフロアのような雰囲気に包まれた。様々な曲調で観客を楽しませ、最後は「目が明く藍色」を熱唱すると「ありがとうございました」と深々とお辞儀をしてステージを後にした。
【7月22日(土)】出演アーティスト:水曜日のカンパネラ/ユニコーン/福耳/平井堅/Suchmos
フロントアクトのRIRIのステージに続き、水曜日のカンパネラ「一休さん」のイントロが始まると、観客の視線はステージへ。 …ところが、ヴォーカルのコムアイはそのステージではなく、客席の後方から登場した。意表をついた登場に、観客は大盛り上がり! 客席の中へどんどん入って歩き、特製の神輿に乗ってようやくステージへ。その後も、赤と黄のカラフルなスポットライトを浴びながらアートの世界に入り込んでいるような演出を見せるなど、観客も“水カンワールド”を見守った。
実はこの日が誕生日だったコムアイ。そのことをMCで告げ、「人前で歌ったり、踊ったり、演出したり、パフォーマンスをしたり…誕生日に、こんなにたくさんの皆さんの前で、表現を見てもらうことができて光栄です!」と感謝の言葉を述べた。
揃いのツナギ姿で登場したユニコーンは「服部」で勢い良くスタート。手島いさむが歌う「オーレオーレパラダイス」の間奏では民生とABEDONで、ツインギターソロも披露された。 EBIの甘い歌声による「BLACKTIGER」、そして「SAMURAI 5」へ移り、エネルギッシュに歌うABEDONでしたが、なぜか途中で曲が変わって「かきまZ!」へ。ABEDONは「違う! 曲が違う!」 と猛抗議。さらに、よく見ると一人だけツナギの襟の大きさも違っていて、「襟も違う!」と、観客を沸かせた。さらに突然演奏が始まった「大迷惑」では、歌い出しで民生がお客さんにマイクを向けるものの、声がイマイチ小さかったようで、「歌えよ!」と苦笑い。それでも会場の興奮は収まるところを知らず、最後まで疾走した。
突如始まった福耳のスタンダードナンバー「星のかけらを探しに行こう」に大勢の観客が立ち上がり、うちわを左右に振る。会場にはすでに一体感が生まれているようだった。 曲が終わると、それぞれのメンバーの自己紹介が始まる。今回のライブで登場したのは、杏子、岡本定義(COIL)、あらきゆうこ、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦 基博、さかいゆう、浜端ヨウヘイ、松室政哉というお馴染みかつ豪華なメンバーだ。そんな福耳は5年ぶりの新曲2曲を発売するということで、「Swing Swing Sing」を披露。アップテンポな楽曲から、続けざまに「ひまわりの約束」のイントロが流れ、「おお~!」という声と共に拍手が巻き起こった。迫力の歌唱と確かな演奏技術で観客を惹きつけて、ステージを後にした。
シックな黒スーツ姿にカラフルな花束を手に持って、平井堅が登場。アコースティックギター1本というシンプルなセットで「ノンフィクション」が始まると、平井の美しいファルセットボイスと、ギターの力強いバッキングが会場を包み込みこんだ。続いて、J-WAVE LIVEに出演するきっかけとなった曲だともいう「楽園」を披露! 途中にドラム、ベース、ピアノを迎えたバンドセットでの演奏も挿みつつ、最後に演奏した「LIFE is…」では、平井自らピアノの弾き語りで歌いあげた。2000年から欠かすことなくJ-WAVE LIVEに出演し、18回目となる今回もやり遂げ、今年も大歓声の中、会場を後にした。
暗いステージ上に「S.G.S.4」が鳴り響くと、Suchmosが登場。暗闇から一転、「Welcome to J-WAVE LIVE SUMMER JAM!」というYONCEの掛け声と共に、ステージ上は明るくなり、1曲目の「YMM」がスタートした。ライブならではのアレンジが加えられ、のっけから会場のテンションは最高潮に。 YONCEはMCで、「ラジオで流れた曲を聞いて、Suchmosを知った人が多いのではないか」ということに触れ、さらに「このバカでかい小屋、横浜アリーナって言うんですけど。ここにこのバンドで立ててること、本当に俺たちは嬉しいです!」と、J-WAVE LIVEへの想いを語った。 MCが終わると「MINT」のドラムが鳴り響き、会場が歓声に包まれた。アンコールでYONCEは、6人でSuchmosを始めたばかりの頃のこと、ラジオを通したファンについて真摯に語り感謝の想いを伝え、「OVERSTAND」を演奏し終了した。
【7月23日(日)】出演アーティスト:大橋トリオ/CHEMISTRY/AI/清水ミチコ/RHYMESTER/久保田利伸/今市隆二(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)
大橋トリオは3年連続となるJ-WAVE LIVEのバンドマスターを務め、23日のためにスペシャルバンドを編成し、出演者でありながら当日の演奏も全て担当した。メンバーが登場すると、まずはジャズやロックを融合したような「マチルダ」から。ギターを弾きながら独特の気だるげな歌声を響かせ、会場を一気に引き込んだ。楽器を軽やかに持ちかえながら進んでいくのはさすがの一言。その演奏力の高さに、他の出演者も絶賛した。最後の「Bing Bang」では、「こんな感じで」と観客の手拍子を誘い、続くアーティストのために一体感を作り上げる。最後は会場を気持ちよさそうに見渡して、ピースサインでゆる~く締めた。
