クリスマスイブを迎えた札幌に、大きなプレゼントが届いた。
ご存知の方も多いと思うが、サッカーJ1・ジュビロ磐田で20年間に渡って活躍し、日本代表にも選ばれ2度のワールドカップ出場も果たしたJリーグの人気者、あの「ゴン」こと中山雅史選手の、コンサドーレ札幌への入団が決定したのである!
これは一大事。札幌での第一声をゲットすべく、札幌市内の記者会見場へ向かった。
札幌市内のホテルにて行われた記者会見には、32社91人のメディア関係者が出席。会見場内には15台ものテレビカメラがずらりと並び、注目度の高さがうかがえた。コンサドーレの記者会見でこの人の多さは、コンサドーレさんには失礼だが近年まれに見る。うーん、やっぱりスターは扱いが違う。違いすぎる。
HFC(北海道フットボールクラブ)の矢萩竹美社長、三上大勝強化部長と共に会見場に姿を現した中山選手は、無数のカメラのストロボに迎えられ壇上へ。矢萩社長の挨拶の後、いよいよゴン中山が札幌での抱負を述べた。
これがゴン中山の挨拶。
「本日はお忙しい中、多数お集まりいただき、真にありがとうございます。来季よりコンサドーレ札幌でプレーすることを決めました。応援のほうを、よろしくお願いします!」
短くではあるが、とても力強く挨拶を述べたゴン中山。プレー中のキリリと引き締まった表情と同様に、少しの緊張感と、今後の札幌での新たなスタートを迎えた期待とが入り混じった、スター選手だけが持つ強いオーラを感じる表情が印象的だった。
約40分にも及んだ会見では、各社からの様々な質問に一つ一つ丁寧に答え、時折、いつもの陽気な「中山節」で会場を笑いに包む一場面もあった。コンサドーレで気になる選手は?との問いにも「上里選手。あのロングキックはすごかった(※)。ものすごいパワーで、あの左足はほしいくらい(笑)」と、すでに他選手の情報もチェックしている様子。きっとすぐにコンサドーレの選手たちとも打ち解けるに違いない。
「自分が来たことで北海道が元気になればいい」
「自分の経験が若い選手の刺激になればいいし、自分も若い選手たちから刺激をもらって、日々成長していきたい」
と、あくまで人として「成長」することを目標に、現役続行を決めた中山選手。とにかくイメージ通りの「元気」さが際立った記者会見でありました。
そういえば、09年のJ2リーグでのホーム最終戦の際、コンサドーレの石崎監督が「僕はシーズン前に、元気があればJ1へあがれる!と言いました。けど、上がれませんでした。きっと、元気が足りなかったのでしょう」と言っていた。ということは、ゴン中山のこの「元気」がチームに加われば、来季はJ1昇格間違いなし…かも? コンサドーレ札幌のサポーターの皆さん、そして北海道民の皆さん、来季は「北海道を元気にする男」ゴン中山と共にJ1昇格目指して、スタジアムへ足を運んで一緒に盛り上がろうじゃないですか!
ちなみに、中山選手がどれだけスゴイ人なのか、以下に少しだけ経歴やエピソードなどを…。
・1990年、JSLヤマハ(現・ジュビロ磐田)入団。以後、20年間に渡り磐田でプレー
・1998年(27試合36得点)、2000年(29試合20得点)の2度、Jリーグ得点王に輝く。ちなみに、1998年シーズンに記録した4試合連続ハットトリック(!)は、ギネスブックにも認定された大記録。
・1998年フランス大会、2002年日韓大会の2度のW杯出場。日本が初めて出場した98年大会のジャマイカ戦で、W杯日本人初ゴールを記録。
・通算記録(2009年シーズンまで)/J1リーグ354試合157得点/ナビスコカップ65試合26得点/天皇杯32試合14得点。日本代表53試合21得点。J1通算157得点は歴代1位。
(※=2009年8月5日J2リーグ第32節、vs福岡戦で見せた、コンサドーレ札幌MF上里一将選手の超ロングシュート。ハーフラインよりもはるか手前、相手ゴールから約65mの位置から放ったロングシュートが見事ゴールイン。会場の誰もが、開いた口がふさがらなかったスーパープレー)
【北海道ウォーカー編集部】