会場のモニターにCHEMISTRYの名前が出た瞬間、場内から歓声が湧き上がり、早くも総立ちに。全員の歓迎に応えるように、手を上げて川畑要と堂珍嘉邦が登場!衣装も相まってパッと見は対照的な2人だったが、「PIECES OF A DREAM」で息の合った伸びやかなハーモニーを響かせる。2曲目は川畑の歌声から始まる「Point of No Return」。観客はうちわをメロディに合わせて振り、全身で楽しんだ。2012年から5年の活動休止期間を経て、再始動したばかりのCHEMISTRY。川畑もホームに戻ってきたかのようにうれしそう。ラスト曲「ユメノツヅキ」は2人そろって花道へ進み、「この後も楽しんで」という言葉を置き、圧巻のステージを終えた。
スペシャルゲストの清水ミチコは、「今日もみんなで一つになって楽しんでいただけたら…。でも、一つになるためには、一緒に苦しみを乗り越えないといけません」と一言。観客が一瞬「どういうこと?」と思ったところで、天龍源一郎、デビ夫人、瀬川瑛子の”ちょっと聞き取りにくい3人”のまねで「アナと雪の女王」を披露。まねをしている清水自身も、あまりのおかしさに思わず吹いてしまう場面もあり、会場が大いに沸いた。ピアノの弾き語りでの名曲メドレーは、清水いわく「これは、“ものまね”ではなくて、いろいろなミュージシャンが”降りてくる”の」。松任谷由実、美輪明宏、森山良子など、笑いを入れつつも、まさに”ご本人”と思うような素晴らしい歌声を披露した。なんとも贅沢なエンターテインメントショーで会場を引きこんだ。
ミニマムなラップを見せたいという意向で、まずステージに登場したのはRHYMESTERの3人のみ。 「人差し指を上げてください!」という宇多丸の声に突き動かされ、場内は「ONCE AGAIN」の歌詞に合わせて指を一斉にかざすとみるみる熱気に満ちていき、「J-WAVE LIVE!」のコール&レスポンスもバッチリ。 ここで大橋トリオとスペシャルバンドが加わり、ヒップホップの歴史を歌った「Future Is Born」へ。その次は打って変わってムーディな「ちょうどいい」と、緩急も自在に会場を盛り上げた。「ヒップホップのノリを、少しでも楽しんでもらえたらうれしい」と語っていた宇多丸。一体となって揺れる会場を見渡し、願いが叶ったことを確信したはずだ。
ステージに現れた久保田利伸は1曲目の「Bring me up!」で早くも場内を一体にさせた。そのパフォーマンスはR&Bシンガーとしての貫禄を感じさせる。打って変わって、「歌います」と真面目な一言で始まったのは「Missing」。歌詞を噛みしめるような久保田の声に聴き入っていた客席からは、間奏で自然に拍手が沸き起こった。さらに「ここで、もう1つの大きいグルーヴを作りたいと思います」という声を合図に、AIが再登場! 昨年コラボレーションした曲「Soul 2 Soul feat.AI」をセッションで魅せた。そして最後は…と期待を抱く場内を裏切るかのように、「ポンポンポンポーン」と突然コミカルに歌い出した久保田。「本当は歌い出すはずだったんだけど」と笑う久保田の遊び心に合わせ、ピアノの大橋トリオも即興で合わせた。そんな最後まで騒ぎたいという気持ちを表すかのようなかけ合いから始まった「LA・LA・LA LOVE SONG」。久保田はステージを去り際にも、その奥に、あたかも誰かいるかのように「まだ出るなよ…今市!」と声をかけるお茶目な顔をのぞかせ、場内の期待を盛り上げて去って行った。
J-WAVE LIVEには、2年ぶりの登場となった今市隆二(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)。ステージ中央に姿を見せると、「Over & Over」「Eeny, meeny, miny, moe!」と立て続けに披露。途中でマイクスタンドからマイクを外し、ステージ狭しと動き回ると声援は一層大きくなった。「2年前に、ソロのライブを叶えてくれたライブに帰ってこられて嬉しいです! 短い時間ですが、楽しんでください」と挨拶すると、そのまま花道を通ってセンターステージへ移動。ラストの曲「Won’t Be Long」では、今市がステージの両端のお客さんとタッチをする場面も…。曲の終盤では「J-WAVE!」「J-WAVE!」というコール&レスポンスで盛り上がり、その興奮のまま、ステージの奥へと消えていった。
女性客が多かったこの日。「アンコール!」の黄色い声の中に再び、今市が登場!「J-WAVE LIVEは自分からすると、尊敬する皆さんばかりで、大トリをとらせていただいて光栄です。本当にありがたいことです」と感謝の言葉を述べ、感極まったのか「(このまま)終わりたくないです…」とポツリと漏らした。 最後はソロとしての新曲「Thank you」をしっとりと歌い上げて、3日間にわたる「J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2017 supported by antenna*」の幕を下ろした。
このライブの音源は、ラジオ(J-WAVE)、テレビ(フジテレビNEXT)でオンエアが予定されている。まずは、8月11日(金)18時-21時55分のJ-WAVEの番組「antenna* J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2017 SPECIAL」(ナビゲーター:サッシャ・藤田琢己)をお楽しみに。【ウォーカープラス編集部/モリオカユカ】
モリオカユカ